表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/400

02 メイドさんたち、ナナシについて報告する


ナナシ様の採寸さいすん()えた私たち。

採寸の結果を書き込んだ用紙を別の仲間に渡して、仕事の一つを終えます。

次に、私たちは会議室に集まり、もう一つの仕事のまとめを行います。


ず、私が報告します。

「ナナシ様を【鑑定】しました。【ステータス】は一般人レベルのあたいでした。」

「MP(Magic Point)の値が、先日の報告内容と掛け離れています。あと、魔術師レベルが”1”でしたのでこちらも同様です。【ステータス】が【偽装】されていると見てよいかと思います。」

「ただ、【偽装】されているかは、【鑑定】では分かりませんでした。これは、【偽装】の魔法を掛けた魔術師のレベルがかなり高かったからだと思われます。」

「【偽装】した後の数値が明らかに低くて不自然に見えてしまう一方いっぽう、【偽装】をした魔術師のレベルが高いという、ちぐはぐでよく分からない状態になっています。」

「それと…。【鑑定】をした事がバレたと思われます。」

私の報告の最後の一言ひとことで、それまで静かだった室内にざわめきが起きました。

リーダーのマリーさんがナナシ様の注意を引き付け、【鑑定】している事に気付かせないという作戦でしたから。

上手うまく注意を引き付けていた様に、私には見えていたのですが…。

マリーさんと同期のケイティさんが、マリーさんを『あんたが真面目にやらないからよっ。』というオーラを出してにらんでいます。

確かに楽しんでいましたよね、マリーさん。


次に、リーダーのマリーさんが報告します。

「イイ筋肉でした。(喜)」

いい笑顔です。

隣に座るケイティさんが、肘打ひじうちちをします。

が、読んでいたのでしょう。その肘打ちをブロックしました。

「でも、不自然だった。」

マリーさんのその一言ひとことで、再び室内に緊張感が戻りました。

「鍛えたにしては首や肩の筋肉が少な過ぎる。どうやって、何をして付いた筋肉なのか分からない。」

「あの筋肉の付き方は変だ。」

筋肉に興味の無い私には、よく分からない報告内容でした。


「それと、鎖骨さこつが素晴らしかった。(喜)」

は?

何をおっしゃっているのでしょうか?

「あの鎖骨は、神の造形ぞうけいだわー。一見いっけんの価値が有るねっ。(喜)」

…はぁ、そうですか。

室内に変な沈黙がりました。


ごきゅ


…何か音が聞こえた気がしました。

ですが、私は気にしません。

マリーさんが”黒い笑顔”を浮かべてケイティさんを見ていた様な気がしますが、私はナニモミテイマセン。


報告する内容を文章にまとめます。

調べたら余計に謎が出てきてしまいましたね。

判明した事は、『イイ筋肉』だという事と、『鎖骨さこつが素晴らしい』ことくらいでしょうか。

………………。

助けを求めて、マリーさんを見ます。

ですが、そのマリーさんが、「上の人が判断すればいい事だ。」とおっしゃったので、そのまま書きました。

………よかったんでしょうか?


上司に報告書を提出し、マリーさんが説明しています。

マリーさんが筋肉の事を熱弁した所為せい過剰かじょうな接触がバレて、マリーさんにナナシ様への接近禁止が命じられました。

ですが、報告書の内容には満足してもらえた様でした。

既に他にも調査がされていたのかもしれません。

ですが、本当にアレでよかったんでしょうか?

悩みます。



報告を終えたは私たちは、その場で解散して、いつもの仕事に戻りました。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