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2-32 2日目は営業から

総合20000!

評価ポイント10000!

ブックマーク5000!


皆さま!ありがとうございます!

これからもよろしくお願い致します!


「美味しいマカロンはいかがですかー!見栄えも効果も一級品ですよー!」


「ぎゃう~!」


 キーロクリエイティブフェスタ2日目のこと。ゲーム内の太陽が真上に差し掛かった頃に、レイとじゃしんは球場にいる売り子のように立ち売り箱を首からぶら下げながらキーロの街を練り歩いていた。


・今北。何してんの?

・そりゃ移動販売よ

・新しい顧客獲得するんだってさ


「そうそう。お店の方は常に人が来るからいる必要はないかなって。せっかく昨日ので話題になったんだし、それで買ってくれる人いないかなーって」


 状況が掴めていない視聴者がやってくると、他の視聴者が説明のコメントが入る。それに多少の補足を加えながら、レイは声を出しながら歩き続けた。


「あれ、レイちゃんじゃね!?」


「本当だ!マカロン売ってる!あれ欲しかったんだよね!」


「昨日のコンテスト見てました!今日はあの服着てないんですか?」


 その効果は上々のようで、ちらほらとレイを見つけては声をかけてくるプレイヤーがいた。


「ありがとありがと。あぁ、あの服は今グレードアップしてもらってるから手元にないんだよ、ごめんね。ついでにマカロンどう?」


 それに対して笑顔で対応しながら手元にあるマカロンを売っていくレイ。その横ではじゃしんがたくさんの女性プレイヤーに囲まれていた。


「可愛い~!」


「こんな召喚獣がいて、レイさん羨ましい!」


「私もじゃしんちゃんみたいな子と冒険したいな~」


「ぎゃう~」


・めっちゃ鼻の下伸ばしてるな

・は?許せんのだが?

・おい、そこ代われ

・俺もおにゃの子にちやほやされたい


 女性プレイヤー達にかわるがわる撫でられながらいや~と頭をかくじゃしんに、視聴者から怨嗟のコメントが流れる。


「ははっ、でもその分苦労するんだけどね」


 そんなじゃしんと視聴者の様子に楽しそうな笑みを浮かべながらも、レイはじゃしんを取り囲んでいた女性プレイヤーにも【七色マカロン】を紹介して販売していく。


 そうして移動販売を続けていると、中央広場に辿り着いた時には用意していたマカロンが売り切れていた。


・はっや

・流石有名プレイヤー

・登録者10万超えてるからね


「いやーそれほどでも……って10万超えてるの!?いつの間に!?」


 視聴者のコメントに謙遜の言葉を返そうとしていたレイだったが、とあるコメントが目に入り驚愕の表情を浮かべる。


 その後に急いで配信画面に向かうと、確かに登録者が10万を突破しており、その数字はもう少しで11万にも差し掛かろうとしていた。


「マジじゃん……突破の瞬間スクショしたかった……」


・おめでとう!

・おめ~

・4日前くらいに突破してたよ

・今度は20万かな


 視聴者からの祝福の言葉に、肩を落としながらも嬉しそうに答えたレイは話を戻す。


「そっかぁ、次は気にしておくよ。まぁそれは置いといてマカロンどうしようかな」


・取りに戻る?

・戻るしかない

・こんな早く売れるとはって感じ


「いや、本当にそれ。取りに帰るのは面倒だし、リボッタ辺りに持ってきてもらおうかな。――にしても」


 とりあえずの方針を決めたレイはその場で立ち止まると、きょろきょろとあたりを見渡して話を変える。


「めっちゃ人いるね」


・そりゃ中央ステージだもん

・武器コンテストあったっしょ?

・もう終わったっけ?


