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魔界の勇者~魔界で勇者として幼馴染みと冒険します~  作者: ろくみっつ
第二章 試練のダンジョン
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二十五話 決着の時?

遅くなりました。

これからもよろしくです

「うぉぉぉ!」


 俺こと黒鉄 遊兎は咆哮と共に『Q(クイーン)・ベヒモス』へと駆け出した。

制限解除(リミッターオフ)』で大幅に強化された脚力で、先程よりも非常に速い速度にて、『Q(クイーン)・ベヒモス』の懐へと近づく。

 俺は、最も短い距離で剣を走らせる。

 肩に軽く乗せた剣を、大上段から柄頭を一気に下へと動かし、最短の袈裟斬りをかます。


 だが、それでも、『Q(クイーン)・ベヒモス』は前に出していた左拳をボクシングのフリッカージャブように放ち、剣の軌道を逸らす。

 俺は、逸らされた剣に引っ張られるようにして、わざと後ろへと飛ぶ。

 奴はそれを見越したかのように少し踏み込み、右足で脇腹へとけりこんでくる。

 ギリギリで左腕でガードできたが、横へと吹き飛んでしまう。


 この攻防で分かったことは、まだこの程度の強化幅では敵わないということだ。


 たぶん、強化の方向性が万能、つまりすべての能力を平均的に上げているため、足りていないのだろう。

 そして、体外へと放出されている魔力が多いのだ。

 それらをフル活用できれば、『Q(クイーン)・ベヒモス』を倒すことはできるはずだ。


 今の強化の配分は、平均になるように延ばされている。

 ならばそれを意識的に体力、攻撃、速力へと振る。その配分は3:3:3そして残りが体外へと排出される1だ。配分をいじればまた『Q(クイーン)・ベヒモス』へと向かって駆ける。


 先程よりもまだ速く駆ける。

 俺は今度は懐ではなく、斜めから攻撃へと移る。

Q(クイーン)・ベヒモス』はそれにも反応し、攻撃を弾き、反撃をしてくる。

 追いつかれるということはまだスピードが足りない。配分をまたいじる。そして攻撃へと移る。


 これを何度も繰り返す。

 何度も何度も弾かれ、反撃される。

 しかし、すべてがすべて同じ結果にはならない。

 はじめは全攻撃に対し的確に反応されていたが、段々と反撃される回数が減り、攻撃が弾かれることが減っていく。

 こちらの攻撃が小さくも、弱くも入るようになっていく。

 速度を上げ、魔力の余剰分を無くしていけば入ることが多くなる。

 攻撃箇所も一部を狙うのではなく一撃一撃で変えていく。


「ふははは!!いいぞ、もっとこい!

 貴様のその力、≪黒≫に似て非なるものだが、非常に良いものだ!

 私をここまで本気にさせるのだから!」

「あぁ、そうかよ。だったらさっさと沈んでくれ。俺は早くここから出たいんだよ」

「それはできんなぁ!まぁ、お前の努力次第でもあるがな!!!」


 そんな会話が何度も繰り返される。

 だが、自分で言ったように、俺はここで間誤付いているわけにはいかない。

 こいつを早く倒し、あと四体か五体の魔物を倒さなければならない。


 焦りは禁物。わかっているが焦ってしまう。

 もっと速く、もっと強く『Q(クイーン)・ベヒモス』へと攻撃を仕掛ける。


 結局の配分は速さ7:体力2:攻撃1となった。

 その配分で全方向から『Q(クイーン)・ベヒモス』に剣を走らせる。

 だんだん、奴も崩れてくる。反撃が全攻撃に対してから、二回に一回、三回に一回、四回に一回……と少なくなっていく。


「来い!来い!来い!来い!!

 いいぞ!!!貴様ははやりいい!!だが、ここで負けるのも少し癪だ!

 一度だけ本気を出そう!!」


 そう言いながら『Q(クイーン)・ベヒモス』は後ろへと跳躍する。

 そして、呪文を詠唱し始める。


「『生命の活力は、力の象徴。大地の恵みと激動を我が右手に!

