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3 憲法と皇室典範

◎憲法と皇室典範


 現行憲法と皇室典範は整合しない部分がある。これは、天皇制を存続させるために憲法に条文を組み込んだためである。逆に天皇の側から見れば、天皇制を存続させなくても天皇家は維持できる可能性はあった。しかし直宮4家に加えて伏見系11家を存続させるだけの経済力はなく、直宮4家でも危うかったと判断した可能性がある。GHQ側も天皇制を廃して混乱させるより、天皇制を存続させて日本国内の求心力を維持した方が得策だと考えたとされる。結果として「憲法による一般国民」と「皇室典範による皇族」の一国二制度が成立した。また天皇は、GHQのガイアツを利用して、伏見系を皇族から排除することができた。この時点でGHQ側は天皇制の緩やかな廃止を企図して皇室典範をがんじがらめにしたのだろうし、天皇側は伏見系の介入を防ぎながら直宮4家で天皇家を維持できると考えたと推察する。

 なぜなら天皇、天皇家にとって、天皇制は目的ではなく手段であった。日本の天皇は他の国の王族と違い、長らく統治せず、君臨というより権威を与える存在であった。天皇親政は醍醐天皇・村上天皇の延喜・天暦の治(10世紀)や後醍醐天皇の建武の新政(1333年〜)などの例があるが、征夷大将軍という権威を与えて実務を任せ、(たとえ名ばかりの時期があったとしても)家を存続させた。家を存続させることで歴代天皇や神々に祭祀を行い、家を存続させるために国の安寧と国民の幸福、世界平和を願ってきた。宗教指導者としての役割が強い。


 ここで皇位継承者がいなくなれば、憲法はどうなるか。私の個人的な考えであるが、もし皇位継承者がいなくなる事態になったなら、その時は憲法を変えるべきと考える。憲法は、天皇の選定を皇室典範に委ねている。皇室典範が変わらないで皇位継承者がいなくなるならばそれまでだし、いわゆる「旧皇族」を皇位継承者に当てる必要はないと考える。自分の子に女はいるけど男がいないから50親等離れた他人に家の一切を相続させます、なんて、私は受け入れられないし、受け入れられない人はたくさんいるのではないか。

次話 「たくさんのご公務は必要か」

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