「あ、そっか。結果どうなったんだろう?」


 一応一番人気だったプレイヤーに投票していたレイは、その結果を調べるためにステージに進みながら聞き耳をたてる。


「いやー圧勝だったな」


「そりゃそうよ。そもそも対抗馬いないしな」


「仁王の武器欲しー」


 ステージ傍で話していたプレイヤー達に目をつけたレイは、どうやら優勝したのが自分の賭けたプレイヤーだと知る。


「でもあまりにもパトロンが多いせいで報酬少ないらしいぞ」


「だろうなぁ。それはしょうがない――ってどうした?走りこんできて」


「おい!あっちで仮面付けたふんどし一丁のプレイヤーが憲兵に運ばれてったぞ!」


「はぁ?どういう状況それ?」


「なんか仁王の優勝作品を泥棒しようとして失敗したらしい!名前はジャックっていうんだが――」


 引き続き聞き耳を立てていたレイだが、話題が変わったことを理解してくるりと踵を返す。


「なるほど、当たってはいたっぽい……ってか何かやばい奴もいるんだね」


・これは残当かな

・分かる

・まぁお祭りだし….

・頭のネジが外れるくらいふつーふつー

・レイちゃん人のこと言えない… 


「おい、それってどういう――っと」


「ん?」


 聞き捨てならないコメントにレイが反応しようとした時、よそ見していたせいか目の前にいた人物にぶつかってしまう。


「あっごめんなさい」


「いえ、大丈夫ですよ。気を付けてくださいね、お嬢さん」


 ぶつかった相手は牧師の恰好をした白髪糸目のキャラだった。


 頭上にネームタグがないが、レイを見てもいつかの教会の人物のように敵視することなく、優しく声をかけてその場から去っていく。


「あれってプレイヤー?でもネーム無いからNPCなのかな」


・いやNPCだろ

・ネームタグ隠すの無理だろ

・いや一応できるぞ


「うーん、分かんないね。不思議な人だったなぁ」


 不思議な経験をしたレイが首を捻っているとフレンドからコールが飛んでくる。そこに表示されていた名はキリュウだった。


「ん?どうしたんだろう?でも良かった。ついでにマカロン持ってきてもらおうかな」


 意図は読めなかったものの、良いタイミングだと思いながらレイはそのコールをとる。


「もしもし、丁度良かった。マカロン無くなっちゃったから追加分を――」


「それどころじゃねぇ!ラッキーが攫われた!」


「は!?どういう事!?」


 軽いノリでコールに出たレイに、キリュウの切羽詰まった声が聞こえる。どうやらキリュウは現在進行形で走っているようで、言葉の合間にブレスが挟まってた。


「今そいつを追ってる! 座標を送るからとにかく合流してくれ!」


「えっちょっと」


 質問一つ受け付けずに一方的に言い切って、キリュウはコールを切る。その数秒後、レイあてに現在のキリュウが移動しているであろう座標が送られてきた。


「何が何やらわかんないけど……取り敢えずじゃしん、これ持ってて!」


「ぎゃ、ぎゃう!?」


 状況を理解できないものの、キリュウの必死な様子に急いで向かった方が良さそうだ判断したレイ。


 そしてレイ以上に困惑しているじゃしんに移動販売で使用していた立ち売り箱を押し付けると、わき目も振らず座標の場所へと走り出した。

[TOPIC]

PLAYER【仁王】

身長:???cm

体重:???kg

好きなもの:???、???、???

キーロクリエイティブフェスタの武器部門で優勝したプレイヤー。

唯一鍛冶師の4次職に到達されていると言われており、その名はかのセブンと並ぶほど有名で、『ToY』プレイヤーであれば一度は聞いたことがあると言われるほど。

ただその姿を知る者は居らず、彼の作った武器にお目にかかれることはほとんど存在しない。

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です! やっぱり、やって来るとは思いましたが、、、 ラッキーさんをさらうとはどこの不届きものですかね、、、 お?天誅ですか?天誅案件ですかね?(鯉口鳴らしながら それにしても、、…
[一言] アイかな?
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