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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第九章 異世界生活編05 生活基盤を整えよう編
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< 14 (王都5日目 午前) 拠点で料理00 食材を買いに行こう >


俺の【マジックバック】を奪おうとたくらむ不届き者が居た。

不届き者を成敗せいばいする為に、ただの袋を奪わせてから、ガッツリと報復させてもらった。

街中まちなかで奪われた演技をしたので、他にも居たかもしれない不届き者が、俺を狙う理由が無くなったと思う。

しかし、俺の【マジックバック】が奪われたという情報が広まるのには、少し日数が掛かるかもしれない。

だから、今回の演技の成果が出るまで、王都へ行くのを控えようと思う。

しかし、せっかくキッチン用品を揃えたのだから、拠点のキッチンで料理をしたい。

だから俺は、他の国へ食材を買いに行こうと思った。

”他の街”ではなく、”他の国”なのは、この国の他の街では、また冒険者たちに勧誘されて、鬱陶うっとうしい事になると思ったからだ。

そして、魚を食べたくなったので、この国の南隣の国の海沿いの街に、買い物に行く事に決めたのだった。



俺は目の前に建つ大きな壁を見上げている。

街を囲んでいる外壁だ。

俺は、これからこの街に入り、買い物をします。

別に、感激なんてしていません。

失敗は、二回で十分じゅうぶんなんで。(苦笑)


街に入る手続きをする。

この国でも、街に入る手続きは同じだ。

水晶玉に手を当てたり、銀貨を1枚渡したりして、手続きを終える。

そうして俺は、この街に足を踏み入れた。


市場を目指して街中まちなかを歩く。

まわりをキョロキョロしながらね。

初めて来た国なんだから、キョロキョロしちゃうよね。

20分くらい歩いて海の近くの市場に来た。

しおかおりと、魚の匂いがする。

いや、正直に言うと、魚(くさ)い。

保冷とかの技術が、地球ほど発達していないからだろうね。

市場を見て回る。

鯛っぽいのとか、鯖っぽいのとか、鰯っぽいのとかが売られている。

それと、干物ひものが多いね。

保冷とか保存とか輸送とかの問題から、干物が多いんだろうね。

干物は焼いて食べるんだろうけど、そうなるとご飯が食べたくなるよね。

こちらの世界の人たちは、パンと一緒に焼いた魚の干物を食べているんだろうか?

合わないよね。

でも、ご飯を知らない人たちにとっては、それが普通なのかな?

あるいは、酒のツマミか?

干物は開いた状態ではなく、三枚におろした状態で干されていた。

これを焼いてかじれば、酒のツマミとしてちょうどいい感じがするね。


市場を歩いていて思い出した。

荷物を入れる袋が無かったね。

【マジックバック】として使っていたあの袋は、【無限収納】の奥に仕舞っておく事に決めたので、何か袋を買わないとね。

俺は一度市場を離れて、荷物を入れる袋を買いに行く事にした。


頭の中で【多重思考さん】に道案内をしてもらいながら、カバン屋さんに来た。

買うのは、背負い袋と買い物(かご)だ。

背負い袋は、食材を色々買い込む為に。

買い物(かご)は、魚を買う為だ。

魚を買いに来ていた人たちは、買った魚を買い物(かご)に入れていた。

きっと、何か垂れたり、他の物が濡れたりするからそうしているのだろう。

そう思って、俺もそれにならう事にした。

背負い袋と買い物(かご)を買って、カバン屋を出る。

頭の中で【多重思考さん】に、『先に魚以外の食材を買いに行きましょう。』と、言われた。

先ほどの魚市場と市場は真逆まぎゃくの位置に在り、市場の方が近いからとの事だ。

頭の中で【多重思考さん】に道案内をしてもらいながら、先に市場に向かう事にした。


市場に来た。

ここで今回買うのは、野菜、小麦粉、油、玉子、調味料、調味料入れだ。

取り敢えず、野菜の味を確認する為に野菜炒めを作ったり、簡単な食事としてお好み焼きっぽいのを作ったりするつもりだ。

今日は、その為の食材を買おうと思う。

しかし、玉子はどうだろうか?

何の玉子が売られているんだろうな?

漠然ばくぜんとニワトリの玉子をイメージしていたのだが、それ以外の物が売られている気がしてならない。

異世界だしね。

【多重思考さん】が玉子について何も教えてくれないので、きっと俺の反応を見て楽しむつもりなんだろう。

色々と不安です。(苦笑)


