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少女の素顔
「自らに宿った繊細な力を極めてみたいと、そんな事を考えてしまった」
スカートから少し出た少女の白い雪粉のような太股が、かすかに震えた。
少女は唇を引き締める。
「しかし、お前は、私よりもさらに未熟だ」
「先ほどの破魔の基礎すら、お前にはまだ無い」
僕は黙って聞いているしかなかった。
僕は、負けたのだ。
「もう、俗世には帰れないが、お前もここで一緒に暮らそう」
美しい少女が発する、その言葉を聞いて、僕の体から汗が噴出した。
抱いてしまった下心を言葉には出さずに、少女の可愛らしい顔を見つめる。
僕の耳は真っ赤になっていた。
「へ、変な事は考えるんじゃない」
少女は僕の気持ちに気が付いて、両手で自分の体を抱いた。
僕は恥ずかしくなってすぐに謝る。
「あ、ご、ごめん」
「あ、あ、風呂は、そこ、台所はそこ、便所はそこだ、わかったな!?」
少女はそういうと急いで立ち上がって、玄関の方へ走っていく。
「ちょっと夕飯の買出しに行ってくる!」
引き戸の転がる音を鳴らして、少女は出かけていった。