こんな学校嫌だ 宿題の宿題
昼下がり。午後の授業が終わり、校庭に差す柔らかな光が教室の窓から差し込んでいた。
教室には、教科書もノートも一旦雑に机の上に置かれ、みんなが放課後の「やれやれ」を感じていた。黒板には、赤チョークで「今日の授業はこれにて終了!」と先生が書き込み、「さあ、帰り支度していいよ」という空気が漂っていた。
「やった……今日の宿題は少なめだったし、明日は少し楽できるかもな」
安堵の表情を浮かべ、机にかけられたカバンを手にしようとしたその時、教室の後ろがザワリとざわついた。
先生が異様に落ち着いた口調で言った。
「安心しないで。今日で終わり、ではないよ。」
生徒たちの動きが止まる。全員硬直する。
先生は黒板の前に戻り、何かを考えていた。
「昨日の宿題、ちょっと雑だったよ。だから今日は、昨日の宿題の宿題をやり直してもらいます。」
その言葉に、教室中が凍りついた。
「宿題の……宿題?」女子が、信じられなさそうな顔をして言った。
先生は静かにうなずいた。
「そう。昨日の宿題、雑すぎたよ。だから、今日はそれを直して、もう一度提出してもらおってね。」
一瞬、教室がざわめいた。
「それって…また宿題が出るってこと?」と、ざわつきは瞬く間に混乱に変わった。
俺は慌ててカバンを下ろし直し、ノートとペンを引き寄せた。
先生は落ち着いた声で言った。
「宿題は宿題を呼ぶ。そして君たちが終わらせたと思った宿題が、新しい宿題を生む。今日の“宿題の宿題”が終わったら、また新しい宿題が君たちを待ってるんだ」
その言葉は、妙に切実だった。
〜次の日〜
— 再提出 —
黒板に掲示された新たな課題は、昨日の宿題とほとんど同じ内容だった。
「昨日は文字数ギリギリだったから、今日はもうちょっと詳しく書き直しなさい。」
という注意書き。
男子生徒がつぶやいた。
「昨日、夜遅くまでやったのに…」
そのつぶやきに、別の男子生徒が苦笑混じりに応えた。
「これじゃ、昨日の努力が無かったことになる。もう一度やり直すって…」
だが、先生にはその苦情を受け入れる気はなかった。
俺はペンを握り直し、改めてノートを取り出した。彼の中には、諦めと憤りと少しのやるせなさが混じっていた。
放課後。誰もいなくなった教室。カーテン越しに夕焼けが差し込んで、長い影が机と椅子のシルエットを黒く浮かび上がらせていた。
ハルは、教室の片隅でひとりノートに向かっていた。
「また…やり直し。これで終わりって言ったじゃん……」
そんな言葉を、誰にも聞かせず。ただ、紙にペンを走らせる。静かな教室に、ペン先の「カリッ」という音だけが響いていた。
ふと窓の外を見ると、青空は少しずつ暗くなり、夕焼けのオレンジ色が広がっていた。空を見上げると、それまで感じたことのない圧迫感が胸に広がった。
「この宿題、いつ終わるんだろう……」
ハルの頭の中に、そんな疑問が浮かんだ。
「宿題が宿題を呼ぶ」という言葉が、急に現実のもののように見えた。
しばらくして宿題を終わらせた俺は帰っていった。もう夜で、まだ学校にいる生徒は俺だけだった。
教室を後にして、薄暗く静かな廊下を歩く。
今日だけで、教室には何時間いたんだろう。家に帰れば、また夕飯、そして明日も学校――。
「それでも…やらなきゃいけないのか」
帰り道、空に輝く一つの星を見つけた。
「あの星みたいに簡単に消えてしまえばいいのにな」
教室では、明日も「宿題の宿題」が待っている…かも。
ないことを期待して明日のことを考えた
〜さらに次の日〜
先生はリストラされたらしい。
生徒の1人が親に心配されて、親は学校の他の先生に伝えたらしい。
その生徒の親、ナイス!
全員がそう思っていた。
最近、宿題がすごく多かったから今月は宿題が無しになった。
もうあんな先生嫌だと思った。




