< 22 新・王宮での生活19 ナナシ、【ヒール】の魔道具を作る >
朝食を食べ終えて、部屋に向かって歩いています。
シルフィはもちろん俺の腕に抱き着いています。イイ笑顔で。
ニーナとケイトは、ペンギン型ゴーレムを抱きかかえています。イイ笑顔で。
ニーナとケイトには言いたい事が有りますが、言っても無駄だと知っているので何も言いません。
無心です。
無心で歩いている俺の頭の中で【多重思考さん(多重思考された人(?)たちのリーダー)】に言われた。
『姫様に贈った魔道具の欠点に気が付きました。対策が必要です。』
おや?
『姫様に贈った魔道具』って、【物理無効】や【魔法無効】とかの結界を張ってくれるネックレス型の魔道具の事だよね。
防御能力は相当なレベルにあると思っていたんだが、何か”穴”でも見付かったのかな?
『”穴”が有った訳ではありません。むしろ、”その逆”とでも言うべき問題が有ります。』
その逆? はて?
『【魔法無効】の結界の所為で【ヒール】や【クリーン】などの魔法も掛けられないという問題に気が付きました。』
ああ、そうか。
【魔法無効】の結界が張られているのだから、【ヒール】も【クリーン】も無効化されてしまうよね。
なるほど。今まで気が付かなかったけど、もっと早く気が付いてないといけなかった問題だね。
確かに、そういう魔法が掛けられないというのは問題だ。
いざという時の為に、対策をしておかないといけないね。
あれ?
何か【クリーン】が頭の中で引っかかった。
だけど、何が引っかかったのかが分からない。
【クリーン】を使う物って、何か有ったっけ?
何か魔道具を作った気がするな。
あ。俺の部屋のトイレか。
”した”後、【クリーン】の魔法で綺麗にするようになっているよね。
シルフィは今までどうしていたんだ?
『姫様は、あのトイレを使っていません。自分の部屋で済ませています。だから気が付くのが遅れました。体を綺麗にする際もメイドさんたちが拭いていましたし。』
なるほど。【ヒール】も【クリーン】も使われる機会が無かったから気が付けなかったんだね。
ぢゃあ、対策を考えるか。
あれ?
対策を考え始めて、すぐに気付く。
『【多重思考さん】たちが【目玉】を使えば、【魔法無効】の結界の内側から【ヒール】も【クリーン】も掛けられるよね? それで何の問題も無くね?』
そう思ったら、『ふぅ。やれやれだぜ。』って感情を頭の中に感じた。
時々失礼だよね、【多重思考さん】って。
『確かに私たちは【目玉】を使って【魔法無効】の結界の内側から【ヒール】を掛けられます。ですが、それをすると【目玉】でコッソリと警備している事とか、【目玉】の非常識な機能がバレてしまいますよ。それと、覗きを疑われてしまってもいいんですか?』
…そうでしたね。
はい。そうでした。
現状のままでも【目玉】を使って【ヒール】を使えるからシルフィに危険は無いのだが、【目玉】を使って【ヒール】を使ったりすると【目玉】の非常識な機能の事がバレてしまうので、バレない様に対策が必要って事だね。
なるほどなるほど。
完全に理解しました。
『どうすればいい?』
既に対策を【多重思考さん】が考えてくれていると思って、具体的な対策を訊く。
『姫様に贈った魔道具に【ヒール】と【クリーン】の魔法を追加しましょう。【ヒール】は自動的に発動する様にしておけば、さらに良いでしょう。』
なるほど。
『外側から掛けられないから、内側から自分で掛けてもらおう』ってことだね。
それと、【ヒール】を自動的に発動する様にしておくのはいいね。
気を失ってしまったら、【ヒール】を掛けられなくなってしまうからね。
ぢゃあ、食後のお茶の時間に、パパっと終わらせてしまおうかね。
食後のお茶を淹れてもらっている間に、パパっと終わらせました。(早っ!)
