< 16 (王都6日目 午前) 拠点で料理02 揚げ物は正義 >
昨日から拠点で料理をしはじめた。
引き篭もり生活に、また一歩近付いたね。(ニッコリ)
ソファーで寛ぎながら昼食に何を食べるか考えていたら、揚げ物が食べたくなった。
手持ちの材料で何が出来るか考える。
フライドポテト、ナスの天ぷら、猪の肉のトンカツ、コロッケ…。
そんなところだろうか?
あ、パン粉が無いか。
堅いパンが有るから、それを砕けばパン粉になるかな?
それとも、おろし金的な物が必要なのだろうか?
よく分からんね。
しかし、パン粉の作り方で頭を悩ます日が来るとは思わなかったぜ。
まぁ、それ以外にも想定外の出来事が色々とありましたが。(遠い目)
それはそれとして、揚げ物だ。
フライドポテトとナスの天ぷらは、すぐに出来そうだね。
昼食には、これらを作ることにしよう。
キッチンに移動し、必要な調理道具を【無限収納】から出していく。
揚げ物鍋に菜種油を入れ、【ヒート】の魔法で鍋を加熱する。
油の温度を上げている間に、食材の用意をする。
【風刃】でジャガイモを細長く切る。
毎日料理で使っているので、【風刃】の扱いが、すっかり上手くなりました。
ジャガイモを切るのは、サクッと終了。
次にナスを切る。
縦に半分にした後、さらに縦に切り込みを入れる。
切り込みも【風刃】で上手に出来ました。
無駄な才能に思えるのは、俺の気の所為だと思います。
衣を作る為に、ボウルに小麦粉を入れる。
小麦粉が茶色かった。
そうだった。殻ごと挽かれているっぽかったね。
サクッと【分離】魔法さんで殻を取り除きました。
ありがとう【分離】魔法さん。
小麦粉に水を少しずつ加えながら衣を作る。
『衣は小麦粉と水だけだったかな?』とか、『そもそも、小麦粉だったかな?』とか、肝心なところをよく知らなかったが、取り敢えずこれでいいことにした。
油の温度が上がったのを【鑑定】で確認してから、ジャガイモを投入。
美味しそうなニオイと音がします。
揚がったモノを、網付きバットに移していく。
一本、菜箸で摘み、振って冷ましてから食べる。
ホクホクしてて美味しいです。
”揚げ物は正義”だと感じる瞬間です。(笑顔)
揚がったジャガイモに塩を振り、取り敢えず、【無限収納】に時間停止状態で仕舞っておく。
後で、じっくりと味わう為にね。
油の中に残った細かいジャガイモの欠片を【分離】魔法さんでポイッてしてから、ナスの天ぷらに取り掛かる。
ナスに衣を付け、油に投入。
美味しそうなニオイと音が堪りません。
揚がったモノを網付きバットに移しては、次を投入していく。
すべて揚げ終えたら、これもさっさと【無限収納】に時間停止状態で仕舞ってしまう。
残った、まだ温度が高い状態の揚げ物油。
これに一手間、二手間加えることにする。
先ず、油の中に残った天かす等を【分離】魔法さんでポイッてする。
次に、【還元】の魔法を掛けて、酸化状態を回復させる。
そして、揚げ物鍋ごと、【無限収納】に時間停止状態で仕舞っておきます。
こうしておけば、次に揚げ物をする時に、すぐに揚げ物油を使えるね。
「やべぇ。」
魔法が便利過ぎて、語彙力が低下するね。(笑顔)
さあ、実食だ。
居間に移動し、テーブルの上に、調理したものを【無限収納】から出して並べていく。
フライドポテトとナスの天ぷらとパンと、昨夜作っておいた、猪の肉と野菜の入ったスープだ。
テーブルの上に並べられたそれらを見て、かなり食事の質が上がって来た事を実感する。
引き篭もり生活の未来は明るいね。
”引き篭もり生活”と”未来は明るい”とが、くっ付いている事に違和感を感じないでもないですが。(苦笑)
それはともかく、実食だ。
フライドポテトを食べる。
ホクホクしてて、美味い。
ただ、油で揚げただけのジャガイモなのに、すごく美味い。
やはり、”揚げ物は正義”だね。(ニッコリ)
次にナスの天ぷらを食べる。
塩を振って、一口食べる。
衣のサクサクとナスのしっとりとが一緒になってて、最高です。
サクサクもにゅもにゅと、一気に食べ切った。
さらにもう一つ食べた。
うん。美味い。
やはり、”揚げ物は正義”だね。(ニッコリ)
昼食を食べ終えた。
後片付けをしてから、今日も一人反省会をする。
揚げ物鍋が小さかったかもしれないね。
一人だから小さいので十分だと思っていた。
しかし、揚げた物を【無限収納】に時間停止状態で仕舞っておけばいいのだから、揚げ物をする時は一度に沢山作っておくべきだよね。
うん。大きめの揚げ物鍋を買っておこう。
それと、揚げた物を上げる網付きバットを沢山買っておく必要が有るね。
トンカツとかコロッケとか唐揚げとか色々な揚げ物を作って、【無限収納】に仕舞っておくためにね。
それと、パン粉を作るおろし金も買おう。
色々と欲しい物が出て来たね。
この後、王都に買い物に行くか。
そう決めて、俺はしばらくソファーで寛いだ。




