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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第九章 異世界生活編05 生活基盤を整えよう編
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< 02 (王都2日目 朝) 拠点を快適にしよう02 便器製作 >


拠点を快適にして引き篭もろうと決めて、二日目の朝。

昨夜泊まった王都の宿で朝食を食べてから、今日の予定を考えた。

今日は、ベッドとかを買い揃えるのと、便器を作ろうと思った。


家具屋は、まだ開いていないと思うので、先に便器を作る事にしよう。

便器の材料は、既に【無限収納】に入っている。

よし、拠点に行くか。

宿を出て、【隠蔽】と【人除け】の結界を張ってから、【転移魔法】で拠点に転移した。


ちなみに昨日【転移魔法】を使う際に、【隠蔽】と【人除け】の結界を使ってみて、その効果を確かめたのだが、周囲の人たちに気付かれずに転移できた。

それとは別に、着ているローブにも【認識阻害】の魔法が掛かっていたね。ナチュラルに忘れていたよ。

【転移魔法】を使った事がバレにくくなる事が確認できたので、【転移魔法】が使いやすくなったね。

やったー。


拠点に来た。

玄関には、昨日には無かったドアが付いている。両開きのドアだ。

両開きのドアを、手前に開く。

なるほど。玄関手前にスペースが在るのは、この為か。

”ドアがスムーズに開くか”、”ピッタリと閉まるか”などを確認した。

ゴーレムさんたちのしてくれたドアの取り付けの出来映えは、素晴らしかったです。

玄関から中に入り、どこで便器を作る作業をするか考える。

玄関は少し暗いから、隣の部屋かな?

隣の部屋に向かおうとして、そこドアが取り付けられていない事に気が付く。

ここは壁が二つ、短い間隔で在るから、奥側の壁にだけに扉を付ける事にした様だ。

ここにドアが無い方が、玄関から手洗い場とトイレにスムーズに行けるから、これでいいよね。

手洗いは【クリーン】の魔法で済む事に気が付いたが、その事実は心の奥に仕舞い込みました。

そもそも、今までそうしていたのに、気が付かなかったね。

魔法の無い時の生活の記憶から家を作ると、不要な物が出てくる事に、今更いまさらながら気が付いた。


心のモヤモヤを無視して、奥側のドアを開けて、居間に入った。

この部屋は明るいから、ここで作業をしよう。

まだ、物が何も無いから、広いしね。


これから作るのは、洋式便器だ。

この世界のトイレは、所謂いわゆるオマル的な物だったので、自分としては抵抗があった。

拠点を作ったら、絶対に洋式便器を設置するんだと、心に決めていた。

【無限収納】から便器を作る材料を出す。

材料は陶器とうき欠片かけらだ。

目の前に、陶器の欠片で山が出来た。

これらの陶器の欠片は、これまでに行った街のゴミ捨て場から【多重思考さん】たちが【目玉(仮称。魔法で作られた目)】を使って回収してくれた物だ。

オマル的な物を見て、「そのうちに洋式便器を作ろう。」と、心に決めていたのでね。

さぁ、やるぞ。

陶器の欠片を【結合】の魔法で一つにする。

意外と魔力を使っている感じがする。

その事から、【結合】の魔法が、「”同じ素材の物をくっつける”為の魔法なのではなく、”割れた食器をくっつける”魔法なのでは?」と言う疑惑が、より深くなる。


陶器の欠片かけら一塊ひとかたまりになったので、次は【変形】の魔法で変形させる。

かなり、変形させにくい。

頭の中でお皿を思い出し、「そもそも、変形させにくい素材だったね。」と、思った。

魔法を作る時ほどではないが、普段魔法を使っている時には感じられないほど、多くの魔力の使っている感じがする。

一度、作業を止める。

無駄な作業で魔力を無駄遣いすると、魔力が足りなくなりそうな気がしたからだ。

完成形をしっかりとイメージすることにしよう。

そもそも、”ブツ”の処理をどうするか決めてなかったね。

水で流す事を漠然と考えていたのだが、魔法で分解する方がいいかもしれない。

水を出すのにも魔法を使うんだしね。

うん、便器の形だけではなく、どう処理するのかも含めて、ちゃんと考えないとダメだよね。


作業を中断して、”ブツ”の処理方法を考えよう。

水で流した場合を考える。

流した後の”ブツ”は、どこかで処理しないとにおうよね?

