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03 ナナシ、メイドさんたちを調べる。それと、少しやらかす


メイドさんたちに採寸さいすん(”あててんのよ”含む)をしたもらった日の翌日。


俺は、てがわれた部屋で、ダラダラしていた。

見た目はね。

実際は、昨夜からこの王宮内に複数の【目玉めだま(仮称。魔法で作られた目。正式名称決めるのめんどくさい)】をはなって、【鑑定】しまくって情報収集をしていた。

そうしたら、ここのメイドさんたち、ちょっと異常でした。

【スキル】がヤバイんですよ。

【剣術】【短剣術】【槍術】【短槍術】【棒術】【投擲術】【格闘術】【拳闘術】【合気道】【捕縛術】【隠密】【軽業】【房中術】【巨乳術】【護身術】などなど。

申し訳程度の【護身術】がかすんで見えます。

あと、【称号】もヤバイ。

【影に潜む者】【這いよる者】【暗殺者】【ベッドの上の暗殺者】【ベッドの上の支配者】なんて【称号】をお持ちの方がいらっしゃいました。

どう見ても只者ただものではありません、本当にありがとうございました。

危なそうな【称号】をお持ちの方が多くなかった事には、少し安心しました。

ゴロゴロいたらビビルよね。

それと、【巨乳術】って何なんですかねっ、【巨乳術】って!

夢が広がるねっ。(←おい)


それと、アントニオ。

この国の王女様の婚約者である彼を【鑑定】したら、【ステータス】を【偽装】している事と、性別が”女”だという事が分かった。

分かってしまった。

どうするかね? これ。


放置だよなぁ。

これに首を突っ込んでごとを引き起こしても、イイ事なんて何も無いし、アントニオが姫様をだましているとは考えにくい。

姫様も知っていると考えるのが自然だと、俺は思うんだよね。

うん。放置だな。

俺は、どうせすぐに王都を離れるんだし、騒ぎを起こす必要なんて無いよね。

うん。放置する事にしよう。



午後。

仮縫かりぬいされた服の調整とのことで、それに付き合った。

シャツとズボンと上着うわぎを、着たり脱いだりして、ちょっと面倒だった。

それと、上着うわぎだけでなく、ローブも作ってくれていた。

『ローブは、王宮内を歩き回るのには必要無いんぢゃないかなぁ。』と思ったのだが、せっかく作ってくれているので、がた頂戴ちょうだいさせていただこうと思う。

『いりませんよ。』と、言い出せなかっただけですが。

言っていたとしても、作ってくれた可能性が高いけどね。

”あててんのよ”さんは、今回は来ていなかった。

『残念だ。』とか、別にオモッテナイデスヨ。(←誰に対する言い訳だよ)

これらの服は、夕方には仕上がるとのことだ。

ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

明日の午前中に、今度は靴の調整が有るとのこと。

早ければ、明日中に靴が出来上がるらしい。

靴を仕立てるというのは初めての経験なので、それも楽しみだ。



夕方。

メイドさんたちが、出来上がった服とローブを持って来てくれた。

ありがとうございます。

着せ替えをさせられて、出来上がりの最終確認をしてくれている。

”あててんのよ”さんが、離れたところからながめている。

結婚式に出席する事を知っていた様で、「さらに服が増える事になりますねー。次回の調整は私が。はぁはぁ。」とか言ってる。

『はぁはぁ。』は、やめてください。(苦笑)

しかし、接近禁止令でも出されてるのかね? あの人は。

俺に、まったく近付こうとしません。

『残念だ。』とか、別にオモッテナイデスヨ。(←本日2回目)

結婚式用の服を作ってもらう時に、また仮縫かりぬいされた服の調整が有るんだろうなぁ。

そう思うと、少しうんざりする。

採寸さいすんがもう無いことが残念だ。(←おい)


服を着せ替えてもらって、メイドさんたちが帰って行くのを見送った。

「ふう。」

緊張がけて、一息ひといきいた。


少し、体を動かしてみる。

採寸して服を作ってもらうのは初めての経験だったので、ちょっと嬉しくて。(てへ)

突っ張る事も無くてイイ感じです。

よし。

服を作ってもらったから、これで明日から王宮内を歩き回れるねっ。

と、思ったのだが、靴がまだだったね。

残念。



翌朝。

朝食を食べ終え、食後のお茶をいただきつつ、ソファーでのんびりする。

しばらくのんびりしていのだが、何もしないでいるのは退屈だ。

特に、メイドさんが部屋に居ると、何もしていないのが何だか申し訳ない気持ちになってきます。(苦笑)

一日中、お茶を飲んでいる訳にもいかないしなっ。

『何かしよう。』と思い、考える。


ふと、海を見たくなった。

ふむ。

そう言えば、この世界に来てから、まだ海を見た事が無かったな。

ちょっと行ってみるかな? 暇だし。

【転移】で行けば、すぐだしね。

そう思って、早速さっそく、海を見に行く事にした。


トイレに入って、サクッと【転移】で海まで行った。

来た場所は、王宮から南南西の方角ほうがく人目ひとめが無いがけの上です。

この場所は、情報収集の為にあちらこちらに派遣している【目玉(仮称)】が見付けた場所で、その【目玉(仮称)】を目印めじるしにして【転移】して来ました。

がけの上から海をながめる。

しおかおりは、地球と変わりはありません。

2分くらい海をながめてから、トイレに残したおいた【目玉(仮称)】を目印に【転移】で戻って来た。


…いやいやいやいや、王宮内に転移魔法で簡単に入れちゃダメだろ。ダメだよな? ダメな気がするよね。

結界が有った所為せいなのか、少し魔力を余計に消費したっぽかったけど、簡単に入れちゃいました。(てへ)

しまったなぁ。やっちゃったかなぁ?

