第02 集合
「あら、帰ってきたの?」
会社についたとたん
そう声を掛けながら自分に近づいてくる人を柳太郎は振り返った。
「あ、社長じゃないですか、実は聞きたい事がありまして。」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
若くして傭兵会社を立ち上げ
会社が出来る以前からも戦線で多大な戦績をおさめたため「女傑」「空翔姫」と呼ばれた上で伝説ともされる人間
それが目の前にいる自分の上司リディア・マーシャルである。
本人は外国人のような外見、名前をしているが、日本国籍を持つ日本とイギリスのハーフである。
そして、能力の中でも特殊な能力を持つ者に与えられる称号を持つ『称号持ち』でもある。
「で、本題って"仕事"の事かしら?」
「そうです、何故あっちからの仕事が僕にまわってくるんですか?」
「まぁ そう思うわよね... 私も呼ばれてるけど。ホラ、書類。」
いったい依頼とはどういったものだったのだろうか?そう思いながら柳太郎が書類を見ると招待状の文面のようで気が抜けた。
そして、社長から意外な言葉が出てきた。
「でも戦闘の可能性があるから気を抜くなとか言ってたし、それぞれのモチベーション保持の為にウチの会社からローテーションでメンバーを出すという事を向こうに了承してもらっている。」
「では、やはり争いですか...」
どうやら向こうでも怪物との戦いの様な事が起きているようだ。
「そうだな、一応装備はまとめておくから家でゆっくりしてきたら?」
そう言う社長の言葉によって話し合いが終わった。
家に帰る途中柳太郎はとりあえず知り合いにメールをし、そのままぼうっとしながら呟いた。
「あいつが組んでくれれば楽だけどなぁ...」
着信音が聞こえた。相変わらず速い返信だと思いながらメールを読むと、明日の夜には帰ってくるそうで、会社に寄るついでに来てくれるそうだった。
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「おーい、備品出来たか〜?」
「「「「「まだでー(っ)す」」」」」
ここはリディアの経営する傭兵会社 ガンナーズレギオン社内部の鍛冶室という(名前の割にハンマーを振るというよりパソコンいじってるような)部屋である。
この部屋を担当する道隆 隆季はここにいる職人達に親方と呼ばれているチーフリーダーである。
そんな彼の前には◯ンダムとパ◯レイバーを足して2で割ったようなロボットがあり、あと少しで完成というところまできていた。
ちなみにこのロボットは同じ会社の研究室からの提案であり、そこのリーダーである諏訪と意気投合して作り出してしまったものである。
(一応会社の方から金は出たが、社長の顔がヤバかった。マジでヤバかった。)
「親方〜破損した社員の装備の調整完了しました〜」
「わかった。社長に連絡とってくれ。こっちも見せる」
そう言って道隆はロボットを示す。
「わかりました〜」
作業が終わった先程の職人が部屋を走って出て行った。
「俺も諏訪を呼ばなくちゃな。」
そう言って道隆も部屋を出て行った。
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「よぉ、なんか面倒い事に巻き込まれてるらしいじゃん?」
「あぁ、というわけで言いたい事分かるな?」
「お前の事だ参戦しろってんだろ?」
「ダメか?」
「もちろん行くに決まってんだろ。そもそもお前サポート系能力だからさ、攻撃能力ほとんど無いだろ?」
彼の言う通り自分には攻撃能力がほぼ無く、彼がついて来るのはとても嬉しかった。
「やっぱり蒼葉がついて来るのはたのもしいな。」
ちなみに先程から話している彼こと蒼葉は俺の以前のパートナーであり[武器召喚]の能力者だ。
さらに、『称号持ち』でもある。
「てか、話し方変わらないな。」
「ま、変える気無いからな♪」
「そういえば、相変わらずRPG7ぶっぱなしてんのか?」
「いや、最近はサブマシンガンとか非致死性武器かな?」
「意外だな、お前派手なの好きだろ?」
「でもよ、仕事に使うとしたらこっちの方が良いんだよ。それにさ、RPG7だと使える回数決まってるしさ。」
(いや、最近どんな仕事やってんだよお前)
その後しばらく情報を交換し、お互いにどう連携をとるか決めた。
「ともかく明後日この部屋に来てくれればokだから」
「いや、それがさ 泊めてくれないかな?知り合いも興味持っちゃってさ」
「は?」
「まぁ、そいつがいろいろ聞きたいそうで...」
「一応聞くけど、うちの会社の...。ガンナーの奴か?」
「あぁ、いいか?」
「んで、そのこころは?」
「部屋がとれなかったんです...」
御愁傷様です。
「しょうがないな、お前ら床で寝ろよ?」
「あー...。うん、じゃあそいつ呼んでくるわ。」
「適当に寝袋敷いといたら俺はもう部屋こもって装備いじるからドアに鍵掛けといて。多分疲れてるだろお前ら。」
「おぉ、ありがとな」
そう言う蒼葉を尻目に俺はそのまま自室に入った。
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「ん...重い?」
朝起きると一番最初に気付いたのは重いのし掛かってくる感覚だった。
ゆっくり目を開け自分の腹の辺りを見ると少女がヨダレを垂らして寝ていた。
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