ニオイ対策で魔法を使う?

流す為に水を出すのにも魔法を使うよね?

いっその事、魔法で全て処理した方がいいのかもしれないね。


魔法で処理する場合を考える。

”ブツ”を分解する?

それとも、どこかに転移させてポイッってする?

”転移でポイ捨て”はダメだよね。倫理りんり的に。(常識人的見解)

森を散歩していて、踏んぢゃったりしたら嫌だし。(本音)

分解した場合のことを考える。

”ブツ”を分解すると、最後に炭素とか残るのかな?

炭素の他にも、窒素とかリンとかも残るのかな?

窒素は気体だが、リンって固体かな?

受け皿的な物が必要かな?

引き出し状の受け皿が在って、引き出して、ポイッってする感じかな? 

捨てないと、溜まる一方になるよね。

うん。

”ブツ”を分解して、分解した物を捨てる為に、引き出し状の受け皿をもうけて、出し入れ出来る形状にする。

そんな感じだね。


基本的な形状を決めたので、具体的な形状を頭の中でイメージする。

形は、普通の洋式便器の形で、便器下部の正面には、引き出し状の物が入るように、四角い空間を設ける。

その空間に向けて上から丸い筒状の物を伸ばす様にして、便器の内側には空洞を多くする。

うむうむ、うむうむ。

そうして、頭の中でイメージ出来上がった。


一塊ひとかたまりになった陶器の塊から、”引き出し状の物”のぶんを【分離】させ、便器本体の製作に取り掛かる。

陶器の塊を、頭の中でイメージした形状に【変形】させる。

かなりの魔力を使っている感じがする。

変形させ難い物を、ぐいぐい変形させていく。

しばらく格闘し、頑張って形を作り上げた。

ふう。疲れた。

作り上げた洋式便器を見る。

うん。いい感じだ。


次に、”引き出し状の物”を作る。

単純な形状だが、やはり、多くの魔力を使っている感じがする。

単純な形状だったから、それほど時間が掛からずに出来上がったが、大きさの割に疲れた。


出来上がった引き出し状の物を便器に差し込む。

少し隙間が大きいかな?

上から覗いて、位置に問題無いことを確認して、縦と横の寸法を大きくして、隙間を減らす。

ハネたのが、飛び出しちゃうと嫌だからね。

微調整を終えて完成させた。

「やったー、完成だー。」と思ったが、座る部分も作らないとダメだったね。

座る部分はプラスチックで作られていたと思うが、ここにそんな物は無い。

木で作るか。

木を【風刃】で削って、作ればいいよね。

部屋の中では木くずが飛び散るので、外に出て作業をしよう。


外に出ると、既にゴーレムが四角い木の板を用意してくれていた。

【多重思考さん】が手配してくれていたんだね。ありがとう。

ゴーレムが持つ四角い木の板を、【風刃】でガシガシ削っていく。


便器にはまる様な形にした台座と、U字型をした座る部分をそれぞれ作った。

これらを繋げられる様な形にして、穴を明け、木の棒を差し込んで、繋ぐ。

これで、U字型のヤツが上げ下げ出来る様になった。

居間に戻り、早速、便器に嵌めてみた。

ピッタリではなかったが、ちゃんと嵌った。

座ってみて、ガタつかないか確認した。

うん、いいね。

よし、便器の完成だ。

やったね。


さて、便器が出来上がったので、処理に使う魔法も考えておこう。

【分解】と【消臭】かな?

ああ、あと、【クリーン】か。

した後、【クリーン】を使って、体と便器を綺麗にして、【分解】と【消臭】だよね。

処理の様子を頭の中で確認する。

うん。これでいいね。


便器をトイレに運んで、置いた。

排水管とかと繋ぐ必要が無いから、ただ置くだけだ。

でも、便器を押すと動いてしまうね。

固定はしないといけない感じがするな。

固定方法の検討を【多重思考さん】にお願いして、後でゴーレムを使って、固定しておいてもらおう。


よし。 これで、トイレの完成です!

やったー。


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