タロット令嬢、今日の運勢を占う
※一部分に生成AIを使用しています! はたして、どこか。
今、私がいるのは王立学園の教室だ。
私は貴族子女の一員として学園に通う学生である。
そんな私は教室で頼まれて〝タロット占い〟を披露していた。
「出たカードは……」
私は3枚のタロットカードを机の上に順番に並べていく。
1枚目、皇帝の逆位置。
2枚目、女教皇の正位置。
3枚目、運命の輪の正位置。
「ええと、流れ的にざっくり言えば『男性への不満や、動かない状況にモヤモヤする時期は終わり、ここから一気にチャンスの波が巡ってくる!』という解釈でしょうか」
「まぁ!」
「え、それって」
「ええ……?」
私の占いの結果を、固唾を飲んで聞いている女子生徒たち。
「1枚目の皇帝の逆位置ですと、空回りする主導権、または頼りない相手」
「頼りない相手」
「2枚目は、高い知性、冷静さ、神秘的な直感などを表しています。1枚目が示すのが過去とすればこの2枚目は現在の状況。貴方は混沌とした状況から一歩引いて、とても冷静に事態を見つめ、観察しているのではないでしょうか」
「…………」
私は余分なことを一切考えず、意識を占いの結果へと集中させる。
余計なことを考えてしまうと、間違った解釈をしそうになるからだ。
「自分が本当に望むものは何かを内省する最適な時期が今なのでしょう。そういう時は、なんとなくこうなるのではないか、という直感に身を委ねてみるのもいいかもしれません」
「直感に……」
「最後の3枚目は、これから貴方に訪れるだろう未来を示します」
ゴクリ、と唾を飲む音が聞こえる。
対面の彼女だけでなく、周囲の生徒たちも緊張した様子だ。
「運命の輪の正位置、これはガラリと変わる流れ、チャンスの到来を示します。予期せぬチャンス、事態の好転、運命的な出会いや進展といったところでしょうか」
うんうん、いい感じの運命であると言えるだろう。
逆位置で、さらによくないことを示すカードがあくまで過去というのがいい。
「総じて言えば『頭であれこれ考えすぎず、巡ってきた波に飛び乗って!』といったところです」
「……そう」
占い結果が出ると、みんなが深く息を吐き出す。
一仕事終えた、なんて思ってしまう。けれど。
「助言などはもらえる?」
「助言ですか……」
「そう。その3枚のカードは、あくまで私の過去・現在・未来を示しているだけでしょう。でも、それだけでは、私は受け入れるだけみたい」
「わかりました」
私は裏面を示すカードの束の一番上に指を添える。
タロットカードは上下も結果に左右するので横向きにひっくり返した。
「4枚目のカードは……『死神』の逆位置」
表にされたカードの絵柄に、不吉な予感を覚えた生徒たちがざわめく。
確かに絵柄は不吉だが、これは逆位置だ。
「死神の逆位置は、『再生』『未練を断ち切る』『新しいスタート』や『仕切り直し』という意味になります。逆位置ですからね」
「あ……」
対面に座っていた占い対象も、それを聞いてホッとした様子だ。
「『もう過去に引きずられるのは終わりにしましょう』というメッセージと解釈します」
「過去に……そう、そうね」
これでタロット占いは終わりだ。
どうだっただろうか。私も意識を現実に引き戻して、対面の女性を見る。
私が占っていた相手は……マチルダ・グラスコット侯爵令嬢。
この国の高位貴族令嬢であり、そして……第三王子の婚約者だ。
なぜ、こんなことになってしまったのだろうか、と今さらながら考える。
私はこの王国に暮らす、ただのしがない子爵令嬢にすぎない。
ステラ・コリンズ、それが私の名前。
ただ占いが趣味で、友人たちにタロット占いを披露していただけだった。
戯れにすぎないものだ。
しかし、どうやら私の占いが当たったということが評判となり、なんと侯爵令嬢がわざわざ私に占ってもらいにやってきたという次第だ。
下手なことは言えないと思い、無心で占いに集中した。
でも、そろそろ限界かもしれない……!
私の身分で侯爵令嬢、それも王族の婚約者を相手にするのは荷が重いわ……!
「ふふ、ありがとう、コリンズさん」
「い、いえ。どういたしまして」
「貴方、占いに真摯なのね」
「え?」
「私の立場や、それに相手が誰かも考慮せず、ただ占いの結果を教えてくれた」
「あ……! そ、その、それは」
「ふふ、いいのよ、コリンズさん」
いいの?
