< 15 (王都5日目 昼) 拠点で料理01 >
キッチン用品を買い、食材も買った。
よしっ。
料理をするぜっ。
ヤル気を漲らせてキッチンへ行く。
スリッパに履き替え、キッチン全体に【クリーン】の魔法を掛ける。
そして、そこで気付く。
キッチンには何も無かった。
そうだった。
キッチン用品は【無限収納】に仕舞ったままだったね。
お店で、「【マジックバック】を譲って下さいっ。」って言われて、無意味な攻防に時間と精神力を浪費させられたから、【無限収納】から出すのを忘れていたね。
「必要な物を必要な時だけ取り出せばいいかな。」と思ったが、箱詰めされているので箱単位でしか取り出せなかった。orz
仕方が無く、荷解きから始めることになった。
食器や調理道具などを箱から出して、棚に仕舞っていく。
さらに調味料なども使い易い場所に配置していく。
それだけで一時間ぐらい時間が掛かった。
少々うんざりしたが、これもこの拠点に引き篭もる為に必要な事だ。
引き篭もり生活に、また一歩近づいたと思って喜ぼう。うん。
キッチンを見回し、料理が出来る状態になった事を確認する。
よしっ。
料理をするぜ。(一時間ぶり二回目)
先ず、野菜炒めを作ろう。
買ったばかりのフライパンで最初にする料理の定番だからね。
それと、野菜の味を確認する意味でもね。
毎度おなじみ【クリエイトストーンプレート】で石の板を作り、まな板にする。
【クリーン】で石の板とキャベツと玉ねぎとジャガイモを綺麗にする。
【風刃】でキャベツと玉ねぎを切る。ジャガイモは細切りにする。
食材はこれでいいね。
食材を用意したところで、頭の中で【多重思考さん】に、魔法で作った石の板に【パーマネント】を掛ける事を勧められた。
そうすれば、そのまま恒久化するとのことだ。
【多重思考さん】に勧められるまま、石の板に【パーマネント】を掛けた。
次に、切った野菜を炒めるぜ。
キッチンにコンロは無い。
コンロを置く為の、一段低い台が在るだけだ。
そこに【ブロック】で台を作る。ちょうど良い高さになる様にね。
そして【ブロック】の上にフライパンを置き、【ヒート】の魔法を掛ける。フライパン自体に。
【ヒート】で生み出した熱でフライパンを熱するのではなく、フライパン自体を発熱させる。
これならコンロは必要無い。
魔法って便利だよね。(ニッコリ)
【多重思考さん】に【ウィンド】を使ってもらって換気をしつつ、熱したフライパンに油を敷き、切っておいた野菜を炒める。
味付けしようとして、「そう言えば、醤油が無かったな。」と思い、塩で慎重に味付けした。入れ過ぎない様にね。
皿に移して、野菜炒めの完成だ。
次に、肉を焼く。
猪の肉を【無限収納】から出し、フライパンで焼いた。
皿に移し、塩を振る。
塩味ばかりだな。
まぁ、塩しかないから仕方が無いんだが。(苦笑)
追々何とかしていこう。
お好み焼きを作ろうと思っていたが、キッチン用品を荷解きするのに時間を使ってしまったので、今回はお好み焼きは止めよう。
パンを買ってあるから、パンで済ませる。
野菜炒めと焼いた肉を載せた皿を両手に持ち、居間に移動する。
皿をテーブルに置き、【無限収納】からパンを出したところで、パンを置く皿が無い事に気付く。
あと、箸も無いね。キッチンに置いてあるから。
…食器や調理道具などを、棚に仕舞ったのは失敗だったね。
【無限収納】に仕舞っておけば、どこででもサッと出せるのに。
「はぁ。」
溜息を吐きつつキッチンに戻り、棚に仕舞った食器や調理道具をすべて【無限収納】に移した。
やれやれと思いながら居間に戻る。
椅子に座り、食事を始める。
野菜炒めにしたキャベツと玉ねぎとジャガイモの味は、地球の物と変わり無い様に感じた。
これなら普通に料理に使えるね。
野菜炒めに満足しながらパンを齧る。
パンが堅い。
忘れていたね。
スープとかが必要だったね。
水で我慢するかな?
【無限収納】の中に何か有ったかな?
リンゴが有った事を思い出す。
リンゴをジュースに出来ればいいんだけどね。
リンゴをジュースにする方法を考える。
「ああ、あの魔法でいけるね。」
【無限収納】からコップとリンゴを取り出す。
そして、リンゴから果汁を【分離】して、コップに移した。
今日も【分離】魔法さんが、最高です。
【分離】魔法さんのおかげで、無事に昼食を済ませることが出来ました。(ニッコリ)
後片付けをして、一人反省会をする。
味付けを何とかしないといけないね。
塩一択だったし。
醤油が無いのが、地味に痛い感じがするね。
あと、パンを食べる時に飲み物が必要だった事を忘れていたね。
スープを作って、【無限収納】に時間停止状態で仕舞っておこう。
小魚の干物と野菜で何とかなるかな?
肉と野菜だけでも、それっぽいモノが出来るかもしれないね。
一人反省会の結果、調味料探しと、スープ作りをする事になりました。




