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決意の堅さ
あきらはその言葉を聞いて口をつぐむ。
「今度は、帰って来ないかもしれない」
あきらの眉間に皺が寄った。
「嫌だ」
僕は黙ってあきらを見つめる。
「何、熱くなってんの? 馬鹿みたい」
あきらは、精一杯の悪い態度をとって、僕に行かせまいとする。
僕はそんなあきらに真正面からぶつかる。浅田に教わった事。
「もう決めたんだ」
あきらは目を大きく見開いて、一度は乾いた瞳をまた潤ませて、そして涙を零す。
「……やっ、だ……やなんだよぉ……」
袖で流れる涙を拭き、何度も鼻を啜って嫌だと首を振る。
「ごめん」
「変わってないって言ったのに、ぜんぜん変わってるじゃん、嘘つき」
涙でしゃがれた声で僕を批判してくる。
「ごめん」
「謝るならやめてよぉ!!!」
表情を歪ませて、僕を引きとめようとする。
僕はその表情を見て、胸が張り裂けそうな想いがした。
しかし、僕の心は、もう決まっていた。
あきらを悲しませたくないという想い以上に、浅田の跡を継ぎたいという想いの方が強い。
僕は悲しむあきらをおいて、浅田の家に帰る事を決める。
刀を袋にしまい、あきらに背を向けて、重力を操って空を飛んだ。
自分の体に掛かる重力を消して空を飛ぶ。
俗世に帰って来てから、山の中で習得した技術の一つだ。
空を駆けて、浅田と過ごした隠れ里に帰る。
僕の居場所は、もう、浅田の家なのだ。