何処どこかで警報とかが鳴ってたりするのかな?

問題になっているとマズイな。

姫様に言っておいた方がいいかもしれないね。

うん。そうしよう。

部屋付きのメイドさんに、姫様への取次とりつぎを頼んだ。


さいわい、姫様にはすぐに会ってもらえた。

「新しい服、よくお似合いですねっ。(笑顔)」

いきなり、姫様にそう言われた。

「お、おう、ありがとう。」

姫様の勢いに、少し引いてしまう。

でも、朝食の時にも見てなかったっけ? まぁいいか。

気を取り直して、姫様に言う。

「今、うっかり転移魔法で王宮に出入りしちゃったんだけど、何処どこかで『侵入者か?』とか言って騒ぎになってたりしていないかな? 結界が有ったっぽい感触が有ったんだけど。」

「警備関係は詳しくないのですが…。確かに騒ぎになっていてもおかしくはないですね。」

姫様はそう言って、何やら用紙を取り出し、「誰()てかしら?」と言って、少し考える。

「騒ぎになっていなかったら、それはそれで騒ぎになりそうですね。大臣案件(あんけん)ですね。(笑)」

いや、笑い事ぢゃなくね?

「大臣に話しに行って来ます。ナナシさんは部屋に戻っていてくださいな。」

「あー、悪いな。」

「いえいえ、少し抜けているところもイイと思います。(笑顔)」

姫様は、そんな変な事を言って、笑顔で部屋を出て行った。


何がイイんですかね?



姫様のお言葉に甘えて部屋に戻ると、メイドさんと職人っぽい男の人が待っていた。

靴の調整だそうです。

用意されていたスツールに腰掛けると、ブーツを脱がされ、靴をかしてくれた。

履かされた靴は足にピッタリとフィットしていて、何だか気持ちが良いんですがっ。

当たり具合ぐあいなんかを確認して、問題が無い事を確認。

今日中に出来上がるとのこと。

それなら、明日はお庭をお散歩することができるね。

楽しみだね。



明日のお散歩のことを楽しみに思いながら、ソファーでのんびりする。

明日のお散歩は楽しみなのだが、今は少々暇だ。

『何か、する事はないかなぁ?』と考える。

もちろん『海を見に行く。』以外でな。


ふと、便器を作る事を思い付いた。

この世界のトイレはオマル的なアレで、この王宮でもそうだ。

オマル的なアレには少々抵抗があるので、洋式便器を作ることにしよう。

洋式便器は前に一度作っている。かくで使う為にね。

いや、むしろ、隠れ家にあるやつを持って来ればいいだけか。

いや、ダメかな? ダメな気がするな。

隠れ家で使っている便器は、”ブツ”を【分解】の魔法で処理している。

その為、【分解】の魔法を使えない人には使えないものになってしまっている。

そんな物をこの部屋に設置してしまったら、迷惑になってしまうよね。

【分解】する魔道具が別途必要になってしまうな。

そうなると、便器を作るだけでなく、魔道具も作らないといけなくなるな。

うーむ。どうしよう。


そんな事を考えていたら、姫様と男性二人が部屋にやって来た。

一人は、先日玉座(ぎょくざ)で見た。大臣かな?

もう一人は知らない。

その人は、俺がもらったローブと色違いろちがいのものを着ていて、見た目が魔術師っぽい。

自己紹介されたら、大臣と魔術師団の副団長でした。

お二人に、姫様に説明した、俺が【転移】で結界を抜けた事を、もう一度説明した。

警備側の状況は、結界に何かが触れたのは分かったとのこと。

ただ、一瞬だったので、大きめの鳥をはじいたと判断していたとのことだ。

人が通り抜けたとは思われていなかった。

やべぇ。(汗)


大臣が少しお小言こごとを言ってから帰って行った。

副団長が「確認させてほしい。」と言うので、副団長に先導されて、姫様と一緒に移動することになった。


城壁の上に在る見張り台の一つに三人で登った。

ここで見張りをしていた人には一時的に詰所つめしょに戻ってもらい、姫様と副団長の前で【転移】で結界を抜けて見せた。

一往復して見張り台に戻ると、副団長の目が死んでいた。

「…えーっと。賓客ひんきゃくが来る予定が有る時に、問題を起こして申し訳ない。」

うん。本当に申し訳ない。

「…気付かずに問題が起こるよりは良い。」

副団長にはそう言ってもらえたのだが、死んだ目で言われても困る。

本当に申し訳ない。


今から対策をする時間的余裕なんて無いから、この対策をする為に配置する人を増やすとかする事になってしまうのかもしれないね。

うん。本当に申し訳ない。


申し訳ない気持ちのまま、部屋に戻りました。(しおしお)



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