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深まる絆

何度も喉の辺りが痙攣して、その度に肩も軽く跳ねる。

「あ、さ、だ……い、生きて、た……」

「私はそう易々とは死なない」

浅田は辛そうにしながらも威厳のある声を出す。

情けなく泣く僕を見て、浅田は少し嬉しそうにしながら僕の側まで来た。

「また会えたな」

「……くっぅ……」

僕は浅田の懐かしい姿、懐かしい声に歯を噛み締めてしばらく泣き続ける。

浅田はそんな僕の傍らに立って、休息を取りながら僕の肩を優しく叩いてくれた。

僕の感情の波が落ち着いた事を確認すると浅田は歩き出して、僕もそれに従って二人で里への道を歩いて行った。

 浅田と一緒に家に帰ってきた。

また以前のような暮らしをする事ができる。

浅田と一緒に。

僕の心は安堵しきっている。

「もう会えないかと思ってた」

悲しみと再会の喜びの情が乗る僕の言葉。

「そ、そうか、お前は私の事がそんなに気に入っているのか?」

「当たり前だよ、浅田以上に良い人なんて見た事ないよ」

浅田は一度目を見開いて、その後畳へと視線を落とした。

「い、良い人……」

かすかに耳が赤くなっている。

「な、なぁ、お前」

「ん?」

「お前、わ、私の、その、良い、良い人に……だな、な、な」

浅田はとても言い辛そうに次の言葉も出した。

「その、ならないか……?」

浅田は顔を上げて、真っ赤になったその顔を僕の方へ向けた。

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