シルフィに、追加した機能を説明する。
「【ヒール】と【クリーン】の魔法が使える様に追加したよ。【魔法無効】の結界が邪魔しちゃって、シルフィに【ヒール】とかを掛けられない状態になっちゃっていた事に気が付いたからね。」
「【ヒール】は、怪我した時なんかに自動的に発動する様にしておいたからね。そもそもシルフィに対しての攻撃をすべて防げると思うから何の心配も無いと思うけど、念の為にね。」
「はい。ありがとうございます。(喜)」
シルフィは俺の腕に抱き着き、「ナナシさんの愛を感じます。」とか言ってデレッデレになっていらっしゃいます。
喜んでくれている様で、何よりです。
シルフィが何やら大袈裟なことを言っていましたが、それについてはスルーです。
上機嫌なシルフィが部屋に帰るのを見送り、今日もまた魔道具の検討を始める。
『次はどんな魔道具をつくろうかなぁ。』とか考えていたら、部屋に魔術師さんがやって来た。
『王妃様に頼まれていた魔道具を引き渡すのには、随分と早い時間に来たなぁ。』とか思ったのだが、昨日来た人ではなかった。
前に魔術師の杖について、色々教えてもらった人だ。
名前はオリヴィアさんだったっけかな?
「ちょっと訊きたい事が有るんだけど、いいかい?」
「ええ、いいですよ。どうぞ。」
オリヴィアさんにソファーを勧める。
「色々な魔道具を作ってるみたいだね。」
「ええ、そうですね。」
メイドさんたちへの”ゴマスリ”の為に色々作ってます。
ゴマを擦っておかないと、俺の命が危ないので。(切実)
「『魔晶石に書き込まれた魔法を書き換えているらしい』という噂を聞いたのだが、出来るのか?」
「え? 出来ますけど?」
簡単に出来ますけど?
ひょっとして変でしたか? 普通の事ぢゃなかったりするのかな?
「…驚いている様だから教えてやるけどな。一度魔晶石に書き込んだら書き換える事は出来ないんだ。普通はな。」
「そうなんですか。(驚)」
へぇー。
【魔法消去】の魔法で消してからもう一度書き込むだけで、簡単に出来ちゃいましたよ。
【魔法消去】の魔法自体が、知られていない魔法だったのかもしれないね。
「それが常識なんだがな…。何で驚いているのか、そっちの方が驚きなんだが…。(呆れ)」
そう言われましても、出来ちゃいますしおすしー。
ただ、ちょっとだけ常識を知らないだけなんですー。
【全魔法使用可能】のスキルは有り難いが、常識が無いとうっかり珍しい魔法を使ってしまう事になるんだね。
俺に常識が無い事が原因で、色々とやらかし過ぎな気がします。(苦笑)
気を付けないといけないね。
気を付けても、やらかしてしまう気がしますがっ。
「ちょっと、試しにやってみてもらえないだろうか?」
そう言って、指輪をテーブルに置くオリヴィアさん。
『【ファイヤー】の魔道具です。』
【多重思考さん】が指輪の情報を頭の中で教えてくれた。
「【ファイヤー】以外の魔法を書き込めって事ですね?」
「…凄い速さで【鑑定】するんだな。そんなに速く魔道具を【鑑定】するヤツは初めて見たぞ。」
驚かれただけで質問の返事を貰えなかったが、【ファイヤー】以外の魔法を書き込んぢゃえばいいよね。
ぢゃあ、【ヒール】でも書き込んでおくか。さっきやったばっかりだし。
【魔法消去】で魔晶石に書き込まれている魔法を消す。
魔晶石の品質が悪かったので【分離】魔法さんで不純物を取り除こうかと思ったのだが、魔晶石が小さくなってしまって、指輪から外れてしまう気がしたので、それは止めた。
【ヒール】の魔法を書き込んで、魔力を充填して、オリヴィアさんの前に置く。
「【ヒール】の魔法を書き込みました。」
そう言ってから気付く。
【ヒール】の魔法を書き込んぢゃったけど、【ヒール】の魔法が書き込まれているかは確認できないよね。怪我人が居ないとね。
失敗しちゃったね。
「………………。」
オリヴィアさんも困ってます。
「すみません。【ヒール】ぢゃ確認が出来ませんよね。」
「いや! そこじゃない! 【ヒール】だと?!」
「はい?」
変ですか?
