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テーマ詩集:レストラン

ピザ

作者: 歌川 詩季

 いろんなタイプのが、好きです。

 かりっとはしていても ()が薄くて軽い

 そんな連中を揶揄(やゆ)するわけでもないが

 肉厚で おのれのふちをとり囲むように

 へりを持つ一枚でありたい


 ルビーのような果肉から うまれ()でた赤と

 とけて 尾を引く 雪崩(なだれ)のような白の

 塗りつぶしあいの舞台になろうとも

 そのうえで踊る(もの)たちごと支えきる

 (いしずえ)でありたい


 いびつに(ゆが)むことなく

 かどを立てることもなく

 四方 八方に かたよりないひろがりをもって

 きれいに円を(えが)きたい


 (はら)む熱をさましても なお

 かみしめれば にじみ出るような

 味わいを(たた)えていたい


 おのれの身を(いく)つにも ()いたとしても

 手をのばすひとに わけへだてなく与えてやりたい


 そして 耳たぶのほんのかけら

 ひとつのこさず ()せたあとも

 口にしたひとの笑顔をつくるくちびるに

 このおもかげと余韻をのこしたい



 もし ゆるされるのなら 願わくば


 もし 叶うのならば おそれながら


 そういうピザに私はなりたい

 生地は厚すぎないほうが好きですが。

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― 新着の感想 ―
[一言] 薄くてパリってなるのも美味しいですけど、肉厚のパンみたいなのも好きです。 耳のところにチーズがあるともっと良いなぁって思います! 読ませていただきありがとうございます!
[良い点] パロディ良いですね。 美味しそうな詩でした。
[良い点] どこか、宮沢賢治も感じる詩で、なかなかに好きです☆
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