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未知なる場所へ
スマホのアラームが布団の中で鳴り響く。
希望は、布団の中で忙しく手を動かしていた。朦朧とした意識の中で冷たい物質の存在を
確かめた。不思議なものだ。スマホだと脳の中の
記憶は思いだせる。
取り上げたスマホを見ると、起床時間を大きく表示していた。また、今日も始まるのかとため息がでていた。何回、何日同じ事を繰り返し生きているのだろう。ゆっくりと上体を起こした。まだ4月になった
ばかりの部屋は肌寒い。布団から出て、一階へ
降りた。去年亡くなった父の姿はもうどこを探してもいない。ただ、母が一人でキッチンのダイニングテーブルに座っていた




