第30話
レルヒェから軽く背中を押されたヨーゼルは「ありがとう」と呟いて、レルヒェとレイドの元へ歩いていく。旅立つ前にヨーゼルはこの二人としっかりと話をしておきたかった。
「2人とも、パーティーを楽しめていますか?」
レイドとアリスの緊張が解けるように、ヨーゼルは優しく話しかけた。
「えっと、うん。たのしいよ」
「それはよかった。アルバートたちが用意した料理や飲み物は孤児院では珍しいものばかりですから口に合わないかもしれない、と思っていました」
「だいじょうぶ、おいしいよ」
「…アリス、今日は人が多いですけど大丈夫ですか?」
「……」
ヨーゼルの問いにアリスは首を小さく縦に振るだけだ。どうやら2人とも緊張しているらしい。原因はなんとなく分かっている。ここ最近、自分は人を心配させるほど思い詰めていた。
どうしたものかとヨーゼルが考えていると、アリスが一歩前に進んだ。
「……あのね、ヨーゼル。私、最近のヨーゼルが怖かったよ」
予想がついていたヨーゼルは静かに頷く。
「私が知ってる……暖かくて大好きなヨーゼルじゃなくて。冬場の水みたいな冷たさがあって……それが、私はとても悲しかったの。ヨーゼルがどこかに行ってしまう気がした」
アリスは自分の感じたことを言葉にしていく。
「ごめんね、ヨーゼル。私、ヨーゼルのこともっと強い人だと思ってた。何でもできる人だと思ってた……無理、して頑張っていつも私たちをまもっ、って……くれて。あり、が、とう」
後半になるにつれて嗚咽が漏れだすアリスをヨーゼルは優しく抱きしめた。それで涙が止まることはなかったが、アリスは強い安心感を覚える。
「……よーぜる、だいすきだよ。こんど、は。わた、しが、たすけっ……たすけるから、ね」
「アリス、ありがとうございます。俺もあなたが大好きです。いつか俺を助けてください」
うん、と力強く頷いたアリスの頭を撫でたあと、ヨーゼルは体を離して「そうですね」とつぶやいた。
「優しいあなたに何か贈り物がしたいですね。何か欲しいものはありますか?」
「ない。ヨーゼルからいろんなものもらった」
「分かりました。俺はこれから色んなところを巡るのですけど、あなたが好きそうなものがあれば元気の便りもかねて旅先から送りますよ」
ヨーゼルからの提案にアリスは首を横に振る。
「プレゼントは手渡しがいい」
その返答にヨーゼルは虚をつかれたような顔をする。そして1度大きく頷いて優しく笑った。
「分かりました、お土産を持って帰ってきます。珍しい本がいいですかね?」
「うん!」
アリスは満面の笑みを浮かべて両手を広げる。何をして欲しいのか理解したヨーゼルは、アリスにハグをして頭をなでてやった。もう十分、とアリスがヨーゼルの肩を叩いたので体を離す。
ささっとアリスは一歩引く。
もう私は大丈夫、といわんばかりにレイドに順番を譲ったのだ。
ヨーゼルはレイドに向き直った。
レイドはちらりとアリスの方を見たあとに居住まいを正す。1度深呼吸をしてレイドはゆっくりと口を開いた。
「ぼくは、ヨーゼルにはなしをきいてもらいにきた。ぼくのお父さんのはなし。さいごにあった時のはなし」
「……初めて聞きますね。あなたから家族の話を聞くのは」
孤児院にいる子たちはみんな訳ありだ。それは、アリスやレイドも例外ではない。
『あの子は、寝ることを怖がっておる』
レイドが孤児院に来た頃、ゴードンから困ったようにそう聞かされた。別にゴードンはヨーゼルに何とかしてくれと頼んだわけではない。
ただ、ヨーゼルはそれからレイドのことを気にかけた。時にはレイドが寝るまでそばにいたこともある。その時に、レイドが『お父さん』と苦しそうに寝言をつぶやいたのだ。
