<顧問視点> 私立桜町第一高校その7
どうも、7番レフト、お茶です。
何か色々すみません
反省はしている。だが、後悔もしている。
つまりはそういうこと
教員用にと作られた喫煙室で煙草をふかしている男がいた。
……まあ、俺なのだが。
双眼鏡を片手に、向かいの棟にある生徒会室を覗く。
奇人問題児生徒会長「釘宮蓮」がドアを蹴り壊すところからはじめ、無敵超人(社会的な意味で)の「真崎蒼空」。眼鏡をかけていればツッコミとしては完璧の「鈴木太郎」。ヴァイオレンス・ゴスロリ「楠木都古」、そしてTHE☆天然の名を欲しいがままにする「椿涼太」
生徒会メンバーが一通り揃ったのを確認すると、半分ほど燃えた煙草を灰皿に押し付けて喫煙室を出る。
エレベータで一階まで降り、渡り廊下を歩く。向かいだった棟まで歩くと、またエレベータに乗り五階まで上る。
ペタペタと薄っぺらいスリッパの音を響かせながら一人歩く廊下は、なんとも言えない。
生徒会室に近づくにつれ人通りが少なくなっていくのは、ドアを蹴破る音に何かを悟ったのか、単純に超個性的な生徒会役員に関わりたくないのか。おそらくどちらもだろう
俺だって、あいつ絡みでなければ生徒会顧問教師なんざやってなかっただろうしな。
さて、ようやくついたみたいだ。
随分と風通りがよくなった生徒会室に足を踏み入れる。
「や、やあ、二宮先生。ご機嫌麗しゅう、本日はお日柄もよく……」
「会長、固いです。バレますよ?」
「な、何を言っているのかな?真崎副会長。一生徒として目上の人物である教師に敬意を払うのは当然の事さっ」
あからさまに可笑しい態度。なんだこいつら、わざとか?それとも天然なのか?
最初から見ていた人間としては、いたずらが見つかった子供がなんとか誤魔化そうと必死になっているようで微笑ましい……ような気がしないでもない。
「このドアは?」
「ああ、それは両手が書類でふさがっていて開けられなかったから蹴破ったんだよ(キリッ」
擬態語はセルフサービス(笑)
予想外の返答に視線をドアだったものに固定したまま固まる。
さっきまでうろたえてたのはドアの事じゃなかったのか?
その時ちらりと視界の端に見えたのは、書類の山。そういえば……
そういえば、釘宮がおこした事の中に直接俺が関わった問題があったな
「……スタント部」
「ぎくっ」
「部費の横流し」
「ぎくぎくっ!」
「火薬」
「ぎくぎくぎくぅっ!!」
そこまで言うと釘宮は力尽きたかのように項垂れる。ちょっとした優越感。
あの時は俺の給料がかかっていたから会計係の椿を説教した。あくまでも表向きは、だが。
スタント部……いいじゃないか、スタント部。何がいいって名前の響きが。ほんの少し点を加えればスタンド、スタンド使いになる事は男の夢だ。
閑話休題。
再び生徒会室を見渡す。
項垂れる釘宮とそれをなぐさめる真崎。我関せずな楠木。呆れたと言わんばかりのため息をつき、窓の外を見る椿。そして、何か言いたそうにこちらを見つめる鈴木……と?
「あー……、どうも」
たまたま目が合い、軽く会釈する久留宮。
渡された書類には久留宮の名前なんて載ってなかった気がするが……
「なんか、現生徒会長に勧誘されました」
あ、そーゆーこと
「いやなんでそこで会得いったみたいな顔すんだよ。そもそも何でそんなに冷静なんだ!?ドアが木っ端微塵になってる(過大表現)んだぞ!?火薬取引(だいたい合ってる)してるんだぞ!?おいこらなぜそこで哀れみの視線を向ける。飴ちゃん?いらねえよ!いやかっぱ巻きもいらねえから。つか何でかっぱ巻き?なにそれ遠まわしな嫌がらせかよ。ってどこから出したんだそれ!?あんたさっき手ぶらだったよな?俺の見間違い?んなわけあるかぁ!!」
ぜーはーぜーはー
溜まってた何かが爆発したようにノンストップノンブレスでツッコム鈴木。もとい新八二号。君のそのツッコミを称えて丸眼鏡を贈りたいものである。
ぜーはーぜ、げほっ
一息もつかずツッコんで軽く酸欠気味になる新八二号を楠木が指して笑っているのは、ある種のお約束か。
まあ、そんなこんなで俺と生徒会役員+αの邂逅は幕を閉じたのだった。
「勝手に終わるなぁっ!」
終わるったら終わる
尻切れトンボ……というか終わり方が無理やりすぎるorz
都古ちゃんと涼太喋ってないし……いや、すみません
あと太郎のツッコミに面白さの欠片もないのは自分の力不足ですね。いやもう土下座しますわ。
とりあえず、これで1章完?ということで
お粗末さまでした<(_ _)>