四十話 森の中での激戦
明日になるって言ったな!あれは嘘だ!!
言い訳:思いのほか筆が乗って終わってしまいました。
翻訳:いや、ほんとはもう少しつなげる予定だったんですけど、ストーリーが迷走しそうだったので、切り上げました
木々が流れていく。風を切る音が耳に響く。
他に聞こえる音は、俺と俺が乗っているスレイプニルの少し上がった呼吸音のみだ。
俺は今、ディクティウスの街を出てデリトリア公国とアーガルム王国の国境まで来ている。
ティシス達と分かれて直ぐ、スレイプニルを呼び出し、不休で走らせ半日ほどで到着していた。
本当ならばスレイプニルを降り、首都スコルティアで検問を受けなければならないが、それよりもスレイプニルで少し遠回りをした方が早いと考え、アーガルムと魔界を遮る壁まで広がる森の中を走っていた。
時折魔物も見つけるが大体はスレイプニルのスピードに追いつけず、追いついたとしても俺の威圧により硬直してしまうので被害は全くなかった。
そんな風にして急いで森を駆け抜けていく。
このまま進めば、魔界からの侵入を拒む壁が姿を現すという頃になって、異変があった。
さっきまでは実害はなかったものの確かに確認できた魔物の姿や気配が一切無いのだ。ありがたいことでは在るが、不気味に感じてしまう。
「なにか・・・・・・居るのか?」
取り敢えずスピードを落とし、スレイプニルを歩かせて進む。同時に周囲への警戒も忘れない。
威圧を出さないようにして、目を見張り、様々な感覚を研ぎ澄ませる。
すると、ヒュンという音と木の葉を斬り進む音が聞こえてくる。
「速い、が間に合う!」
俺はスレイプニルから飛び降り、『白縫』を抜刀する。
木の葉を斬る音が抜刀と同時に風切り音に変わり、俺の目の前の空間で鳴る。
「ッシ!」
眼前に迫っている風の不可視の刃を一刀両断する。
手応えはないが魔力を感じることはなくなった。
「さて……どこから飛んできたのか……。まぁ飛んできた方向に進んでたら見つかるか」
スレイプニルに跨り進もうとしたが、いつどこから魔法が飛んでくるかがわからないということに気づく。
ならば、ここは自分で走った方が即座に対応できるだろう。
ということでスレイプニルの尻を叩き、放す。
「んじゃぁ、改めて行くか」
魔力を巡らせ、『魔法陣』を発動し、まっすぐ、風の刃が飛んできた道を走る。
しばらく行くと、突然目の前に木々が生えていない地点にたどり着いた。
そこに何かがいる。
俺は木の陰に隠れて様子を見ようとするが。
「隠れる必要はないのですがねぇ。すでにバレているのじゃから」
と、老人の声が聞こえる。
聞き覚えのある声に独特の口調。そこに堂々と居たのは白木を攫っていった老魔法使いだった。
「まさか、てめぇだったとはな。また邪魔をしに来たのか」
「ふぁっふぁっふぁ。邪魔とはひどい言いぐさですなぁ。私は私の使命を果たしているまでですよ」
「それが俺の邪魔になってるっていってんだけどな。まぁいいか、そこをどいて俺を通せって言っても無理だって言うんだろう?」
「そうなりますねぇ。なにせ、魔界へと何人も入らせないことが私の今の使命ですから」
「じゃぁ、仕方ない。てめぇを倒してそこを通るとするよ。それに、てめぇにはちょっと聞かなきゃいけな0いこともあるしな」
そう言って、俺は腰に下げていら『白縫』を抜く。
「物騒ですなぁ……。いいでしょう、お相手をしてあげますよ。魔人種に加担する裏切り者を排除するには丁度いいですしねぇ!!!」
前にあった時と同等の魔力と殺気を発する老魔法使い。
早速詠唱もなしに先ほど俺を襲った風の刃を放ってくる。
「ッシ!」
俺はそれを難なく消し、老魔法使いに接近しようと走るが、転移されて一瞬見失う。
真後ろに気配を感じ振り向くと、すでに複数の刃が放たれた後だった。
「くそ。やっぱり強いな」
「まだまだ余裕がありそうじゃないですか。ならばもっと手数を増やしてもよさそうですねぇ!!!」
そう宣言した通り、先ほどは数個程度だった刃が十を超え、そして風の刃だけでなく氷の礫や炎の玉、土の槍なども飛んでくる。
それらを消し、弾きながら接近しようとするが、直ぐに転移で逃げられる。