だから、眠れないのは父との間に何かがあったからだろうと予想はついている。しかし、自分から聞いたことはない。いつかレイドが自分で話すときが来ると思ってたから。
今がそのときだ。
ヨーゼルが聞く体勢を取ると、レイドはゆっくりと話していく。
「ぼくはお父さんとお母さんの3人ですんでたんだ。お父さんもお母さんもしごとがたいへんで、いっしょにいられる時間もすくなかったけど、2人のこと大好きだった」
レイドの口調は暗い。
「でもね、お母さんがいなくなって、だんだんおかしくなっていった。お父さんがわらわなくなった。すごくかなしかったなあ……それでね、お父さんがしごとを休んでぼくと一日中遊んでくれたことがあったんだ。その日はすごくたのしかった」
語る内容は過去の思い出。ときが経っても色あせることのなかったレイドの体験。
「いつもはしごとでいそがしいお父さんといっしょにレストランに行ったり、げきを見に行ったり。それで、一日たのしんだあと家にかえったらお父さんがきゅうにむかしのことをはなしはじめたんだ。お母さんとどうやって知り合ったのか、こじいんっていう楽しい場所にすんでたこと、ぼくが生まれてきたときどれだけうれしかったか、とか。お父さん、すごく楽しそうに話してた。久しぶりにお父さんが楽しそうにしてたから、ぼくまで楽しくなっていつもねる時間がすぎても話して。その日は一緒にねたんだ……次の日、お父さん死んでた」
レイドは真っ直ぐとヨーゼルの目を見つめた。
「さいきんのヨーゼルは……いつもどおりだったと思うよ。見かけたときわらってたこともあったし……でも、ヨーゼルの顔、そっくりだった。お父さんに。たぶんだけど、あのままだったら……ヨーゼルは死んでたと思う」
レイドの瞳は、本人の意思とは関係なく想像したくもないヨーゼルの姿を映していた。それがレイドにとってどれほど残酷なことなのか、分かるものはいない。
「ぼく、ヨーゼルのこと大好きだよ。このまちに来て、ヨーゼルに会えてよかった」
そう言って、レイドはヨーゼルに手を差し出した。
「ぼく、ヨーゼルみたいな人になりたい。強くて優しくて、かっこいい人になりたい。だから、これからもぼくのことを見てて。ずっとじゃなくていい、たまにでいいよ。たまにでいいから、ちゃんとこの街に帰ってぼくが強くなったところを見てほしい」
兄らしいことをしてあげて、とレルヒェに言われたが。必要はない。
兄らしいことをせずともアリスとレイドは成長をしている。
特にレイド。無意識なのだろうが握手を求めてきた。ヨーゼルがレイドの頭を撫でる必要はもうなくなったのだ。
そのことに嬉しさと寂しさを感じながら、ヨーゼルはレイドと握手を交わした。
まだ小さく弱弱しい手。しかし、数年後にはきっと大きく力強くなっていることを、ヨーゼルに期待させてくれる。
「レイド、俺もあなたのことが大好きです。あなたの目標でいられることを幸せに思います。だからこそ……あなたには俺を超えることを目標にしてもらいたい」
「ヨーゼルを、こえる……?」
レイドは面食らった顔をする。
「憧れることは時に相手の欠点すらよく見えてしまうものです。それではいけない。あなたにはあなたの強さがある。それを磨くことであなたは俺のようになるのではなく、俺では辿り着けない場所にたどり着けるでしょう。その領域に立った時、あなたは少なくとも俺以上の人間になれているはずです」
「……どういうこと?」
ヨーゼルの言葉を一生懸命理解しようとしてレイドは頭がパンク寸前になる。その様子にヨーゼルは苦笑した。
「いつか分かる日が来ます。意味が分かったら俺に教えてください……そのためにも」
一瞬、言うか迷う。だが、この決意はどんなことがあってもやり遂げたいと思うから。