 顕現せよ!!!『豊潤の籠手アバンデント・ガントレット』!!!』」


 唱え終えると、奴の右腕にあったのは巨大な、右腕全てを覆うような籠手だった。

 蔦のような茨のような紋様が浮び、白や金、緑を基調としたもので、撃鉄らしきものも見えた。


「さて、一撃だ。次の一撃で決めよう。それで、お前の合否を決める」


 少し、雰囲気を変えた『Q(クイーン)・ベヒモス』が言葉を発する。

 そして、右拳を顔の近くへ、左拳を体の前へ出し、両の足を開く、先と同じ構えを取る。


 俺はそれに対し、剣を肩に担ぎ、体勢を低くくする構えを取った。


「じゃあ、行くぞ」


 そう言い、両者が疾駆する。

Q(クイーン)・ベヒモス』は右腕をさらに引き絞り、一瞬の交差に向けて拳を構える。

 俺はそれを見て、一瞬で魔力の強化に対する配分を変える。


 一瞬だけほぼ全ての魔力を『威圧』への強化に向ける。


 その瞬間。ほんの一瞬だけ『Q(クイーン)・ベヒモス』の動きが揺らぐ。

 流石に過剰強化ともいえるほどの『威圧』では、動きが揺らぐようだ。というよりも、これほどまでに強化しても揺らぐ程度というのがおかしいと思ってしまう。

 そして、すぐに魔力の供給を速度と攻撃に5:5に切り替え、すぐに『Q(クイーン)・ベヒモス』へと攻撃する。


 二人が交差し、火花と金属と金属が高速でこすれるとき特有の音が響く。


 双方の行動が、終わる。

 先程とは真逆の位置で、背中を向かい合わせるように停止する。


 そして、二人の真ん中、交差地点の辺りからガキン、ゴトンと俺の剣の半分が転がる。


 俺の手にある剣は中ほどからポッキリと折れ、力尽きたように錆が広がり塵も残さないほどに粉々になり手から消える。


「負け……か。」


 そう言って振り返る。


Q(クイーン)・ベヒモス』はこちらへとすでに向いており、『豊潤の籠手アバンデント・ガントレット』を解除したのか段々と薄れていっていた。


「さて、これでお前の試験が終わった。

 お前の武器は粉々に砕け散り、私は無傷……。」


 そこで『Q(クイーン)・ベヒモス』は言葉を区切る。

 俺は少し首をかしげると、小さく、音が響いた。発生源は奴よりも少し外側だった。


 少し目を凝らしてみると、そこの部分から陽炎のような揺らぎが見えた。

 それは全体へと広がり、そして、一番最初の部分からひびが入る。

 最後には、パキンという音がして、陽炎が砕け散った。

 奴はそれを驚くように、そしてまるで好敵手で見つけたかのように眼を見開き口角を上げる。


「無傷、とはいかなかったようだな。

 ふふふ、まさか私が『豊潤の籠手アバンデント・ガントレット』を発動させるだけでなく『豊穣闘気』を解除させられるとはな」

「だが、お前自身には大したダメージは与えられなかった……。

 さて、俺の試験結果は失格か?」

「ふん、そんなわけなかろう。合格だ、私の『豊穣闘気』を解除させるほどなんだ失格にさせるわけないだろう」

「そうか……。じゃあ、もう次の階層に行ってもいいか?」

「まてまて、少しだけ待て。お前の健闘を称えてちょっとした褒賞をやるから」


 有無を言わさず、『Q(クイーン)・ベヒモス』は行動する。


「今から出すものの中から好きなものを選べ、これからの試験、というかお前の行動を助けるものになるだろう」


 手を地面に置きながらそう言葉を掛ける。

 そして、また呪文を詠唱する。


「『地に眠る、巨樹に守られし宝物庫よ、我を討ちし者の前に現れよ。巨樹の宝物庫(バビロニア・ロート)!』」


 地面が揺れ、地割れが起きる。

 そして、その中から木の根とそれに刺さったなにかが現れる。


 その何かとは……。


今回はここまで。

まぁ名前でわかると思うけど刺さってる何かは想像にお任せ!


まぁでも一撃必中の槍とか、神を縛る鎖、とかは出る予定はない(でないとはいってない)です。

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