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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第十二章 異世界生活編07 新・新生活編
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< 26 新・王宮での生活23 ナナシ、魔晶石の品質を上げる実験結果を報告する >


朝食後のお茶の時間を終えた。

シルフィが部屋に帰るのを見送り、ソファーでくつろぐ。


俺は頭の中で【多重思考さん(多重思考された人(?)たちのリーダー)】から、魔晶石の品質を上げる実験の結果を聞く。

【製作グループ(多重思考された人(?)たちのうちの、物品製作をしているグループ)】が色々と実験をしてくれた。

品質の悪い魔晶石を、条件を色々と変えて、加熱しながら圧縮したり、加熱した後で圧縮したりしたんだそうだ。

だが、結局、そういった方法によって魔晶石の品質を上げる事は出来なかったそうだ。

残念だね。


それ以外の方法では、『不純物の除去じょきょ(【分離】魔法さんで不純物をのぞく)』と【均質きんしつ化】で、品質の向上が認められたとのこと。

これらは以前、魔石で効果を確認していたのだが、魔晶石の場合でも、魔晶石の品質に関わらず一定の効果が有ったそうだ。

『一定の効果』しかなかったので、品質の悪い魔晶石は、”やや悪い”程度の品質の魔晶石にしかならなかったそうだ。

残念だね。


そうなると、不良在庫の魔道具の評価はどうなるのかな?

俺はすべての魔法が使えるので、魔道具の魔法に特に価値は無い。

それと、多くの魔法を同時に無詠唱で使えるので、発動させる為に”ワード”が必要な魔道具は、手間と時間が余計に掛かるだけで、やっぱり俺には価値が無い。

だから、俺の場合は、魔道具には価値が無く、単純に魔晶石の品質と重さでしか価値を評価できないよね。

魔晶石以外の、指輪などに使われている各種金属などの素材は、素材そのままの価値でいいだろう。

細工さいくの綺麗な物は残しておくけど、それ以外はインゴットにしてしまった方が使い勝手が良さそうだ。

ただ、そうすると、魔道具の価値の評価が低過ぎて泣かれるだろうね。(苦笑)

上乗せをしてあげないと駄目だよね。


俺が報酬として貰って嬉しいのは、『『魔石』>『品質の良い魔晶石』>>『並みの品質の魔晶石』>>越えられない壁>>『品質の悪い魔晶石』』って感じかな。

俺の場合は、魔石が有れば最高品質の魔晶石が作れるから、魔石の方が価値が高くなってしまうんだよね。

だけど、これは普通ぢゃないし、この評価だと魔晶石の価値が低過ぎて泣かれてしまう。

普通に、『『品質の良い魔晶石』>『並みの品質の魔晶石』>『品質の悪い魔晶石』>『魔石』』として、評価してあげないといけないだろうね。



ぢゃあ、魔晶石の品質を上げる実験の結果を教えてあげよう。

そして、魔晶石の品質の違いによって、それぞれどの程度の価値として報酬の計算をするかを決めてもらおう。

決して、丸投げしている訳ではないですよー。

ただ単に魔晶石の価値を知らいないだけなんですー。

魔晶石の価値を知っていても、面倒だから丸投げしますが。(←こいつ最低だ)


シルフィとオリヴィアさんに部屋に来てもらって、魔晶石の品質を上げる実験の結果を伝えた。

魔晶石の品質はあまり上がらなかったのだが、オリヴィアさんには喜んでもらえた。

オリヴィアさんは『魔晶石の品質を上げるのは不可能なんじゃないか?』って言っていたからね。

オリヴィアさんに、実際に魔晶石の品質を上げる方法を見てもらう。

不良在庫の魔道具から取り外した品質の悪い魔晶石から、【分離】魔法さんで不純物を除去して、【均質化】して見せた。サクッとね。

「色が少し綺麗になったので、品質が向上したのが分かると思います。」

「………………。」

…これだけで『品質が向上した』とか言っちゃ駄目だよね。

そう言えば、オリヴィアさんたちは魔晶石の品質をどうやって評価しているのかな?

前もって訊いておかなければならない事だったね。

「これだけで『品質が向上した』とか言っちゃ駄目でしたね。ところで魔晶石の品質ってどうやって評価していますか?」

「…今、何をやったんだ?」

「えーっと、不純物を除去して、【均質化】しました。」

「…どうやって不純物を除去した?」

「【分離】魔法でです。」

「………………。」

「………………?」

「…相変わらず…、…だな。」

何かおかしな事をやらかしていたみたいです。

俺が何かやると、何かしらおどろかれるよね。

フシギダネー。(←何をやらかしたかは分かっていないけど、ちょっとだけ反省しておく)

「【分離】魔法は、転移魔法の一種いっしゅだよな?」

「ええ。そうですね。」

「転移魔法を使える者はウチには居ないからな。実質、”品質を上げる方法が無い”のと、たいして変わらんな…。」

「頼まれれば、やりますよ?」

「いや、そこまでしなければならない状況がそもそも無いだろう。最近は魔晶石の品質が低くて困る事なんて無いからな。」

そうなのか。

と、なると、無いよりは良いけど無くても困らない、ただ俺が趣味で魔晶石や魔石の品質を上げるのに利用するだけの技術ですね。

そんなことを考えたら、ふと、使つかみちの無い、頭のおかしい魔法がいくつか頭の中に思い浮かんでしまいましたが、それも含めてドウデモイイヤー。(ぶん投げた)


その後、俺への報酬とする魔道具の評価を、シルフィとオリヴィアさんとで話し合ってもらった。

魔道具に書き込まれている魔法の価値が俺にとって”0”だと言ったら、オリヴィアさんが困ってしまっていた。

でも、ワタクシ、魔道具が無くても魔法が使えますしおすしー。

それに、ワタクシが魔道具を使おうとすると、余計な手間と時間が掛かるだけですしおすしー。

オリヴィアさんが困ってしまっていたのだが、俺への報酬を魔石や金貨で支払うよりは(不良在庫の)魔道具で支払えた方がいい事は確かだし、シルフィが「さすが、ナナシさんです。」とか言っているのを聞いて、オリヴィアさんは交渉をしても無駄だと諦めたご様子です。

何かすみません。常識が通用しなくて。

何だか申し訳ない気持ちがするね。

だからと言って、どうにかしようという気持ちにはなりませんが。(←ヒデェ)


シルフィとオリヴィアさんの話し合いがまとまり、既に受け取っていた量の、さらに三倍くらいの量の(不良在庫の)魔道具をいただきました。

特に使つかみちの無い魔道具を山ほど貰っても、正直、戸惑ってしまうよね。

俺のところに来なければ、使われていたかもしれない魔道具だからね。

世の中の無常むじょうを感じるね。


さて。

この沢山たくさんの魔道具をどうするかねぇ?

魔晶石を取り外して魔道具を作るのに流用するのが一番簡単なんだけど、魔晶石の品質があまり良くないので、あまり魔道具には使いたくないんだよね。

使うとすれば、魔道具に魔力を充填する『魔力充填台』に、かな?

半分以上は、このまま【無限収納】のやしになってしまう気がします。

何となく、もったいない様な気もしましたが、考えるのもめんどくさいので諦めることにしましたっ。


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