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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第九章 異世界生活編05 生活基盤を整えよう編
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< 19 外伝 【多重思考さんの一人(?)】の或る日の活動 盗賊のアジト編 >


これは、ナナシとリーダーが、王都の詰所で盗賊のアジトについて報告をした後の、アジトでのお話。


”私”は、盗賊のアジトで、縛られて転がっている盗賊たちを監視しています。

もちろん【目玉(仮称。魔法で作られた目)】を使ってです。

この【目玉(仮称)】、良いですよね。

どこにでも行けて。

ふと、自分自身の体が【目玉(仮称)】であるかの様に錯覚してしまう時があって、困惑しますが。

それはそれとして。

床に転がる一人の男を見て、”私”は考えます。

盗賊たちと一緒に転がっている”盗賊のボス”が、詰所に連行されて、自分が貴族であると話す。

そして、家の者が呼ばれて貴族だと確認されると、厄介な事になるのではないか? と。

本体ほんたいさん”は、報酬を貰えると言われて喜んでいる様ですが、報酬を貰うどころの話ではなくなるかもしれません。

あの”盗賊のボス”は、やたら偉そうにしていました。

とんでもないごとになる予感がします。

仲間に頼んで、貴族の情報を集めてもらいましょう。

そして、対策が必要なら、その対策を考えましょう。


貴族のことを調べてもらいました。

やはり、貴族の持つ権力は軽視できない様です。

あの”盗賊のボス”に逆恨さかうらみをされる状況は、避けなければなりませんね。

”本体さん”が、ごとけて、のんびり過ごす為に。


さて、”盗賊のボス”をどうしましょうか?

仲間たちと相談します。

衛兵がこの盗賊たちを捕らえに来る前に、死んでもらいましょうか?

それとも、【転移魔法】でどこかにポイッてしてしまいましょうか?

しゃべれない状態にするという手もアリですかね?

仲間たちと一緒に考えます。


結論が出ました。

『死んでもらうのが、一番問題にならないだろう。衛兵が来る前に、盗賊たちに殺されてしまう様に仕向しむけよう。』と。

さいわい、(する必要が無かったので)猿轡さるぐつわをしていませんので、眠らされている状態から回復すれば、勝手に口喧嘩くちげんかを始めてくれるでしょう。

”盗賊のボス”は、口と性格が悪かったですし。

腕と足が縛られていますが、両足を揃えて蹴る事は出来ますし、”盗賊のボス”のHPの値を”1/1”にしておけば、口喧嘩の末、蹴られて死んでくれるでしょう。

いいですね。

これでいきましょう。


早速さっそく、”盗賊のボス”のHPの値を”1/1”にしました。

【スリーブ】の魔法が解けて、盗賊たちが起きるのを待ちます。


盗賊たちが、一人、二人と起き出します。

縛られている事に気付いて、騒ぎ出しました。

その騒ぎに、やがて全員が起きました。


騒ぐ盗賊たちを見て、”盗賊のボス”が、偉そうに言い放ちます。

「私の家の者たちが、すぐに助けに来るだろう。そうなれば貴様たちは終わりだ。」

「貴様らを、死ぬまでき使ってやるぞ。俺様の役に立てることに感謝するんだな!」

頭がおかしい人ですね。

彼を助ける意思が有ったのなら、縛って置き去りにされたりしないでしょうに。

どうして、助けを呼んでくれていると思えるのでしょう。

馬鹿なんですかね?

馬鹿なんでしょうね。


口喧嘩が始まります。

罵倒ばとうし合います。

聞くにえません。

盗賊の一人が、”盗賊のボス”を蹴りました。

縛られた両足を揃えて、ドガッと。

”盗賊のボス”は、「ぐっ」と言った後、倒れました。

死んだ様です。

計画通りです。(ニヤリ)


危機は去りました。

あとは、衛兵にお持ち帰りいただいて、お金に変わっていただくだけです。

『世の中の為に良い事をした。』と、イイ気分になり、”私”は上機嫌で盗賊たちの監視を続けます。


………うるさかったので、MPを”0”にして気絶させました。(てへ)


衛兵が到着しました。

盗賊たちを叩き起こします。

建物の外に出し、一列に並べてロープで繋ぎ、森の中を歩かせます。

死体は、盗賊たちに運ばせます。

重そうです。

「もたもたするな。」と、棒で叩いて歩かせます。

盗賊たちが強制労働をさせられる未来が見える様です。


街道に出て、荷馬車に乗せられて王都に連れて行かれました。

取り調べを受けて、”刑”と”金額”が確定していきます。

全ての”刑”と”金額”が確定し、別の部署に書類が送られます。

”私”は、その書類のあとを追います。

お金のにおいがする様な気がしたので。

書類を受け取った人は、その書類をカバンに入れ外に出ました。

あとを追うと、衛兵たちの本部の様な建物に来ました。

書類を渡し、重そうな袋を受け取ります。

お金のにおいがする様な気がします。

その人は重そうな袋を詰所に持ち帰り、金庫に仕舞いました。

”私”は、盗賊を捕らえた報酬が用意された事を報告します。

”私”に与えられた仕事は、これで終わりました。

次は何をしましょうか?

”魔術師の街”に行きましょうかね?

あそこは、面白そうな事が始まっている様ですし。

そうしましょう。(ニヤリ)


”私”は、”魔術師の街”に行ってお手伝いをすることを報告し、”魔術師の街”に居る仲間の【目玉(仮称)】を目印に、自分の【目玉(仮称)】を転移させました。


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