しかし、よくよく占いの内容と、現実の状況を考えると。
これ、かなりまずいことを言ったのでは?
「もちろん、所詮は占いだもの。貴方にはなんの責任もない、戯れよ? だから気にしないでね、コリンズさん」
「ええと、はい……?」
責任。ということは、その。
「ふふ、今日は楽しかったわ。また占ってもらおうかしら? その時はよろしくね」
「は、はい……私でよければ……いつでも!」
マチルダ様が圧倒的な存在感を放ちながら立ち去るまで、私はもう恐縮しっぱなしだった。
それから数日後のこと。
「えっ! グラスコット侯爵令嬢が……殿下と婚約解消!?」
学園では、そんな噂が駆け巡っている。
第三王子殿下は、学園で出会った女子生徒の一人と親密になっていたそうだ。
かといって、それだけではまだ殿下の有責とはならなかったそうだが……。
マチルダ様は、晴れやかな笑顔で婚約解消していたらしい。
「まぁ、高位貴族や王家のすることになんて私たちは口出しできないわよね」
きっと私のせいではあるまい。そうに違いないのだ。
まさか占いの結果でそんな大それたことが決まるはずがないのよ、ええ。
「ステラ! 貴方、何をしてくれているの!?」
「きゃあ!?」
教室の扉がガラリと開いたかと思うと、私の友人の一人が大声を上げる。
「え、エイミー? 何? どうしたの?」
「どうしたじゃないわ!」
ズカズカと大股ではしたなく詰め寄ってくる女子生徒。
エイミー・フォーチュン男爵令嬢。
ピンクブロンドの髪が特徴的な、とても可愛らしい子で、学園始まってからの私の友人だ。
「あ、貴方! 占ったでしょう!?」
「はい?」
そんなエイミーになぜか私が詰められている。
「マチルダ様のこと占ったわよね!?」
「え。ええ、占ったけれど……?」
「だめに決まっているでしょー!?」
な、何がだめなんだろう?
「いい? ステラ? 貴方の占いは当たるの。もう、ほぼ100%で!」
「エイミーったら、そんなはずないでしょう? たかが占いよ? もちろん、気分を変えることはあるかもしれないけれど、そんな予知じゃあるまいし」
「違うのよ、貴方の占いは、この学園生活、しかも恋愛占いに関しては、ほぼ確なのー!」
おかしなことを言うエイミーだ。
そんな占いがあるわけあるまい。
「今後、私以外を占うこと禁止―!」
「何を言っているんだか……」
「ちょっとエイミーさん、ずるいわよ!」
そのあと、騒ぐエイミーと占い好きの女子生徒たちで、わいわいと騒ぎ続ける。
そんな騒ぎが起きて、しかもエイミーが口走ったこととマチルダ様の件があるものだから、そのあと私の占いは、さらに評判になり、多くの生徒たちを占う羽目になった。
「ステラは私の友人だから!」
エイミーは、そのあと私の占いをなぜか独占しようとした。
でも、それが叶わないとわかると、不思議なことに私の占いのマネージャー化し、管理しようとあがいている。
「これ、ちゃんとしないと何が起こるかわからない奴だわ……!」
「もう、エイミーったら。占いなんて、所詮はその時の気持ちなのよ」
「それで済まないから困っているんでしょうに! もう、絶対に私が管理しておくわ!」
この子、本当に面白い子よねぇ? なんでそうなるのかしら?
それから、マチルダ様にフラれることになった第三王子が私に絡んできたり、それを間近で見たエイミーがなぜか殿下に幻滅したり。
時折、エイミーが思いつく突拍子もない商品の話を聞いては、それが実現可能かを話し合う。
私なりに楽しい学園生活を送っている。
私の恋占いで新たな騒ぎが起きることになるのは、また別の話。
まず、アナログでタロットカードをシャッフル (人力)します。
そして、出た結果の4枚のカードの【解釈】を生成AI (Gemini)に投げました。
占い結果は作者の意図したものではなく、タロットの結果とAIの結果です。
これで作者からもキャラの意思からも外れた運命ができあがり!
なんか、タロットの結果がまとまり良かったので形にしてみました!
次のネタもタロット任せにしてみるか……!