「俺は何度でもこの街に帰ってきます。あなたの答えと成長を楽しみにしています」
★★★
そんなヨーゼルとレイド・アリスのやり取りをマリーとエルザが壁際から見ていた。ヨーゼルの微笑ましいやり取りに加えて二人ともお酒が入ってることもあって上機嫌だ。
マリーは酒の入ったグラスを回しながら口元に笑みを浮かべる。
「相変わらず子供に……というより人に好かれる奴だなぁあいつは」
「よーくんは誰にでも優しいですから。おまけにカッコいいですし」
「見てくれよし。中身よし。頭も良いし、腕っぷしも強いときた……だというのに、浮いた話が一つもないのはどういうことだ」
そういって、マリーは少し不機嫌そうにグラスをあおった。
浮いた話が一つもない、という話を聞いたエルザは嬉しそうな顔をする。トリステンを離れてから「もしかしたらヨーゼルに自分よりもいい相手が見つかるかも……」という不安が無いわけではなかった。
エルザは嬉しそうにグラスに口をつける。
「そうなんですかぁ? よーくん、かっこいいのに」
「そうなんだよ……レルヒェと仲がいいからできていてもおかしくはないが。レルヒェなら私としても知っている子だし信頼もできるからヨーゼルのことをぜひとも頼みたいとこだ」
「ふ~ん」
エルザはちょっと不機嫌になった。
「まあ、よくを言えば私はお前がヨーゼルをもらってくれるとありがたい」
「……ッ、いまなんて言いました!?」
エルザは飲んでいたお酒を吹き出しそうになるのをなんとかこらえる。
「いや、だからエルザにヨーゼルを頼みたいと」
「……どうしてですか」
「あいつと仲がいいようだし、これから一緒に旅に出るんだろう? お前ならヨーゼルを任せられるし、ヨーゼルもお前のことを好意的に見ているだろうし……」
「(これは……言うべきタイミングなのでは?)」
色んなことが続いたことでヨーゼルとエルザはまだマリーに婚約していることを話していない。ソフィアにも二人で各地を巡るなら籍を入れておけとも言われている。
今ここでマリーに婚約の挨拶をすっ飛ばして結婚の許しを得るのもあり。お酒が入っている今ならすんなりと終わる可能性がある。そんな思考がエルザの頭をよぎる。
「(いやでもよーくんと一緒に伝えるべきなのかなぁ)」
迷った末になるようになるだろうと思い至りエルザは口を開く。
「師範、実はですね。わたしとよー「二人とも、ちゃんと楽しめてますか」……」
エルザの言葉に被せる形でミシェルが話しかけてきた。エルザはタイミングを逃したと頭を抱える。
「あら、もしかしてお邪魔だったかしら」
「そんなことはないです! ぜんぜんないです!」
「いやでも、お前いま私に何かを話そうとしただろう」
「大した話じゃないんでまた別の機会に話します」
「むっ、お前がそういうならまた後で聞こう」
「(うぅ、ぜんぜん大した話じゃないよ……)」
邪魔をしてきたのがアルバートだったら拳骨の一発でもかましてるが、ミシェル相手にはそんなことできないし第一そんな気持ちすらわかない。ミシェルはエルザにとって、優しい祖母のような人なのだ。
エルザが落ち込んでいると、マリーが何かを思いついたように口を開く。
「ミシェル、ちょっといいか?」
「どうかしましたか?」
「レイドのことなんだが……」
少し言いづらそうにマリーが言う。
「前から思っていたんだが、レイドの顔に見覚えがある」
マリーの言葉にミシェルがほんの少し表情を暗くする。それが何を意味するのか分からなかったエルザは二人の顔を交互に見た。
「……レイドはアレックスの子供よ」
「やはりそうか、笑った顔がよく似ている」
マリーはレイドを見て懐かしそうな、そして悲し気な目を向けた。アレックスとはかつて孤児院にいた子供の1人だ。マリーと同じ時期に孤児院にいたのでマリー自身アレックスのことをよく覚えている。
