表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔界の勇者~魔界で勇者として幼馴染みと冒険します~  作者: ろくみっつ
第三章 ≪黒≫の目覚め
42/47

四十一話 邂逅、解放

遅くなりました!

白木vsメノスの一話目です!

 私はメノス・アピゴレム。先ほど勇者が魔界へと侵入したという報告を受け、ここまで来ている。

 今私が立っている剝き出しの地面が広がる荒野だ。

 草木は全く生えておらず、風が吹けば土埃が舞う。

 多少の地面の凹凸はあるにしても、視線を遮るものがないこの場所からは、こちらへと向かう一つの影が簡単に見つかる。


 私はそれを目指して歩みを早める。影もほぼ同時に速度を上げる。

 数分もせずに両者の顔が見えるほど、距離が詰まる。


 まず声を発したのは影__勇者白木だった。

 それはおよそ人間が発するようなものではない、まるで機械のような口調だった。


「会敵、目標を捕捉。目標の魔力から、第一目標の魔王めのすと判断。戦闘行動を開始します

『風よ、杖に宿れ』」


 そう、言った直後には、私に向かって飛び出していた。

 その手には風を纏い刃のようになった杖が収まっている。


「いきなりかっ!」


 それをギリギリで半身になり躱す。白木は振り下ろした杖を流れるように次の攻撃へと繋いだ。

 私は跳躍をもってそれを避け、着地と共に白木との距離を詰めに走る。

 杖で斬り上げを行った直後のために防御がお留守になっている脇腹に右の蹴りを放つ。


「ッシ!」

「『風よ、我を守れ』」


 前に相対したときよりも短くなった詠唱で、私の蹴りは風の壁によって阻まれてしまう。

 それでもこのまま離れるという選択をするつもりはない。

 右脚を地に着け両の脚で踏ん張り、拳を握る。


「ッフ!!!」


 息を吸い、止めて拳を繰り出す。

 風の壁のないところを見極めるようにして左の脇腹を狙うが、不可視の壁にぶつかる感触があり、拳を引く。そして、それと同時に重心をわずかにずらし、左の足で白木の太ももを打つ。

 ここまでは壁に防御させていなかったようだ、白木の重心がブレて上体が揺れる。

 そこを狙い、重心の移動による勢いと魔力による強化で速度とパワーの上がった拳を顔面に叩き込む。


 それが当たる直前に、白木は唱える。


「『鋼の如く水よ有れ』」


 最高に乗った拳は現れた水にぶつかり、思わず顔を顰めてしまう。

 このくらいならば撃ち抜けると踏んでいた水が予想以上に硬く、右腕まで痛みとしびれが廻る。


「くぅ……。痛いのぉ!水をそこまでの硬度にするのに一文で済ますとかどれだけ規格外なんじゃ」


 思わず口からこぼれる。(ここに黒鉄がいたならば、「空中から水面へ飛び込んだらコンクリートと同じ硬さになる」という説明をしていただろう)


 白木はその間に少し距離をとるように後ろへと下がっていた。

 そして、機械的な口調でしゃべりだす。それは私に向かってではなかった。


「目標の戦闘能力評価を前回よりも上方修正。こちらの制限の解除を申請。……受諾。二腕までの解放を許可」

「二腕……?何を言っているんだ?」

「『顕現せよ。呪われし英蛇の腕よ』」


 よくわからず首をかしげていると、白木が詠唱を唱えた。

 その後すぐに、一瞬で白木の魔力が膨れ上がる。といってもその上昇率は黒鉄ほどではないが。

 そしてその魔力が二つに分かれ、ある形状を模っていく。

 それは成人女性ほどの太さと病的なほどの白さを持つ腕だった。

 所々を包帯や鎖が巻き付き、締め上げている。そして手の甲には特徴的な紋様の痣がある


「なるほど……腕を増やすか。しかもその痣……属精霊を喚起する陣によく似ている」


 白木から生えた新たな手に刻まれていたのは土と水の精霊陣のようだった。


「これは、さすがに私も腕を生やさないと(・・・・・・・・)、負けそうじゃな。

 出来れば、使いたくなかったんじゃが……」


 両腕を横へとまっすぐ伸ばす。右は健全であるが、左は二の腕の半分ほどしか残っていなかった。

 そして、右腕で自らの左の肩を(・・・・・・・)斬り飛ばす。


「くぅぅ。痛いな……流石に」


 鼓動に合わせて勢いよく血を噴き出す肩。だが、噴出した血は一滴も地面に落ちることなくその場で漂っている。


「さて、このくらいの量があれば問題なかろうか……。使いたくもないモノじゃが、使わなければ負けるのでな。つべこべ言っておられん」


 血に濡れた右手を前に(かざ)す。


「『我に廻りし魔の王の血よ。今目覚めよ』」


 その一言に喚起し、血が円を描くように私の周りを回る。


「『我に宿りし古き黒龍の血よ。混じり廻れ』」


 血が黒く濁る。地面へと流れ、染み、そして紋様を浮かび上がらせる。

 それは龍の頭のようにも御伽噺の魔王の頭のようにも映る。


「『我が身に課せられし禁断を今解き放つ』」


 紋様は光りだす。限りなく黒に近い赤い色に。

 私の後ろから気配がする。霞のような幻影が視える。黒く美しく鋭利な鱗を持つ龍だ。

 それは私の中へと入りこんでくる。

 私は、最後の一言を唱える。


「『血壊(ブラッド・ブレイク)』!!!」


 魔力が溢れ、あまりの濃さに可視化する。その魔力が洪水のように渦巻、嵐のように荒れ狂う。


 最初に嵐の外へと出たのは、無くなったはずの左腕だ。

 それは鋭利で美しい至極色の鱗に覆われていた。フォルムは人間と何ら変わりないが、爪は少し伸び、尖り、拳の鱗は他以上に鋭かった。


 次に出たのは翼と尻尾だ。

 それらは刺々しい鱗ではなく、流線形の鱗で覆われていた。飛翔することに最も適した形状をしている。


 左腕で魔力払う。

 それだけで魔力は霧散した。

 私の姿が完全に見えるようになる。


 頭には側頭部から頭頂部にかけて、五本の太い角が冠のように生えている。

 顔には鱗がほぼなく、生え始めは顎からだった。

 先ほどまで来ていた鎧と鱗が同化したように感じられる。


「さて、これで私の手札は尽きたぞ。腕の再生に龍人化。私の祖先に所以のある力だが。さて、これで貴様を倒せるようになったならばいいんじゃがのぅ」


 あとは、どこまでこの勇者を足止めできるか、可能性があるならば、ここで気絶させ、黒鉄に引き渡したいところじゃの。


 そう思いながら、健全となった、両の拳を握り、構えをとる。

と、白木もメノスさんも力を解放したとこで終わらせました。

次回はがっつり戦闘シーンを書くつもりなので、多分時間かかるわ文字数多いわになります

ご了承くださいorz


因みに、高速で水に突っ込むとコンクリート云々ってのはもう少しめんどくさいのですけど、まぁそこらへんは魔法があるのでなんでもありってことで、その理論を応用しているものだと思ってください。

あの魔法、相手の速度が高ければ高いほどに硬度が増します。メノスさんが魔力で強化してなかったらただ水面叩いたときに感じる程度の痛みです。はい


では、また次回の投稿をお楽しみに!

あ、もしかしたら二週間かかるかも……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