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魔界の勇者~魔界で勇者として幼馴染みと冒険します~  作者: ろくみっつ
第三章 ≪黒≫の目覚め
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四十四話 円環の蛇

今回は短めなので早く投稿です!

というか、資格試験が日曜にありまして、ちょっと土日忙しいので先出しですw

白縫しらぬい』を抜刀し、白木へと駆けていく。


 白木はメノスに刺した杖を引き抜き、俺の一撃をそれで防ぐ。

 とにかく、白木をメノスから引きはがすため、白木を思い切り蹴とばし、メノスを抱きかかえ後ろに下がる。


 メノスの、左の胸の弱った鼓動と、それに合わせて溢れる血。

 途切れ途切れに辛うじて呼吸しているが、このままでは出血多量で死んでしまうだろう。


「とにかく、早く治さねぇと・・・・・・!」


 だが、生憎と、俺の使える陣の中には、自己回復力を高める陣はあっても刀傷を一瞬で塞ぎ、失った分の血を戻すようなことは出来ない。

 取り敢えず傷口を強く押さえ、血が出るのを抑えようとするが、ただただ迫る死から少し遠ざけることが出来るかどうかといったところだった。


「くそ!なんか良い方法はねぇのかよ!!!」


 自分の知識を振り絞ってみるが、メノスに与えられた最低限の情報には、この状況を打開できるようなものは無い。

 そうこうしているうちに、メノスの鼓動はどんどん小さくなり、呼吸も浅くなっていく。

 そんな中でも、メノスは目を開け、途切れる言葉を紡ぐ。


「逃げ、ろ・・・・・・クロガネ・・・・・・お前だけ、でも。私は、もう、助からん」

「ふざけんな!こんな状況で逃げれるわけ無いだろ!まだ、手はあるはずだ!!!」

「無理じゃろうて・・・・・・助からんことくらい・・・・・・自分が一番、ようしっとる」

「うるさい!少し黙ってろ!絶対に死なせねぇからな!」


 白木が居なくなった前の世界から、俺を呼び出し、結果的には白木と引き会わせてくれたのが、メノスだ。

 俺が感じている恩はものすごく大きい。だからこそ、白木以外のことでこんなにも必死になることが今までに無かったのに、メノスを助けたい一心で、今この場にとどまっている。


 メノスから与えられた知識には、回復魔法は、無い。

 ならば、今、俺が出来ることは、自己回復力を高めるだけの陣を、どうにかして傷口を一瞬で治せるほどまで強化する方法だ。


「回復力を、強化・・・・・・?いや、違う。陣の強化方法だ。どうやったら、今以上に強化できる?緻密に・・・・・・?いや、それだけじゃあ足らない。他に・・・・・・他に・・・・・・・」


 探していく。陣についての情報を。


 そして、遂に見つける。


「これだ!これなら、いける!!」


 いつも陣を刻む時に使っている筆を取り出す。そして、メノスの左胸から血を出来るだけ拭いそこへ、陣を刻んでいく。


「ただ刻むだけじゃあ意味がねぇ。ただ魔力を流すだけならいつもと同じだ。だが、そうじゃない。

 メノスの体に馴染ませるように、根付かせるように。俺の魔力だけでなく、メノスの魔力も一緒に混ぜるんだ!」


 いつもより、緻密に蜥蜴座(ブルーザー)の『魔方陣(サイン)』を、文字通り(・・・・)刻んでいく。


 この手法はある二種類の陣の強化に使われるものだ。

 それは、所謂奴隷を縛るための従属の陣。そして、互いを信頼し合い、なにより心で通じたもの同士が刻む華燭(かしょく)の陣の二つだ。

 一つ目の従属の陣は、加術者の魔力を無理矢理陣を通して被術者へと送り込み、陣による効力、絶対服従の強制力を数倍以上に引き上げる手法として使われる。

 華燭の陣は、両者の魔力を混ぜ、両方に馴染ませ、根付かせることにより、刻んだ陣の効力を数倍に、魔力の相性によれば、数百倍にも引き上げることの出来る手法だ。


 両者の共通点は、陣を直接体に刻み込むこと、効力を引き上げることだ。

 そして相違点は、魔力の通し方と、何より陣の大きさである。


 無理矢理魔力を通す、従属の陣は、下手を打てば体の全体を覆う物となり、最低でも体の一部位を全て覆うようになる、華燭の陣は、ほぼほ手のひらより少し大きい程度のものとなる。


 俺は、両者の特徴を中途半端にかじる手法をとることになる。

 魔力を無理矢理通しはするが、メノスの魔力に極力馴染ませ、定着さる。陣は左胸を覆う程度の大きさだ。


「これでどうだ・・・・・・!」


 と、陣をメノスに刻み終えると、突如として、陣が変形する。

 トカゲを模した陣は段々蛇に近くなり、そして、自身の尾を咥えた状態となった。


「『円環の蛇(ウロボロス)』・・・・・・?」


 その陣は、メノスの持つ魔力に反応し、俺の魔力を微量に吸い上げながら、傷を癒やしていく。

 ドクドクと流れていた血は止まり、傷口はふさがれていく。血色も戻っていき、呼吸が安定する。

 最後には、メノスはただただ眠るように息をするだけだった。


「助けられた・・・・・・。良かったッ・・・・・・!!」


 安堵し、息をついた瞬間に、後ろから、愛おしい声で忌々しい言葉が発せられる。


「さぁぁて。お前さんのヤりたいことは終わったかよぉ!?黒の縁者ァァ?」


 振り返ると、こちらを悠々と眺める、白木の姿があった。

次回は戦闘に入ります

多分二話に分けることになります

ではまたノシ

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