思い出はどれも懐かしいものだ。だが、アレックスの子供であるレイドが同じく孤児院にいるということはアレックスの身に何かが起きたという証。
ミシェルが静かに話し始める。
「……アレックスは、孤児院を出たあとここより少し南にある街に行きました。その街はまだ発展途上だったので仕事がたくさんあったのです。そこで、アレックスはお相手を見つけ、結婚した末にレイドが生まれました。どれほど嬉しく幸せなのか、アレックスは私たちに手紙を送り伝えてくれました……ですが、それからアレックスの身に不幸が続いたのです。当時、ギドキアの内戦の影響で多くの人たちが共和国、主に南の国境線に近い街になだれ込みました」
トリステンを旅立ってからエルザは南の街の様子を見たことがある。ルディウス共和国の南に位置するギドキア連合。国土全域で起こる内戦から逃れるためにはギドキア国民は共和国にやってくるほかない。
そうなれば当然、共和国へやって来たギドキア人は食と寝床を求めて国境に近い街へとなだれ混み、秩序の悪化と仕事の奪い合いが起きる。
あの陰鬱とした空気はたとえようがない。エルザはこの話の結末を理解し、その場から離れることにした。ちょうどよくヨーゼルが酔っぱらった門下生たちに胴上げされているので、それに混ざることにしたのだ。
「共和国に来たギドキアの人たちはほとんどが不法移民ですから、安い賃金でも働きます。そのおかげで、アレックスのような人たちは仕事を失ったのです。余った仕事を奪い合い、そして苦労して得た仕事も少ない賃金で長時間働かなければならないものばかり。そんな日々にアレックスは精神をすり減らしながらも、家族の為に頑張っていました」
にぎやかな宴会の席で、マリーとミシェルがいる場所だけ空間が切り取られたような静けさだった。だからこそ、宴会のにぎやかさがよくわかる。
それと同時に、ギドキアの内戦を実際に目にしたマリーは、目の前のような楽しい光景がある一方で、人の命がパン1つより安い光景が同じ世界に存在する歪さを強く感じてしまう。
「そんなとき、アレックスは奥さんを亡くしてしまいました。そこで、アレックスは耐えられなくなってしまったようです……この一連の出来事を、私たちは全てが終わったあとに届いたアレックスからの遺書から知りました。私たちに心配させまいと、それまで何も言わずにいたのだと思います。遺書の最後に『息子を頼みます』と書かれ……ごめんなさい」
ミシェルはハンカチを取り出して目元を拭く。
「私たちは出来る限り手を尽くしたつもりです。でも、うちを卒業した子の中にはこんな結末をたどった子もいる」
ミシェルは顔を上げてマリーに問いかける。
「マリー、あなたは大丈夫ですか?」
マリーがヨーゼルを連れてきた、あの日。
ミシェルはマリー自身も何かを抱えていることに気付いていた。マリーのヨーゼルを見る目から後悔や懺悔のような感情が見て取れたからだ。
何かあったのか、と何度も聞こうと思った。だが、その度に『あいつがいつでも泣きつけるようにどっしりと構えておけばいい』とゴードンに止められた。
ミシェルはマリーの横顔を見つめる。
「分からない。私は私が思っているよりも弱い人間だったからな」
マリーの口からそんな言葉が漏れる。だが、言葉とは裏腹にその顔は憑き物が落ちたように晴れやかで、その真っ直ぐとした視線は1人の青年に向けられていた。
「だが、私はそれでも生きたいと思う理由がある。息子の未来をこの目で見届けたい。そして、あいつが倒れたときに立ち上がるのを見守れる母親でありたい」