ず、野菜を買うか。

市場に入ってすぐの場所で、野菜が色々売られているので。

キャベツ、長ネギ、玉ねぎ、トマト、ジャガイモ、、ナス、ニンニク、ショウガを買った。

ガンガン背負い袋に入れていく。

匂いの強いニンニクと痛みやすそうなトマトは、背負い袋に入れるフリをしながら、【無限収納】に時間停止状態で仕舞いました。

小麦粉を見付けたので、これも3kgくらいの袋入りの物を買った。

白い小麦粉ではなく、茶色かった。

殻ごといているのだろう。

これは、【分離】魔法さんで分離すれば良いので、問題無いよね。

市場の中を、色々見ながら歩く。

調味料を売っている一角が在った。

砂糖と塩を買う。

砂糖が意外と高い気がしたが、高価と言う程では無い。

香辛料なども売られているが、分からない物を料理に使っても失敗する未来しか見えないので、スルーした。

菜種なたね油が売られていたので買おうと思ったのだが、容器持参のはかり売りとの事で、容器が無かったので買えなかった。ぐぬぬ。

市場の他の場所でビンや調味料入れなどが売られているそうなので、後でもう一度来る事にしよう。


玉子が売られているお店に来た。

売られている玉子を見る。

まん丸の玉子だった。

”まん丸”という事に一抹いちまつの不安を覚える。

値段が書かれた紙に”トカゲ”の文字が見えたので、何も見ていないていでスルーしました。(笑)

ニワトリの玉子っぽいのが有った。

ちゃんと楕円形です。何だか安心するね。(笑)

俺の記憶に有る物より、一回り小さいかな?

こっそり【鑑定】してみる。

”ニワトリの玉子。昨日産まれた物。40g。殻に菌が付着しているので注意。”と、出た。

”ニワトリ”と出るが、そう言う名前の鳥なのか、自動的にそう翻訳されているのか、まったく分かりません。

満足できる玉子が有ったので、これを10個買う。

意外と高かったが、お金は有るので気にせずに買った。

殻に菌が付着している様なので、こっそりと【クリーン】の魔法を掛ける。

この玉子も背負い袋に入れるフリをしながら、【無限収納】に時間停止状態で仕舞った。


調味料入れとビンを買いに行く。

市場の隅の一角の、容器などをあつかっているお店に来た。

砂糖と塩を入れるのに、陶器製のふた付きの入れ物を買った。

色違いろちがいでね。

”お約束”をする気なんて無いので、色違いにしておかないとね。(笑)

油を買うのに、蓋付きのビンを買った。

容量は800ccくらいで、口が広いビンだ。

蓋は、金属製でねじ込むタイプだったので、少し驚く。

この世界にはネジが在るのかな? まだ見ていないが。

蓋付きのビンは5個買っておく。

油以外にも何か買うのに役立つかもしれないと思ったので、少し多めに買っておく。

醤油差しっぽいのが売られていたので、醤油が在るのかと一瞬思ったが、酢を入れる為の物だった。

そうだよねー。

醤油が在れば【多重思考さん】が教えてくれるもんねー。

ちょっとガッカリしながらお店を出た。


来た時と違うルートで油を買いに行く。

途中で大豆っぽいの買ったり、紅茶を買ったり、穀物類を見たりする。

穀物類は小麦粉くらいしか分かる物が無かったので、見ただけだ。

冒険をする気は無いのでね。


ソースが売られていた。

量り売りっぽい。

早速さっそく、買ったばかりのビンが役に立ちそうです。

ソースはお好み焼きには必要だから、買っておこう。

どうやって作るのか知らないしね。

あと、トンカツなどにも必須だよね。

うん。夢が広がるね。(笑顔)

吸い寄せられる様にソース屋に行き、味見をさせてもらい、普通の味に感じた物をひとビンぶん買った。

いい買い物でした。(笑顔)

その後、菜種油をひとビンぶん買って、魚市場に向かった。


再び魚市場。

やっぱり、魚(くさ)いです。(苦笑)

魚市場だけ独立しているのも納得です。

まぁ、港の近くだからというのが一番の理由でしょうが。

一度見て回ったので、サクッと買い物を終わらせよう。

鯛と鯖っぽい魚の干物(半身)を4枚ずつ買った。

味を見る為に少な目にした。

美味しかったら、また買いに来よう。

それと、煮干にぼしっぽい、色々な小魚を一纏ひとまとめにして干した物を一袋買った。

出汁だしを取れそうだったからね。

サクッと買い物を終わらせて、魚市場を出た。


街中まちなかに戻り、パンを買いに行く。

【無限収納】に時間停止状態で入れておけばいいので、多めに買っておこう。

せっかくだから複数のお店で買って、一番おいしかったのを次回も買う事にするか。

そう思って、三つのお店を回ってパンを買った。

何気なにげ嵩張かさばって、【無限収納】に仕舞うのがめんどくさかったです。(苦笑)


もう他に買う物はないかなと思ったら、頭の中で【多重思考さん】に、スリッパを買う様に言われた。

『料理をするのなら、土足でキッチンに上がるのは止めましょう。』との事だった。

うん。そうだね。

キッチンのほうの建物は、本来ほんらい土足厳禁なのだが、まだ畳が無いので土足で上がっていた。

料理をするのなら、ちゃんとスリッパを履くべきだね。

履物屋を探して、スリッパを二足買った。


他に買う物がない事を確認して、俺は【転移魔法】で拠点に帰った。


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