表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/36

基本技術

僕は苦悩した。

この状況でどうすれば良いか。

能力は通用しない。

このままでは殺される。

物干し竿程度で、浅田の攻撃を受け切れるとは到底思えない。

僕は死ぬしかないのか。

僕の能力よ、答えてくれ。

そう自分の能力に感情を込めた瞬間、浅田の動きがかすかにのろくなった。

飛び掛ってくる浅田の足を物干し竿でなぎ払う。

浅田は地面に倒れこんだ。

 「はぁ!はぁ!!」

僕は緊張で止まっていた息を吹き返す。

浅田は倒れた姿勢のまま、少し顔を起こしてこう言った。

「それが、破魔の基礎だ、能力に感情を込めろ、色をつけるんだ」

 少し落ち着いてから居間に上がって、浅田の説明を聞いた。

「破魔は、相手の能力の感情が冷めている場合にだけ、熱の色で相手の能力を打ち消す事ができるんだ」

「大抵の素人の場合は感情を込めていない、冷めているんだ」

僕が黙って聞いていると浅田は続けた。

「素人は能力に感情を込めるという事を知らないからみんな冷めている」

「だから打ち消す事は簡単なんだ」

「しかし、少し経験のある奴なら感情を込める事を知っているから、能力を打ち消す事はできない」

「まぁ、本当に素人相手の技なんだよ」

僕は浅田が話し終わった事を感じた。

「なるほど」

「わかったか」

浅田は嬉しそうな顔で笑った。

「僕にそれを教える為にあんな狂ったような感じになったんだ」

「狂ったって言うな、本気を出せば誰でもあんな風になるだろ」

「なんないよ」

「なるだろ」

閑古鳥が鳴いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