ヨーゼルはこれから先どんどん強くなる。このままいけば、誰も到達できなかった領域に辿り着くかもしれない。そう思わせるほど、ヨーゼルという人間は凄まじい。
そんな人間が倒れたとき、近くにいられる人間がどれだけいるだろうか。誰よりも先に進むヨーゼルを助け起こせる人間がいるだろうか。
マリー自身出来る気がしない。
だが、きっとヨーゼルは倒れても立ち上がれる力を持った人間だ。だから、マリーはヨーゼルのことを信じて立ち上がるの見守ることにした。自分のことを信じて見守り続けてくれた、ゴードンやミシェルのように。
「しかし、あいつを見守るだけでも大変だ。目で見える程度には近くにいなければならないのだから。私も、もっと頑張らなければならない」
ミシェルは、酔っぱらった門下生たちに何故か胴上げをされ始めたヨーゼルを見て心底嬉しそうに笑った。
「ミシェル、子供が成長していく姿を見るのはこんなに楽しいものなんだな」
そう呟くマリーを見て、ミシェルはフフッと笑って答える。
「ええ、私も改めてそう思います」
2人が話しているところにゴードンがやってくる。
「楽しそうだな。何の話をしていたんだ?」
「子供が成長するのを見るのは楽しい、という話をしていました」
「ふむ、なるほどな」
ゴードンはマリーを見て頷いた。マリーはその行動に怪訝な目を向けるが、ゴードンは手を振って気にするなと返すだけだ。
「ゴードンの目から見て、私はちゃんと母親ができていたと思うか?」
不意にマリーがそんなことを言った。自分に意見を聞くなど珍しい、とゴードンは思ったが少し考えたのちに口を開く。
「昔から、ヨーゼルはいい意味で子供っぽくなかった上にお前は細かいことが苦手だからな。ヨーゼルの方がしっかりとしていた。正直なところ、わしはお前たちが親子に見えたことはない。そもそも親子にしては距離が近すぎる」
マリーがゴードンに投げかけた問いは、ゴードン自身ずっと考えてきたことだった。孤児院の院長として、親元で育つことのできなかった子供たちの親代わりになれればと長い間努力してきたつもりだ。
努力してきたつもりだったが、未だに親とはどういう存在なのかゴードンにも分からない。
だが、
「だが、お前は精一杯ヨーゼルのことを気にかけ大切に思っていた。ヨーゼルも同じくそんなお前を大切にしていたのはよく分かる。だから、親子というかたちに拘る必要はないとわしは思う。お前たちの関係性は端的に言葉で表せるほど単純でも、ましてや浅くもない。違うか?」
努力した結果なのか、孤児院を出た者の多くは未だにゴードンとミシェルに手紙を送り近況を楽しそうに報告してくれている。中には、涙を流したくなるような道を歩んだ子もいるが。
「違わない。違わないが、あいつに母と呼ばれるのがすごく嬉しいんだ」
その言葉を聞き、ゴードンは諭すように言葉を紡ぐ。
「ヨーゼルがお前を母と呼び慕うなら、誰が何と言おうとお前はヨーゼルの母親だ。胸を張ってヨーゼルの母だと名乗りなさい。それがお前を慕う息子への礼儀だ」
「……そうか」
思いもよらないゴードンの言葉にマリーの目が潤む。
隠れるように服の袖で目元を拭うマリー。
それを見て優しそうに微笑むミシェル、優しく見守るゴードン。
マリーが泣いていることに気付き、急いで近づくヨーゼルとエルザ。
それを追いかける酔っ払った門下生たち。
門下生たちに絡まれるヨーゼルを心配そうに見つめるアリスとレイド。
送別会だというのに、誰一人として悲し気な顔を見せるものはいない。無事に帰ってこられる保証はないことは理解していながらも、ヨーゼルなら必ず帰ってくると信じて料理や酒を楽しんでいる。
「ほんッとに賑やかな送別会ですねッ!!!」
門下生たちにもみくちゃにされたヨーゼルの、嬉しそうな叫び声が賑やかな店内に響いた。