二十七話 第二、第三の試験? 1
二十七話です
お楽しみください!
あとできればブクマとか評価くれたらうれしいなぁ……。なんて言ってみます。はい
転移した後の自分の五感が戻ってくる感覚という不思議な感覚を再び味わっているときに、その音は聞こえた。
それは、ヒュッ。という極小の風切り音だった。
俺はそれを聞くと、反射的に真横へと飛ぶ。まだしっかりと体が動くわけではなかったためだろうか、風切り音を発していた謎の攻撃を避け斬ることができずに、頬に薄く切り傷が付き、血が流れる。
その後ろでは、パリン。という薄い何かが割れる音が聞こえた。俺が避けきれなかった攻撃が後ろの壁に当たり砕けたのだろう。
頬の傷を少しぬぐい先程から俺に視線を向ける何者かを睨みつける。
俺の視線の先にいたのは、水色を基調とした、着物のようなだが細部には日本鎧の一部だけを取ってつけたような装備をした、和風美人と呼ぶべき女だった。
この世界にも、日本鎧があったのか、と驚きながらも、良く観察すると、近しいだけで日本鎧そのものではないようだった。
だが、そこよりも驚くべきところが複数あった。
まず一つが、女の頭部から生える角だ。その角は、自分の知る中では、東洋の龍に生えているような角の形状だった。和服にもマッチしているように見えるのは、その角がそういう形状だからだろう。
二つ目は首から下顎までびっしりと蛇の鱗のような、それよりも少し硬質で鋭利そうな鱗が生えていること。
最後が、着物の後ろ、女の尾骶骨あたりから生える尻尾だろう。そこだけ見れば、東洋龍だ。と確信してしまえるほど俺の知っている龍に一致する尻尾を持っていたのだった。
ジロジロと観察するような眼で見られているのが不快だったのだろう、女は自分の持っている扇子ようなものを一振りする。すると、そこから先程転移直後に聞こえた風切り音が響く。
俺は今度こそ完璧にそれを回避し、女に声をかける。
「転移直後にいきなり攻撃するとか、ちょっと礼儀とかがなってないんじゃないのか?」
問い掛けると女は呆れたようにため息をつく。
「何を言っているの、本当の戦闘でそんな悠長なこと言っている暇なんてないに決まってるじゃない」
「それはそうだがな、試験の内容とか合格点とかは言ってくれないか?」
「はぁ……。仕方ないわね。
取りあえず、私は土竜と水竜の混血種で、蛟って名前ね。それで、今回の試験内容は簡単。貴方が私にその『白縫』で斬れれば合格。これでいい?」
「つまり、一撃与えたらいいってことか。前の試験よりも簡単そうだな」
「一応言っとくけど私は貴方がどれだけ自分の力を使いこなせているかを見るだけ。
前の試験は貴方がどれだけの力を持っているかを見る試験よ。あなたが実力を出し惜しみしていたらあのままずっとあそこにいたでしょうね」
成程、俺が力を隠さずに一瞬でケリをつけていれば終わったわけだ。
それならそうと、初めから言ってくれればよかったのだが……。
まぁ、今更気にしても意味はない。今は今回の試験をクリアすることを考えよう。
と、ここで俺はあることを聞かなければならなかったことに気付く。
「それで、蛟。俺の仲間の二人はどこへ行ったんだ?」
「あら……。今頃気付いたのね?最初に聞かないから忘れちゃってたのかと思ったわ」
「いや、気付いてはいたが、その前に聞きたいことがあったからな」
「ふぅん。ま、仲間をどう扱おうが私の問題じゃないからいいか。
貴方のお仲間は一足先に第三の試験に挑んでるわよ。というよりも、第三の試験ってそもそも≪黒≫の仲間足るかを調べるためのものだから次会えるのは第四の試験の時かしらね?」
つまり、俺が第二の試験をしているときにあの二人は第三の試験に挑んでいるらしかった。
ならば、俺のすることはあいつらを心配することではなく、さっさとこの試験を終わらせて合流することだろう。
「そうか……。なら、さっさと終わらせてあいつらに合流しなければな」
「じゃあ、始めるわよ?私に一撃を与えればあなたは次にいけるわ。ま、そんなに簡単ではないけどね?」
この回からは第二試験と第三試験を交互に送っていきたいと思っています。
年末年始には終わらせる気ではいますので、お付き合いください。
では!次回もお楽しみに!!デス!!!




