PSYCHO-PASS サイコパス
八品目は《PSYCHO-PASS サイコパス》になります。
※ グロいのが苦手な方や、精神が不調な時は見ない事をお勧めします。(身体や内臓が飛び散ります)
公安局に就職した新米の監視官、常守 朱。
そして、監視官の部下になるのは猟犬と言われる、執行官(潜在犯)。潜在犯とは、サイコパス診断により、一定異常の数値と判断され、精神異常者として診断された者を指します。
潜在犯の中には、潜在犯を捕まえる能力に長けた者がいます。それが猟犬と呼ばれる、執行官になります。
『ドミネーターの扱いは分かるな?こいつは狙った相手のサイコパスを読み取る銃だ。相手が潜在犯だった場合のみ、セーフティーが解除される。
全部ドミネーターの言いなりなって、撃てと言われた相手を撃てばいい。基本モードならパラライザーだ。打たれても動けなくなるだけだから、それで身柄確保して一件落着』
『俺達(猟犬)が獲物(潜在犯)を狩り、アンタ(監視官)がそれを見届ける。それだけだ。
俺達には俺達の流儀がある。だが、その責任を負うのは監視官であるアンタだ。
だから俺のやり口が気に要らない時は、そいつ(ドミネーター)で俺を撃て。俺たちも対象と同じ潜在犯だ。ドミネーターは作動する』
『あぁ紹介が遅れたな。あの唐変木は狡噛慎也。でもって俺は、征陸智己。宜しく頼むよ、お嬢さん』
初めての事件で被害者が潜在犯になってしまうイレギュラーが起こり、潜在犯を守ろうする常守。猟犬として、執行官として潜在犯を裁こうとする狡噛。
被害者を守る。という思いから、部下である狡噛を撃つ。狡噛はパラライザーモードで動けなくなり、治療室へと運ばれてしまう騒ぎに。そんな狡噛に謝罪に来た常森。
『もう長い事、執行官をやっている。迷う事なく、疑う事なく。命じたままに動く猟犬の習性が俺の手に染み着いちまってる。あの銃の言いなりになって、何人もの潜在犯を撃ってきた。
それがこの社会の為になると、小綺麗な理屈を鵜呑みにして、いつの間にか、考える事さえ無くなった。自分がやっている事がなんなのか、省みる事すら忘れていた。
馬鹿な話だ。刑事ってのは誰かを看取る仕事じゃなくて、誰かを守る仕事だったはずなのにな……
アンタは何が正しいのかを自分で判断した。役目より正義を優先できた。そうゆう上司の下なら、俺はただの犬では無く、刑事として働るかもしれない』
もっとゆっくり考える時間があれば、撃ったりなんかしませんでしたよね?と、狡噛に問う。しかし……
『どうだかな?あの時、俺は迷わなかった。迷えば死ぬと思っていた。こんな所で終わりたくない。絶対に、死ぬわけにはいかない!それだけで頭が一杯だった。俺にはやり残した事がある。どうあっても始末を付けなきゃならない役目が』
新米監視官は事件が解決する度に狡噛慎也の闇に触れ、過去に触れて、役目を知る事になります。
狡噛慎也の役目、それは償い(つぐな)。かつて狡噛が監視官だった時の部下が、生きたまま解体された事件、その事件の黒幕の逮捕。
あらゆる犯罪者を指揮する様に生み出す黒幕。その名は槙島 聖護。彼こそ、常守監視官が遭遇して来た事件の黒幕だった事が判明していきます。
狡噛と常守。二人が力を合わせて槙島を逮捕するも、護送時に逃亡されてしまいます。
その槙島はドミネーターで裁く事の出来ないイレギュラー。
『ドミネーターが槙島を無視した件は、影も形もなかったよ。あの文面じゃ、削らされたって所が実際のところだろうな。シビラでは裁けない事実そのものを上層部は潰しにかかってる』
『それは……仕方ないと思います』
『悔しくないのか?』
『悔しいです。でも、この間の暴動で改めて思い知りました。正義の執行も、秩序の維持も、私はどっちも大切だと思います』
『なら、法の外側にいる人間に、何をどうすればおさまりが付くと思う?』
『今回ばかりは特例措置で、もう一度昔の制度に立ち戻るしかないでしょう。起訴して法廷を開いて、弁護もさせて。その上で量刑をするしかないのでは?』
『気の遠くなる話だな。お膳立てにどれだけ時間がかかる事やら』
『でも、他に方法なんて』
『あっただろ?もっと手っ取り早く、誰の迷惑にもならない方法が。あの時、槙島を殺しておけばよかった。アンタが手を下すのでは無く、俺が最後のトドメを刺せば。
監視官のアンタに人殺しはさせられない。が、執行官の俺には失う物なんて何もない。そう言うチームワークなんだ。俺だって、猟犬の面目躍如さ』
『それは法の執行ではありません。ただ、殺人犯が二人になるだけです。狡噛さん、いつだったか、言ってましたよね?犬では無く、刑事とし働きたい、って
ねぇ、狡噛さん。これからもずっと、刑事で居てくれますか?そう、私に約束してくれますか?』
『ああ』
そして、再び槙島を捉え、保護するととれる命令が監視官に告げられ。
さらに、槙島の身の安全を最優先する為、狡噛が槙島逮捕の件から外される事になります。
『何故そこまで奴に(槙島)に拘る?お前(狡噛)が許せないのは悪か?それとも、槙島自身か?』
『どっちも違うよ、とっさぁん。今ここで諦めても、いずれ俺は槙島聖護を見逃した自分を許せなくなる。そんなのは真っ平だ』
『お前らしい答えだな、コウ。
お嬢ちゃんには黙ったまま行くのか?』
『今更、合わせる顔がない』
『せめて、気持ちの整理だけは付けさせてやれよ?』
『そうだなぁ』
狡噛は槙島を殺す為に執行官を辞め、逃亡します。そんな狡噛が監視官の常守に宛てた手紙に、こう記されています。
『済まない。俺は約束を守れなかった。誰かを守る役目を果たしたい。そう思って俺は刑事になった。
だが槙島の存在が全てを変えた。あの男はこれからも、人を殺め続けるだろう。なのに法律では奴は裁けない。俺は刑事でいる限り、あの男に手出しが出来ない。
今度の一件で思い知った。法律で人は守れない。なら、法の外に出るしかない。
常守 朱、アンタの生き方は間違いなく正しい。俺に裏切られたからって、そこは見失ってはいけない。俺はあくまで、身勝手に自分の意地を通す為だけに、アンタと違う道を選んだ。これが過ちだと、理解はしている。だが俺は、きっと間違った道を進む事でしか、今までの自分と折り合いがつけられない。
許してくれ。とは言わない。次に会う時はおそらく、アンタは裁く立場にいるだろう。その時は容赦なく努めを果たせ。信念に背をむけてはいけない。ほんの一時だったが、アンタの元で働けて、幸いだった。礼を言う』
狡噛は槙島を殺す、という執念から孤独の道を選び。常守は狡噛を本当の殺人犯にさせたくない、槙島は法で裁くべき。という信念のもと、最終決戦に挑みます。
三つ巴の最終決戦!執念と信念の激突!自分の意地を貫き通すのは、誰なのでしょうか?




