1 皇室典範と皇位継承権保持者
「高市総理が愛子さまをお見合いさせようとしている」という雑誌記事が流れたのは10月下旬だったか。余計なお世話である。
◎皇室典範と皇位継承権保持者
現在、日本の皇位継承権保持者は男性3名。また女性は皇族以外と結婚すると皇族でなくなるため、誰かが結婚すると皇族が減少する。これらはすべて皇室典範で規定されている。
このような状況において従前より、「①皇位継承権を女性にも認めるべきか」「②皇族数を維持するために女性皇族が結婚後も皇族として残すべきか」の議論があったが、それぞれ皇室典範の変更には繋がっていない。特に②においては、16年間棚ざらしのまま女性皇族は減り、また出産適齢期を逃していった。未婚の女性皇族5名のうち出産適齢期を逃していないのは敬宮愛子内親王と(秋篠宮)佳子内親王の2名だけである。
現行の皇室典範は、皇統存続をわざと困難にしている、と言わざるを得ない仕組みである。「皇位継承権を男性に限る」ことにより、男性が生まれなければ家が絶える。皇族は「男児ガチャ」を回し続けなければならないが、その結果が皇位継承権保持者3名、これから男児ガチャを回せるのは(秋篠宮)悠仁親王ただ1名である(30年ほど回し続けられる可能性はある)。また近年の皇族においては結婚しても子供ができなかった(または作らなかった)、また結婚もしなかった皇族が存在するが、特に後者においては時の天皇からのアプローチがあったかどうかは公開されていない。
「養子を禁止している」も天皇家の存続確率を下げている、と言えるかもしれない。この条項は皇統の乗っ取りを防ぐためと考えられるが、いわゆる旧皇族に皇位継承権を与える手段として皇室典範の変更が論議された。しかし「皇位継承権を男性に限らなければ、この議論は現状で不要」である。いわゆる「旧皇族」は「男子に限れば」600年も前に現皇統と別れた系統であり、本来ならとうの昔に皇族を離れていた系統が当時の天皇により「世襲親王家」とされて皇族に留まっていたが、「男系に限れば」ざっと50親等離れている。皇別摂家(近衛家、一条家、鷹司家およびその男系子孫)の方が男系の親等は近い(ただし鷹司家の系統でも113代東山天皇の孫の鷹司輔平が養子に入った1743年からであり、今上天皇の9代前の閑院宮直仁親王が共通祖先)。当時、上流階級の高い幼児死亡率、死産率、生き延びても余剰男子は僧籍に出してしまう。皇統はあまりにも維持を考えなさすぎた。
次話 「皇室典範の変更は誰が発議できるのか」




