十七話 ダンジョンへ赴く前に
程なくして、準備を終えたティシスたちがホールに来たので、数軒先のギルドに向かうことにした。
ゼクティウスのギルドは扉を開けることもなく、内部がどれだけ騒がしいのか想像できるほど、騒ぐ声や怒鳴り散らす声が漏れて聞こえてくる。
スコルティアのギルドは人の少ない時間に行ったため、寂しいと通り越して、寂れた。という表現が似合うほど閑散としていたため、流石にちょっと引き気味なのだが、それでも入らないわけには行かない。
扉を開けると、漏れ聞こえるのがかわいらしい程の喧騒が耳にガンガン入ってくる。
少し人に酔いそうになりながらも、ギルドの受付嬢の元まで行く。
「すまない、ダンジョンの情報をくれないか?
今わかっていることを全部教えてほしいんだが」
「ダンジョンの情報ですね、1000Gほどいただきます」
そういうと、カウンターに置いてあるのか、すぐに紙を取り出してこちらに渡してくる。
ダンジョンの情報はすぐに取り出せるようにしているのだろう。
紙を貰い、ギルドで軽く昼食を取りながらこれからの行動を打ち合わせるために
ギルド内に設置してある飲食スペースに移動する。
「さて、ダンジョンの構成は手に入ったわけだ。
どうする?今日からもう入るか?それとも準備を済ませるか?」
「私としては、準備をしたいところだ。それに道中休憩も挟んだとはいえ、まだ疲労が抜けきっていないのでな。今日すぐに潜る、というのは遠慮したい」
「わかった、じゃあ今日は各自で必要なものを買うということにしよう」
それから昼食をつまみながら、ダンジョンの構成を確認する。
ディクティウスのダンジョンは全部で15階層あり、1層ごとに階層ボスが、3層ごとに秘境ボスが設置されているようだ。
階層ボスは簡単に言うと中ボス程度の敵で四人一組のAランクパーティーだけで攻略できるくらいの強さだ。
対して秘境ボスは、大ボスといったところでAランクパーティーが三組ほどでやっと倒せるかどうかというほどの強さらしい。
ダンジョン内部の構成は三階層でワンセットとして特性が違ってくるらしい。
1~3階層は自然のエリアと呼ばれていて、1階層が草原、2階層が草地、3階層目は森林となっている。
同じように4~5階層は水源のエリア、6~9階層は鉱石、10~12が溶岩、そして新たに発見された13~15までは遺跡エリアとなっている。
秘境ボスがいる3、6、9、12そしておそらく15階層も秘境と呼ばれるほどのことはある地形となっているため、基本的にはそれらエリアには攻略目的以外では冒険者が入ることはない。
等々、有益な情報がほかにもいろいろと書いてあり、これ以上情報を集めようとしても、同じものしか得られないのではないだろうか。と思得るほどだった。
今からは明日以降のダンジョン攻略のための準備と休憩の時間となる。
「よし、それじゃあ、各自必要なものを見極めて用意してくれ。解散」
そういって、勘定をすませて、必要なものを買いに行く。
まず行く場所は武具店だろうなーと思いながら人込みをかき分けていく。
途中ですません
次回はダンジョンに入れればと思います