「【ヒール】の魔道具を作れる者は、長い間居なかったんだ! お前は作れるのか?!」
「えーーっと、他の魔法と何か違うんでしょうか? 普通に作れましたよ?」
「………………。」
「………………。」
「………………。」
「………………?」
途端に静かになっちゃいました。
「………お前は、………規格外だな。」
そんな事を言われちゃいました。
俺は、変な事をしたつもりなんて、まったく無いんですけどねぇ。
ただ、魔晶石に魔法を書き込んだだけですしおすし。
でも、オリヴィアさんの反応から、俺が非常識な事をしでかした事は分かります。
『気を付けないといけないね。』って、さっき思ったばかりなのにね。
常識が無いと、色々と困るよね。(←早くも諦め気味で他人事みたいに言っています)
「この指輪は、ちょっと預からせてくれ。」
「ええ。どうぞ。」
そしてオリヴィアさんはメイドさんたちを見て言う。
「今、ここであった事は他言無用だ。」
「「はい。」」
「お前もだ。」
「はぁ。」
俺もだそうです。
俺たちに口止めしたオリヴィアさんは、小走りで部屋を出て行った。
オリヴィアさんが部屋を出て行ってから気が付いた。
これって、シルフィにも口止めをしないといけないんぢゃないかな?
そうだよね。
オリヴィアさんが、シルフィのネックレス型の魔道具が【ヒール】を使えるようになった事を知っていたはずが無いよね。時間的に。
シルフィの部屋に行って口止めをしてこよう。
早速、シルフィの部屋に行く。
が、シルフィは居なかった。
訊くと、「王妃様のところへ向かわれました。上機嫌で。」と言われた。
その際シルフィは、「ちょっと、お母様のところへ行ってきます。(喜)」としか言っていなかったそうなので、ここでは口止めの必要は無いみたいだね。
シルフィの部屋を後にして、今度は王妃様の部屋に向かう。
が、途中で帰って来るシルフィに会った。
『王妃様が口止めしてくれればいいなぁ。』とか思いながら、シルフィに訊く。
「そのネックレスの魔道具について、王妃様と何か話した?」
「はい。お母様も喜んでいましたよ。(ニコニコ)」
「でも、誰にも話してはいけないとも言われちゃいました。」
よしっ。王妃様が口止めしてくれていたね。
俺は安心して、シルフィと一緒に来た道を戻る。
俺の腕に抱き着くシルフィが、「私がどれだけナナシさんに愛されているのかをお話したいのに。私は不満です。」とかブータレながらデレデレしていましたが、俺は適当に相槌を打っておきました。(←対応が雑です)
部屋に戻ってソファーに座り、魔道具の検討を再開する。
…のだが、うっかり作ってしまった【ヒール】の魔道具の事が気になってしまう。
また、製作依頼が来るかな?
来そうだよね。
うん。来るね。
有用性は、先日作った『毛穴の汚れを取る魔道具』の比ではないからね。
失敗しちゃったね。
また百個単位で依頼されたりしそうだね。
そうなったら、本業に支障が出てしまうかもしれないね。(←メイドさんたちへのゴマスリは本業ではありません)
でも、【ヒール】の魔道具は人の役に立つからなー。あんまり断りたくはないよなー。
うーん。
取り敢えず、依頼される数が少ない事を祈っておこう。
それくらいしか、俺に出来る事は無いよね。
シルフィと王妃様とメイド長とオリヴィアさんが部屋に来ました。
ですよねー。
【ヒール】の魔道具の製作を依頼されました。
ですよねー。
数は3個だそうです。
でs…、あれ?
随分と少ないね?
