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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第九章 異世界生活編05 生活基盤を整えよう編
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< 24end (王都22日目 午後) 盗賊退治02 引き篭もり生活の終わり >


ソファーに身を預けてくつろいでいます。

すっかり、無職でもりな生活がいたいてきました。

望んでいた、”ごとけて、のんびり過ごす”生活です。

『それって、どうなんでしょう?』

頭の中で【多重思考さん】に、呆れられた感じでそう言われた。

【多重思考さん】がさらに続ける。

J( 'ー`)し『たかし、仕事を見付けて来たわよ。はい、盗賊狩り。』

「たかしって名前ぢゃないよっ! 以前の名前の記憶は無いけど、たかしって名前ぢゃなかったはずだっ!」

「それと、仕事として”盗賊狩り”を勧めるってのは、どうなんだよっ!」

J( 'ー`)し『最近、この仕事減ってるのよ。』

「減ってるならイイぢゃん。平和になってるってことだろっ。俺のところに持ってくるなよっ。」

それに、盗賊が絶滅すると、俺が困るからね。

盗賊退治と言うか、盗賊の持ち物を頂戴ちょうだいするのが、今の俺の収入の柱だから。(悪い顔)

盗賊が減っているのなら、尚更なおさら、今俺がしなくちゃいけないことぢゃないよね。

頭の中で【多重思考さん】が真面目な声で言う。

『素材が少なくなりました。』

「ぶっ。」

先日おねだりされて、盗賊から武器とか防具とかを頂戴したのにか?

どんだけ創作意欲にあふれてるんだよ。

俺が呆れていると、テーブルの上に物が置かれた。

包丁の様だ。

手に取って見てみる。

出刃包丁だね。

なんとなく、良い出来の様に感じる。

頭の中で【多重思考さん】が説明する。

『熱処理を試行錯誤して、なかなか良い品が出来たと思います。(ニヤリ)』

【多重思考さん】の控え目な言葉の中にも”やり遂げた感”を感じます。

テーブルの上に出刃包丁を戻し、出刃包丁を見ている間に置かれた他の品も手に取って見ていく。

柳刃やなぎば包丁と、果物ナイフと、所謂いわゆる肥後守ひごのかみっぽいのを見る。

これらも、いい感じの品だった。

そして、最後の品を手に取って見る。

無垢の木の鞘に入れられた短刀だ。

スラリと抜く。

微妙に反った刃と刃紋が美しい。

「おおー。」

思わず声が出た。

とても良い出来だと思った。

色々な角度から刃を眺める。

「うーん。すごい。」

頭の中で【多重思考さん】が”ドヤ顔”をするのを感じた。

さらに【多重思考さん】が俺に追撃を掛ける。

『日本刀を作りたいなぁ。(ちらっちらっ)』

ずるい。

こんなのを見せられちゃうと、日本刀が欲しくなっちゃうよね。

「はぁ、仕方が無いか。」

【多重思考さん】のおねだりを受けて、俺は盗賊退治をすることに決めた。

【多重思考さん】が言うには、盗賊に捕らわれている人は居ないとのことだし。(←これ重要)

さっさと済ませよう。

立ち上がり、伸びをして、ヤル気を出す。

俺は【多重思考さん】に指定された【目玉(仮称。魔法で作られた目)】を目印に転移した。



ダメ人間まっしぐらだった彼がとどまり、将来の自分の結婚相手と出会うまで、あとわずか。

その出会いによって、彼の引き篭もり生活が終わる事に、まだ彼は気付いていなかった。

そして、”たかし”と書かれた表札ひょうさつに彼が気付くまで、あと、40日。


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