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最終話

おはようございます。最終話をお届け致します。ついに敵が攻めてくる!その時アジトは……。お楽しみに!


 「悪のアジトの片隅で」

         (最終話)


          堀川士朗



港区麻布十番からグレートジャスティスカーで喜多区寂尊に降り立った五人の正義の戦士たち。

目の前には悪の組織、ギラギラゾルゲーのアジトがあった。


「これは戦争だ」

「これは戦争だ」

「これが戦争だ」

「俺たちは奪い尽くす。焼き尽くす」

「殺し尽くす」


ギラギラゾルゲーのアジトを傍若無人戦隊ヤリタイヨーニヤルンジャーが襲撃した……!


次々と悪のトラップを掻い潜り、奥へ奥へと進む五人の正義の戦士たち。

その部屋にはイカゾルゲーと王女ジャイマンデルがいた。


「危ないっ!逃げてジャイマンデル様っ!」


イカゾルゲーは王女ジャイマンデルをかばって前に出て、火炎放射器で丸焼きにされた。


「見ろよ、イカの丸焼きだぜ。ハハハ。何人前だ?これ」


笑うヤルンジャーブルー。

泣き叫ぶ王女ジャイマンデルは首をはね飛ばされ、ヤルンジャーブラックと記念撮影。


「やれやれ。ブラックは好きだなーそういう趣味」


リーダーのヤルンジャーレッドが言った。


本会議室にいるデクスター卿とシャイナル将軍はヤルンジャーグリーンのマシンガンで蜂の巣にされて死んだ。

応戦する怪人たちも次々と撃たれていく。

オオカミゾルゲーは腹に三発食らいながらもヤルンジャーレッドに立ち向かったが、ヤルンジャーイエローに後ろから頭をショットガンで撃たれて死んだ。


カメムシゾルゲーとカラスゾルゲーはレッドのヤルンジャーソードでからだを真っ二つにされて内臓を撒き散らして絶命した。

二人のからだの断面からはドクドクと、どす黒い血が絶え間なく流れ出た。


「貴様らーっ!よくもーっ!この奥には絶対に通すものかーっ!」

「お、まだいたか醜いのが」


ゴキゾルゲーは五人に向かっていったが、ヤルンジャーブルーの火炎放射器で生きながら焼かれた。

悶え苦しむゴキゾルゲー。


「とどめだ!」


ヤルンジャーイエローが炎に包まれたゴキゾルゲーにショットガンを五発見舞った。

ゴキゾルゲーはからだ中を撃たれてその肉片は四方八方へと飛び散った。


「イエロー、きったねーなー。後々の事考えろよ」

「ごめんごめーん。わりぃ」


後に残された邪神ハチマン様とザコシュ博士には、ありとあらゆる銃器が用いられ互いにかばい合う二人のからだを数百発の弾丸が貫通していった。

肉は削げ飛び、骨があらわになったまま、先に亡くなったザコシュ博士のからだを抱いて邪神ハチマン様は最期の声を振り絞った。


「おのれ……正義の味方、ヤリタイヨーニヤルンジャーとやら。ぐふっ!貴様らには決して屈せぬわ……ぐええっ……いつの日かお前らの前に立ち上がる者がいるはず……それまで首を洗って待っておれ!ぬは。ぬははははははっ!」


ガクンと崩れるハチマン様の最期の姿はとても偉大だった。



最後に、奥の尋問室にたどり着いた五人の正義の戦士。

そこには拘束された音羽の姿があった。

拘束を解く。


「ねえ早く助けて!この汚くてくっさいところからあたしを救出してよ!何やってんのあんたら!馬鹿か!」

「口が悪いな」

「これは……精神が錯乱しているのか?」

「え?」

「ギラギラゾルゲーの悪の手によって精神汚染されている可能性がある。もう怪人にも改造されているかもしれない。派手な格好してるし。よし、処分するか」

「え?されてない!、あたし改造されてないよーっ!」

「どうする?」

「歌うからぁーっ!ただで歌ってあげるからぁーっ!」

「殺そう」


音羽は眉間を銃で撃ち抜かれドサッと豚のように前のめりに倒れて死んだ。


五人の正義の戦士、傍若無人戦隊ヤリタイヨーニヤルンジャーは、このアジトでの一連の惨殺を一部始終スマホで撮影していた。


「撮れ高バッチリだよリーダー」

「またSNSでバズるぜ。やったね」


ヤリタイヨーニヤルンジャーのリーダー、ヤルンジャーレッドがポーズを決めて誇らしげに言い放つ。


「悪は滅ぼした。悪の最後だ。喜多区寂尊の田舎は静かな街になった。俺たちがやってあげた。全て俺たちのおかげだ。さあ、帰ろう。ゴージャスでハイ・ソサエティな港区麻布十番へ」



悪のアジトの片隅で。

……。

独りだけ。

独りだけ、食糧庫の段ボール箱の中で膝を抱えて小さく震えながら隠れて難を逃れたアリゾルゲー。

ヤリタイヨーニヤルンジャーが去って行ったアジトの跡を見て、その惨状を目の当たりにする。


「うわぁ……。みんな……みんな死んだ。みんな……みんな……うわーっ!」



●●●●●●●●●●●●●●●



一ヶ月後……。

寂尊銀座商店街のコンビニでバイトをしているアリゾルゲーの姿があった。

バイトを終えて、アジトに戻った彼は作戦室にある、みんなを祀っている仏壇に手を合わせる。


「みんな。あの時僕は何も出来なくてごめんね。ただただ怖かったんだ……。でも僕は誓うよ。敵の傍若無人戦隊ヤリタイヨーニヤルンジャーは僕が全員倒す!復讐してやるんだ!新しい仲間も集める!みんなを虫けらのように殺していった奴らの事は、一人として断じて許してはおけない。全員倒してやる!僕は……僕はやるよ!みんな、待っててね!かたきは僕が討つからね!」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



「……あれ?」


白くて、ふわふわとした世界。

輪郭が、あまりない曖昧な空間にカラスゾルゲーは立っていた。

しばらくして、向こうの方からゴキゾルゲーがやってきた。


「やっぱり。ここにたどり着くまで時間の個人差があるみたいだな」

「ゴキゾルゲー。俺、死んだはずなのに」

「ああ、カラスゾルゲー。ここはあの世だよ。天国か地獄か、どっちかは分からないけど。多分良い方。で、探し回ったんだけど、アリゾルゲーの姿だけはないんだ。あいつは助かったんじゃないかな、あいつだけは」

「そうか……本当に、本当に良かった!」

「向こうの街に、俺たち以外の怪人たちや幹部連中が待ってる。行こう」

「そうか」

「これからてっちゃんみたいな店を探そうと思ってるんだぜ。またみんなで飲もう!」

「そうだな。あ、今度は、オオカミゾルゲーさんも誘おう!」

「良いねー!カラスゾルゲー何歌ってるのー?」

「ブギー!サファリパークスッ!」

「ははは( ´∀`)」


二人はニコニコ笑った。

あの世はとても晴れ渡っていた。



          おしまい



   (2023年2月~3月執筆)



最後までご覧頂き本当にありがとうございました。またお休みを頂いて、新作を公開致しますので宜しくお願い致します!

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