百は超えて来ると思ってたのにね。
でも、「少ないですね。」なんて言ったりしませんよー。
うっかり、言いかけてしまいましたがっ。
依頼数が少なかった事を素直に喜びます。バンザイ。
やる事が増えてしまった事実には気が付かなかった事にします。
【ヒール】の魔道具の製作を了承し、報酬についての話に移る。
報酬の支払い方法は、”魔石”ではなく、”魔道具”にしてほしいそうだ。
何でも、魔石が品薄になってしまっているんだそうです。
既に価格が上がってしまっているので、さらに価格を上げてしまう様な事はしたくないとのことです。
魔石が品薄になった原因に心当たりが有る人がこの場には何人も居るので、何とも言えない微妙な空気が流れます。(苦笑)
王妃様も『やり過ぎちゃったかしらー。』って感じで目が泳いでいらっしゃいます。(苦笑)
『毛穴の汚れを取る魔道具』を300個も作ったのはやり過ぎだったと、俺も思います。
報酬の支払い方法が”魔道具”なのは、使われていない魔道具が倉庫に沢山有るからだそうです。
これは、『魔晶石に書き込まれている魔法を書き換える事が出来るのなら、使わなくなった魔道具を再利用出来るよねっ。』って、ことなんだろうね。
でも、そうなると不良在庫(←そこまでは言ってません)の魔道具の価値を評価しないといけなくなるね。
面倒だよね。
シルフィに丸投げ出来なくて。(←おい!)
製作依頼が大筋で纏まると、王妃様とメイド長は帰って行った。
残ったシルフィとオリヴィアさんと一緒に、引き続き報酬についての話をする。
先ず、報酬となる魔道具を見せてもらう。
オリヴィアさんが、持って来た【マジックバッグ】の中から魔道具をテーブルの上に出した。ドッサリと。
さすが、不良在庫ですね。(←そこまでは言ってなかったってば)
指輪型の魔道具を一つ手に取って、見る。
武骨な作りの指輪だ。
装飾品としてではなく、道具として作られたのが分かる作りです。
魔晶石を見てみると、品質は良くなさそう…、いや、品質は悪そうだ。
訊くと、古い魔道具で、魔晶石を作る技術がまだ未熟だった時代の物だかららしい。
うーーん。
魔晶石の品質が悪いのは不満だな。何となくだけど。
ただ単に、高品質な物を作りたがる日本人気質なだけかもしれませんが。(苦笑)
オリヴィアさんに、魔晶石の品質について訊く。
「魔晶石の品質が悪いと、魔法の発動に何か影響が有ったりするんですか?」
「魔法の発動自体には影響は無いな。ただ、書き込みで失敗する事が極稀に起こるのと、充填できる魔力量が少なくなるのと、魔力を充填する時に割れてしまう事がたまに有るくらいだな。」
うーーん。
魔法の発動に影響が無いのはいいが、充填できる魔力量が少なくなってしまうのは不満だな。
先日、作ろうとした魔道具の魔力消費量が多過ぎて、四苦八苦してしまったからね。
品質の悪い魔晶石を渡されるくらいなら、魔石の状態で貰った方が、俺の場合は有り難いね。
でも、「やっぱり報酬は魔石でください。」と言っても、無理だろうね。
魔晶石の品質を良くする方法を考えてみるか。
念の為、オリヴィアさんに訊く。
「品質の悪い魔晶石の品質を良くする方法って、有るんですかね?」
「うーーん。魔石から作る時の作業によって品質に良し悪しが生まれるのだから、出来上がった後に何かしようとしても不可能なんじゃないか?」
そう言われれば、そんな気がするな。
無理っぽい気もするが、一応実験して、魔晶石の品質が上がるか確認しよう。
あまり品質の悪い魔晶石で魔道具を作りたくないからね。(←ただの日本人気質だと思います)
「品質の悪い魔晶石で魔道具を作りたくないので、先に魔晶石の品質を上げる実験をさせてください。魔晶石の品質を上げられないのなら、私にとって、品質の悪い魔晶石の価値は魔石以下なんで。」
「詳しい報酬の話は、魔晶石の品質を上げる実験をしてからでお願いします。」
「ああ、分かった。魔晶石の品質を上げる方法が見付かれば、こちらも有り難いからな。」
報酬の話は、また後日ということにして、不良在庫の魔道具の山を置いて、オリヴィアさんは帰って行った。
テーブルの上に残された不良在庫の魔道具を、サクッと【無限収納】に仕舞う。
そして、頭の中で【多重思考さん】に言う。
『よろしく。』(←丸投げが、すっかり雑になっています)
お茶の時間です。
お茶を淹れてくれているニーナを眺めています。
堂々としていて、美しく滑らかな所作です。
その美しい所作に見惚れてしまいそうになります。
そして、淹れられたお茶が俺とシルフィの前に置かれました。
すげぇ。
ちゃんとお茶を淹れてくれましたよ。片手しか使ってないのに。
片手だけでお茶を淹れてくれている間、ニーナのもう一方の腕はペンギン型ゴーレムを抱きかかえていました。
ジタバタするペンギン型ゴーレムを片腕で抱きかかえたまま片手でお茶を淹れるのは、マナー的にはどうなのかな? どうなのかな?!
