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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第九章 異世界生活編05 生活基盤を整えよう編
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< 21 (王都15日目 午後) 盗賊退治01 >


俺は、かくで、まったりと過ごしている。

俺の望む”ごとけて、のんびり過ごす”生活です。


ソファーでくつろいでいたら、頭の中で【多重思考さん】に『盗賊退治をしましょう。』と、言われた。

何故、そんな事を言われたのか分からなかった。

まだ、お金はたんまりと有るからね。

そう思ったら、『武器や防具が欲しい。』との事だった。

そう頭の中で言われたのだが、何故、武器や防具なんかが欲しいのかが分からない。

さらに聞くと、以前、盗賊のところから奪った剣などは、溶かしてくわ金床かなとこにしたとの事だった。

ああ、『武器や防具が欲しい。』って言うのは、『何かを作る為の素材が欲しい。』って事ね。

どんだけ創作意欲にあふれてるんだよ。

いつの間にか隠れ家の前には畑が出来ていたしなっ。

頭の中で【多重思考さん】に、捕らえられている人が居なくて、剣とかを沢山持っている盗賊が居るか訊く。

『ちょうどいいのが居ますよ。』とのことだったので、【多重思考さん】の要望通りに盗賊退治をする事にした。


王都からかなり東に離れた場所に来た。

今、俺は、盗賊たちが”仕事”をする街道を、高い位置から眺めている。

眺めているのは、盗賊たちの仕事を見る為だ。

この先、盗賊退治が収入の柱になりそうだったので、盗賊たちの仕事の仕方を見学しておこうと思ったのだ。

既にあちらこちらに【目玉(仮称。魔法で作られた目)】を配置している。

被害が出ない様に介入しながら、盗賊たちの仕事の仕方を見学させてもらうつもりだ。

ちなみに今の俺の状態は、空中に足が乗る程度の小さい【ブロック】を置いてその上に立ち、【不可視】の結界で姿を隠しています。

【フライ】よりも、こっちの方が魔力の消費が少ないのでね。


街道を一台の馬車がこちらに向かって進んで来る。

護衛らしき者も見えるが、盗賊たちはあれに仕掛けるのだろうか?

俺は様子をうかがう。

盗賊の一人が何やら合図を送っているのが見えた。

街道に丸太が置かれた。

あの丸太で、馬車の足止めをするんだろう。

盗賊たちは、あの馬車に仕掛けるようだ。

盗賊たちの仕事を見学させてもらおう。



< 護衛の冒険者たち >


「馬車を止めろ!」

馬車の行き先に丸太が置かれているのを見て、俺は声を上げた。

荷台から飛び降りる仲間たちの気配を感じる。

俺も御者台ぎょしゃだいから飛び降りた。

馬車の左手(がわ)にはまばらに木が在る。

そちらから矢が飛んで来た。

しかし、飛んで来た矢は、かなり手前で落ちた。

そして、矢を撃った者なのか、木から人が落ちるのが見えた。

『素人なのか?』と、疑問が頭に浮かんだが、盗賊に容赦する気は無い。

そんな事をすれば、痛い目を見るのは俺たちだからだ。

仲間の二人が剣と盾を構えそちらに向かう。

隠れていた数人の男たちに囲まれ、戦闘になった。

俺はここにとどまり、馬車と依頼主を守る。

男が一人こちらに来たが、難なく切り伏せる事が出来た。

既に傷を負っていたのだろう。

丸太が置かれているほうからも、男が二人、近付いて来た。

俺は馬の前まで移動し、そいつらを迎え撃つ。

一人が俺に近付きながら剣を振り上げる。

しかしそいつは、剣を振り上げてよろけた。

素人っぽい動きだった。

そのスキに一撃()らわせ、そいつを切り伏せた。

もう一人の男も剣の重さに慣れていないようだった。

簡単に切り伏せる事が出来た。

仲間たちも優勢に戦えているようだ。

襲って来た男たちを全員切り伏せて、仲間たちが戻って来た。

まだ他にも気配が在るが、襲って来る様子は無い。

二人に馬車と依頼主を任せて、俺は道をふさいでいる丸太を退かす。

周囲を警戒しながら馬車を進め、俺たちはその場を後にした。



< 再びナナシ視点 >


「ふう。」

馬車が遠ざかるのを見送って、俺は安堵あんど溜息ためいきいた。


戦闘中に【ステータス】の魔法で盗賊たちのHPやSTR、さらにDEXとAGIの値を”1”にした。

そのお陰で盗賊たちは、護衛の男たちに一蹴いっしゅうされた。

木に登って弓矢で狙っていた男たちは、木から落ちないようにするだけで精一杯だった。

一人、木から落ちたのが居ましたが。

一人も被害者が出なくて良かったね。(←盗賊たちはカウントされていません)


残っている盗賊たちは、全員MPの値を”0”にして気絶させた。

【スリープ】の魔法は範囲魔法としても使えるので、そっちの方が手間が掛からなくて良いかなと思ったのだが、『興奮状態だと掛からない恐れがあります。』と【多重思考さん】に言われたので、気絶させることにした。

この場に居る盗賊たち全員の剣やナイフを、【無限収納】に仕舞っていく。

それを終わらせ、次に盗賊のアジト向かう。


【転移魔法】で盗賊のアジトに来た。

ここに居る盗賊たちは、既に【多重思考さん】たちにより気絶させられている。

俺は、置かれている金目かねめの物や武器や防具を、サクサク【無限収納】に仕舞っていく。

それなりの金額を持っていました。

引き篭もり生活がはかどるね。(ニッコリ)

素材(=武器や防具)もたんまりで、【多重思考さん】たちも喜んでくれるだろう。

ちなみに、盗賊たちにトドメを刺したりはしません。

盗賊が絶滅したら、盗賊退治が出来なくなるので。(悪い笑顔)


俺は笑顔で、隠れ家に帰った。


次回投稿は1/3です。

よいお年を。

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