表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第九章 異世界生活編05 生活基盤を整えよう編
110/400

< 05 (王都2日目 午後) 買い物02 家具屋 >


王都で昼食を食べ、絡んできた冒険者たちを平和的に撃退して、家具屋に来た。


「いらっしゃいませ。」

お店に入ったら、丁寧に声を掛けられた。

四十代くらいに見える男性だ。

店員と言うよりは、店長って感じがした。

椅子とソファーが欲しい旨、伝えて、展示してある場所に案内してもらった。

座り心地を確かめながら選んでいたら、かなり時間が掛かってしまった。

頭の中で【多重思考さん】が、「ほうほう。」とか、「ふむふむ。」とか、うるさかったので。(苦笑)

頭の中で【多重思考さん】と相談しながら、椅子四脚のセットと、ソファーを二つ買った。

テーブルは買わない。

テーブルは、【多重思考さん】たちがゴーレムを使って、作ってくれるので。

そう思ったら、頭の中で【多重思考さん】に、「もう作り始めています。」と、訂正された。

どうやら、創作意欲に火が着いているご様子です。(苦笑)


配達先を訊かれたので、ここでも「持って帰ります。」と、言う。

そうしたら、ここでも店長らしき男性に驚かれた。

その場でお金を手渡し、買った物を【マジックバック】に入れていく。

「それじゃあ。」と言って、帰ろうとしたら、「お待ちくださいっ!!」と、大きな声で言われて驚いた。

ガシッっと腕をつかまれ、「その【マジックバック】をゆずって下さいっ!!」って言われた。

面倒事が起こった予感がビシビシとします。


椅子をすすめる(売るほうの意味ではない)店長らしき男性をやり過ごしながら、売り物のソファーが並ぶ場所で、かなりの時間、立ち話をしている。

他の店員が持って来てくれたお茶は、離れた場所に在る商談スペースのテーブルの上で、置物と化している。

俺は最初から【マジックバック】を売るつもりは無かった。

【マジックバック】が無いと、森の奥に在る拠点に買った物を持って行くのが面倒だと思ったからだ。

配達してもらう訳にもいかないし、いきなり【無限収納】に入れる訳にもいかないからね。

それに、最初に提示された金額が、俺を冷静にしてくれた。

「白金貨10枚払うっ!」

店長らしき男性に、そう言われたのだが、俺にはその”白金貨”の価値が分からない。

だから冷静になれた。

”白金貨”にたいした反応を示さない俺に、店長らしき男性が色々な物を提示した。

「このお店ごと全部差し上げる。」と言われたのは、もう遠い昔の話だ。(ハヤクオワラナイカナー)

だんだん店長らしき男性の目に狂気が浮かんで来た。

身の危険を感じたので、ころ…、字が違った。

頃合ころあいを見て、気絶させました。

店長らしき男性を支えながら、手近てぢかなソファーに寝かせてあげる。

他の店員たちには、興奮し過ぎて気絶したと思われたはずだ。

正気を失い掛けていたし。

このお店に存続の目が残ったので、店員たちは感謝してくれるだろう。(苦笑)

俺は店員に「お大事だいじに。」と、一声ひとこえ掛けてから、家具屋をあとにした。

字が違った。

家具屋をあとにした。


家具屋をあとにした(←字が違う)俺は、一先ひとまず、拠点に帰る事にした。

疲れたからね。


拠点に帰って来た俺は、【多重思考さん】にうながされるまま、居間の指示された場所に椅子とソファーを置いた。

そして、ソファーに座って、体の力を抜く。

「ふわぁーー。」

そんな声が出た。

俺は、しばらくソファーと一体化して、精神的な疲れをいやした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