ニーナはごく普通に堂々とお茶を淹れてくれていたけど、おかしいからねっ。
………おかしいよね?(←ニーナが堂々としていたので、自分の方が間違っているのかと不安になった小心者です)
「ニーナ、それは?」
シルフィがニーナに訊く。ニーナの腕の中でジタバタするペンギン型ゴーレムを見ながら。
「この子はペネラです。(ニッコリ)」
イイ笑顔です。
でも、『ペネラ』って何ですかね? そのペンギン型ゴーレムの名前ですかね?
そのペンギン型ゴーレムの所有者は、俺のはずだよね?
それなのに、初耳なのですがっ。
シルフィは俺を見た。少し困ったかの様な表情で。
ニーナの答えは、シルフィが望んでいた答えではなかったのだろう。
シルフィの疑問に、俺が代わりに答えてあげる。
「あれは、ペンギン型ゴーレム。俺が作った。」
「『ペンギン』って何ですか?」
「そう言う名前の鳥の仲間。この………。」
うっかり、また『この世界には居ない?』と言い掛けてしまいましたが、踏み止まりました。
「ペンギンです。」
「………ペンギンですか…。」
シルフィはペンギン型ゴーレムを見る。
俺もペンギン型ゴーレムを見る。
ペンギン型ゴーレムは、ニーナの腕の中でジタバタしている。
俺はただ眺める。ジタバタしているペンギン型ゴーレムを。
「床に置いて。」とニーナに言っても無駄だと知っているから。
昼前。
部屋に魔術師さんがやって来た。
今日はこの部屋に来る人が多いですね。(苦笑)
来たのは、昨日、王妃様に頼まれていた魔道具の引き渡しと、魔道具の材料と報酬の魔石の受け取りをした魔術師さんです。
今日も、完成した分の魔道具の引き渡しをした。
これで、王妃様に頼まれていた『毛穴の汚れを取る魔道具』の製作は完了です。
やり遂げた充実感があります。
やったね。
まぁ、実際に作ったのは【製作グループ(多重思考された人(?)たちの内の、物品製作をしているグループ)】の人(?)たちなんですけどねー。
頼まれていた魔道具の引き渡しを済ませたら、ヒマになった。
【多重思考さん】たちに丸投げした魔晶石の品質を上げる実験は、すぐには終わらないだろうからね。
ソファーでダラァーーっとしながら、次に作る魔道具の検討をする。
だが、”ダラァーー”と”検討”の比率が9:1くらいだったので、実質、何もしていないのと同じでした。(苦笑)
さて。
今日のお昼ごはんは何かなー?(←セリフが、食事しか楽しみが無いダメ人間っぽくなってきて心配です)
(裏話的なモノ)
シルフィのネックレス型の魔道具の【魔法無効】の効果で【ヒール】や【クリーン】の魔法をシルフィに掛けられないというお話は、作者が今まで気が付いていなかったので(←をい!)急遽書く事になりました。
ナナシが依頼された【ヒール】の魔道具の数が少ないのは、王宮内で管理できる数に収める為です。
【ヒール】の魔道具の存在を知られると、ポーション関連の色々な仕事(薬草採取、ビンの製造、ビンの材料の採掘や運搬、完成品の運搬などなど)に大きな影響が出てしまうので秘匿しておきたいのです。
王妃様はそういう配慮が出来るお方なのです。
『毛穴の汚れを取る魔道具』を大量に発注し過ぎて、うっかり魔石を品薄にしていまいましたが、普段はやらかさないお方なのです。