「厄介すぎるっての……。仕方ねぇか、出し惜しみなんてしてる暇がねぇ」
「ほう、なにかするおつもりですか?あぁ、あれですか魔人種のような姿になるのですかね?最初にあったときに手も足も出なかったというのに、哀れですねぇ」
「言ってろ。すぐにその減らず口が聞けなくしてやるよ。
『我が背に宿りしは、88の天体。
星の力をわがものとせん
制限解除リミッターオフ』!」
魔力が全身に広がり、肌を染める。その肌には無数の『魔法陣』が刻まれ、夜空の星のごとく輝く。俺の体に収まりきらない魔力は周りに漏れ出していく。
「んじゃぁ、行かせてもらうぞ!」
先ほどよりも強い踏み込みで一気に距離を詰める。
転移されるが、ほぼ同時にその方向へと向き、また距離を詰めるために駆ける。
老魔法使いはあざ笑うかのように転移し、それと同時に十数の魔法を俺に放つ。
「馬鹿の一つ覚えのように突っ込むことしかできないのでしょうねぇ!」
真後ろから聞こえる声。俺は目の前に広がる魔法を魔力視により格段に見やすくなった魔法の核を的確に攻撃し魔法を消す。
そして、振り返り老魔法使いに切り込む。
「生きがいいですねぇ。まぁ馬鹿の一つ覚えのように突貫を繰り返すしか能のない人ですねぇ」
「ゴチャゴチャ言ってんじゃねぇっよ!」
また転移される……がその位置にはすでに俺が向かっていた。
「っな!?」
流石に驚きの声を上げる老魔法使い。
俺はその小さな隙に一気に距離を詰め横なぎにする。寸でのところで転移されたが、切りつけた感覚は手にあった。
「馬鹿な……。私の転移速度に追いつくだと……。貴様ぁ!何をした!!!」
「別に何もしてねぇよ。ただ魔力を追っただけだ」
「魔力を、追う……?」
「あぁ、どんな魔法でも魔力は使われてるんだ、転移魔法は転移前にその移動する場所にてめぇの魔力が現れる。それを追えばいいだけだ。転移後は少しだけ硬直するようだしそこを叩くだけの、簡単なお仕事だよ」
そう言いながらまた老魔法使いとの距離を詰める。
また別の場所に転移するが、やはりそこへと駆け、袈裟に切る。
体から血が噴き出し、叫ぶ老魔法使い。
「うがァァァ!」
「転移するしか能のない魔法使いだな。転移に頼りすぎだろうが」
「クソガキがぁぁぁぁぁ!!!」
老魔法使いは十を超える魔法を一気に放ちながら後ろへと跳躍する。
俺はそのすべての魔法の核を攻撃し、魔法自体を霧散させ、追いつく。
「魔法には核みたいなのがあってな、それを壊せば一瞬で霧散するんだわ。結構な精度の魔力視ができないと霧散させるようなことはできないみたいだけどさ、俺はそれができるほどの精度を身に着けてんだよ。
がから、お前の魔法は効かねぇよ」
ヨロヨロと足元のおぼつかない様子でゆっくり後退していく老魔法使いに向かって宣言する。
それを聞いて奴は目を見張り、声を荒らげる。
「馬鹿な!馬鹿な馬鹿な馬鹿な!私の、このエウエレス・プテオスの魔法が!魔人種に加担するような輩に打ち破られるなど!ありえないィィィ!!!」
老魔法使いの名はエウエレスというらしい。今更過ぎる発見だった。
だが、それを知ったところで特に変わることはない。俺はこいつから聞きたいことを聞いて、さっさと白木を助けに行かなければならない。
そう思い、エウエレスに近づいたときだった。奴の体から魔力が膨れ上がり、周りに放出される。
「っ!いきなりなんだ!?」
「アァァァアアアアァァァ!!!我が神よ!!!私を、私をお見捨てになるというのですか!!!
それが、それがあなた様の御意志とあらば、私はこの身をもって、この男とともに死を迎えましょう!!!」
さらにエウエレスの体から魔力が流れ出す。
俺と奴自身を魔力が飲み込んだとき、一瞬で魔力が魔法へと変換された。
「『我と共に爆ぜて死せ!!!エクスプロージョン!!!』」
その詠唱と共に、魔法が爆発し、俺とエウエレスを飲み込んだ。
次回は来週です
今回はまじです
多分メノスが活躍する……?させたいなぁ……。
あ、最近活動報告書いてないけど暇があったら明日書く予定です
設定紹介ものせれたらいいなぁ……。




