十二話 新たな手掛かりの手掛かり?
……。やっぱりめんどくさいことになりやがった。
俺はそうため息をつくのだった。
「我が主に会わせるわけにはいかん。たとえそれが私や主を助けてくれた物だとしても。
お礼はまた後日することになるが、今はお引き取り願えないだろうか?」
「そうは言われてもな、おまえの護衛しているやつにちと用事があるから、おまえたちを助けたんだ。
流石にここで、はいそうですか。と言って立ち去るわけにはいかないんだよ」
会わせてもらえないとこいつらを助けた意味がない。
だが、ここでこいつを殺しては話してくれなくなりそうなので、それもまた意味がない。
どうにかこいつを無力化できればいいんだが……。そう考えていると。
「……。そちらからこないのなら私から、行かせてもらおう!」
(っち、人が考え事してる時に……。なんかいい方法はないのか……?)
護衛がこっちに向かって突っ込んでくる。考え事をしながらでも護衛の剣をいなして弾いて、当たらないように避けていく。
(相手を殺さずに無力化する方法……。
ん?相手を無力化する?……。そぉいえばあれがあったな。久しぶりに使うか?)
「あー、今からちょっと恐い思いするかもだけど、許してくれや」
そういって後ろへ跳躍する。
「なにを言っているのかはわからんが、貴様なんかに屈するほど私はやわではない」
「そう言ってくれると、俺も助かるけど、難しいと思うぞ?
『限定解除』」
そう唱えると、彼が制御し、封じてきた『勇者の威圧』が限定的に放出される。
最近はこれを使う機会が無かったため、存在を忘れていたが、敵意を向けられていればこれほど無力化するのに適した能力はないはずだ。
「っぐぅぅ、な、なん……だ。体が……動か、ない!?」
威圧で動けなくなった護衛に一歩ずつ近づいていく。
「や、やめろ!くる……来るな!ひ、ひ、、ひ、、、ひぃぃぃぃ!?!?」
護衛の一歩手前に来た時には腰を抜かしたのかその場にへたり込み、腕で体を抱くようにうずくまってしまった。
ガクガクと全身を震わせ頭を下したせいで、兜が脱げ長い髪が露わになる。
女だったとは、気づかなかったが今となってはもう遅い。謝罪でも入れようと近づくとツンとした異臭が香る。
「あー、なんていうか、ほんとすまん。マジですまん」
謝罪をしても遅かったらしく、もうすでに気を失って倒れていた。
本当なら介抱してやるのが紳士というものなのだろうが(そもそも威圧でここまでやることに問題があるが)しかし、今はそんなことをしている暇はないのでとりあえず、隠れいている〝お嬢〝とやらにこうなってもらっては困るため、威圧を再封することにする。
「『封印』。取りあえず、大声でも張って探すかー?めんどくさいけど」
「いえ、そこまでしなくても結構ですよ。私はここにいますので」
ガサガサと後ろの茂みから音がする。少し驚き振り向くと、そこにいたのは俺の胸より低いくらいの背で金髪の少女が立っていた。
「……。お前が勇者の仲間ってやつか?」
「ええ、そうですよ。私の名前はティシス。ティシス=レシアス。
レシアス宗国の第三王女にして、宗国のトップである、『真眼』の称号を与えられし者です。初めまして、勇者様と同郷のお方」
途中ですいません。
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諸事情があるのでどうにもできませんが、精いっぱい努力して、いいものを出せるように頑張ります!
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