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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第十二章 異世界生活編07 新・新生活編
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< 27 新・王宮での生活24 ナナシ、魔晶石が必要な物と不要な物の違いを考える >


これまで色々な魔法を使ってきた。

魔法を使うだけでなく、魔道具を作ったり、ゴーレムを作ったりもした。

『わぁい、色々な魔法を使えるよ! 魔法バンザイ。』と素直に喜ばなくもないが、疑問に思った事も有る。

それは、魔道具を作った時に、魔晶石が必要な物と必要ない物が有った事だ。


魔晶石が必要だった物は、【レビテーション】とか【ヒール】とかの魔道具や、ペンギン型ゴーレムなどだ。

魔晶石が必要なかった物は、【マジックバッグ】や【異空間トレー】だ。

これらは何が違うのか疑問に思ったので、ちょっと考えてみようと思う。



ず、魔晶石が必要だった物を挙げてみよう。

最近作った物だと、『ペンギン型ゴーレム』『ネコ型ゴーレム』『杖』の各ゴーレムと、『毛穴の汚れを取り除く魔道具』『洗濯物を乾かす魔道具』【レビテーション】【ヒール】なんかの魔道具だね。


次に、魔晶石が不要だった物を挙げてみよう。

【マジックバッグ】【異空間トレー】【扉付き箱】なんかの空間魔法を使った物と、『ペンギン型ゴーレム』の表面に付与した【防汚ぼうお】や【リフレクション(熱)1倍】なんかの付与魔法がそうだった。


今まで気にした事が無かったけど、この世界に来てすぐに作った【マジックバッグ】も魔晶石を使わなかったよね。

そもそも魔晶石を知ったのも、王都に来て、魔道具屋さんで教えてもらってからだったし。

何で【マジックバッグ】って魔晶石が無くても機能しているんだろうね?

不思議だよね。

今まで気にしてなったけど、『地下鉄を何処どこから入れたのか?』よりも不思議だよね。(←比較対象がかなりおかしいです)


自分で色々考える前に、何か知っていそうな人(?)に訊いてみよう。

『【多重思考さん】、何で【マジックバッグ】には魔晶石が不要なのか分かる?』

『分かりません。ですが、何処どこかから魔力が供給され続けているのは確実だと思います。【マジックバッグ】を【魔力検知】で見ても大きな魔力は検知できませんので、異空間から魔力が供給されていると考えるのが妥当だとうでしょう。』

『それと、魔力が在るだけでは魔法を維持できませんから、異空間に魔法陣を配置して必要な魔力を集めながら魔法を発動させているのかもしれませんね。私の持つ知識で答えられるのは、こんなところでしょうか。』

ほう。

なんだか、ありそうな話だね。

でも、ちょっと待ってね。

『さらりと『魔法陣』なんて言葉が出て来たけど、『魔法陣』ってどんな物?』

『知らない様なていで訊かれましたが、付与魔法の正体は魔法陣ですからね。』

あれ? そうなの?

『ペンギン型ゴーレムの表面に付与した【防汚ぼうお】などは、【防汚】の魔法陣を対象に書き込み、魔法陣が魔力を集めながら魔法を発動しているんですよ。だから、付与魔法は魔晶石を必要としていないんですよ。』

へぇー、そうだったのか。


俺は、色々な魔法が使えるので何も考えずに使ってきたけど、そもそも魔法によって大きな違いが有ったりしたんだね。(汗)

そのへんの事も、魔法を使う人たちにとっては常識の事だったりするのかな?

俺は、魔法に関する知識がほとんど無いけど、すべての魔法が使える。

使えるから気にならなかっただけで、本来は知っていないといけない事だったりするのかもしれないね。(汗)


魔道具は、魔晶石に書き込まれた魔法を、魔晶石に充填されている魔力を使って発動している。

これが普通だと思い込んでいたから、魔晶石が使われていない【マジックバッグ】なんかを不思議に思った。

だが、それとは別に『魔法陣』を使って、魔力を集めながら魔法を発動している物が在ったというだけの話だったんだね。

なるほどなるほど。

完全に理解しました。


あれ?

俺が疑問に思っていた事は、これであっさりと解決しちゃったのかな?

単に『俺が常識を知らなかったから疑問に思っていただけ』という、そんなふたもないところに着地してしまいそうなんですがっ。

常識を知らない事が、色々なところで問題を引き起こしてマスネー。(遠い目)


でも、”常識”ってどうやって学んでいくんですかね?

そもそも、”常識”って何ですかね?

哲学的な話になっちゃわない?

何だかめんどくさそうな気がしてきた。

『魔法で不思議に思った事は、すべて『魔法陣』で説明できる!』とでも思っておけばいいかな?(←おい)

そう思う事にしよう。(←おい!)

面倒だから。(←おいいぃ!!)


(裏話的なモノ)

作中でこれまでにナナシが作った魔道具について、疑問に思っている方が居そうに思ったので書いた説明回です。

説明回と言っても、『魔法で不思議に思った事は、すべて『魔法陣』で説明できる!』というだけですが。(←違う!)


今回のお話の中で出てこなかった、隠れ家を作っていた時に使っていたゴーレムたち。

あのゴーレムたちは、魔晶石を使っていませんでした。

あのゴーレムたちは、【多重思考さん】たちがナナシの魔力を使って作り出し、【多重思考さん】たちが直接操作していました。

その為、魔晶石を使っていなくても動いていたのです。

だから、ナナシが魔晶石の存在を知る前に、ゴーレムを使って隠れ家が作れていても、ナニモオカシクナイノデス。

…別に「これならセーフだ」とか「今回も綱渡りだったぜ」とか、オモッテナイデスヨ。(汗)


現在も見えないところで絶賛稼働中の【製作グループ】のゴーレムなんかも、ナナシの魔力を使って作り出して直接操作しているタイプです。

色々な物を作っているゴーレムたちですが、魔晶石を使っている描写とかは無かった…と思います。

…説明を重ねる度に「今回も綱渡りだったぜ」感が出てくるのは、何故なんでしょう?(汗)

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