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6-【公式ストーリー】

GCノベルズ様の公式ツイッターにて、サイン色紙のプレゼントキャンペーンが実施中!

それと、後書き兼、皆様へのお願いを活動報告にあげております。ぜひそちらもご覧ください。


 我が名はゴードン。この世界に生まれ落ちた聖獣と呼ばれる存在である。


 我らが主によって創造された聖なる獣の数は十二。


 破滅の神に対抗するために主から与えられた力は、それぞれ大きく異なった。


 一の獣は破滅の神によって汚染された世界を浄化する力を。


 二の獣は破滅の力すらも正面から打倒せんとする力を。


 三の獣は数による侵略を止めるべく、世界へと分散する力を。


 四の獣は破滅の余波から人々を守る力を。


 五の獣は破滅の神が目を醒まさぬよう封印する力を。


 六の獣は眷属とした者の聖なる御業を更に増幅させる力を。


 七の獣は音をも超える速度で世界を渡る力を。


 そして、八の獣。


 我に与えられた能力だけは世界を守る力ではなく、ただただ、見通すだけの力。


 与えられた役割も戦う事ではなく、その戦いを記録すること。傍観者として、ただ一人蚊帳の外から眺めることにあった。


 主の目的は分からない。だが我にとってそれは与えられた唯一の仕事であり、生きる意味であった。故に、そのことを疑問に感じたことはない。


 そう、あの者達に会うまでは。


『変身した……?なぁ、こいつもモンスターか?斬っていいか?』


『やめなさい。こんな身嗜みの整ったモンスターがいるわけないでしょ』


『えっと、はじめまして。僕の名前はデコード、君は?』


 この世界の主役たる三人が、幸か不幸か物語の外側にいた筈の我に気付く。


『あ、聖獣なんだ』


『コウテイの仲間ってことか?』


『どっちかっていうと悪魔みたいな見た目してない?』


 どうやって気が付いたのか、どうして話しかけてくるのか、疑問は浮かべど泡沫のように消えていく。


『あっはっはっは!コイツおもろいぞ!』


『いや、キモいわ。知識に興奮するって意味わかんないわよ』


『ア、アハハ。ソウダネ……』


 観測者として、その対象に関わるのは得策ではない、それは重々承知していた。


 ……だが止められなかったのだ。しかも、その理由は酷く単純で。


『よし、全部終わったら一緒に酒でも飲もうぜ!』


『こんなの連れてったらハナちゃんびっくりするわよ』


『楽しかったよ、またね』


 偏に、浮かれていたのだ。


 それはまるで、恋を覚えたばかりの乙女が如く我が胸に熱が宿る。


 彼等の友人になれたこと、一瞬でも物語に存在できたことに最上の喜びを覚えてしまった。


 そう、しまったのだ。それからは地獄のような日々であった。


 観測者に戻った我の目に映るのは、彼等が破滅の軍勢と戦い傷を負っていく、今までと同じような光景。


 そこで初めて我は破滅の神を憎み、彼等の傍で肩を並べる他の聖獣に嫉妬し、無力な自分を嘆いた。


 そして彼らは見事にその役目を果たし、英雄となる。


 自らの力で世界の平和を掴み取った彼等の姿に、心の底からの賞賛と感動を抱いた我は、そこでようやく『すべきこと』ではなく、『やりたいこと』を見つけたのだ。 


「『一つの物語が終わりを迎える。だが、それは同時に始まりでもあるのだ』」


 本に囲まれた時計塔の中。足音一つない静寂の中に、我が書き進めるペンの音が響く。


 これは、かつて神を救った英雄達の物語。


 長きにわたり空白だった最後の章が、つい先ほど終わりを迎えたことでようやく文字となって世界に刻まれる。


「ふむ、タイトルはどうしたものか」


 それは聖獣たる我が初めて形にした物語。


 見て、記録する。その力しかない我が彼等のために行えること。それは彼らを忘れないために、世界へと『伝えること』であり、まさしく我の求める事でもあった。


「そうだ、こうしようではないか」


 彼等がいなくなった世界が寂しくないのかと問われれば、間違いなく寂しいと答えよう。


 偏屈な我を見つけてくれた『勇者』にも、厳しい視線を向けつつも嫌うことなく接してくれた『聖女』にも、夜通し語り合ってくれた親友とも呼べる『賢者』にも。


 会いたい、などとは言わない。ただ一つ、また彼等の活躍する世界が一目見たいと、我は今でも恋焦がれている。


 だがそれは叶わぬ夢であり、それ以上に野暮なことなのだ。


「これで終幕、か……」


 本を棚に入れようとした瞬間、どうしようもない寂寥感が我の中に入り込んでくる。だがそれもたった一瞬の出来事。


「む」


 止まった指を誰かが押す。それによって本は何万冊の内の一冊へと変わる。


「である、か」


 背後を振り返っても、誰もいない。だが、きっと我が友人の仕業であろう。そんな確信があった。


 まるで『前を向け』と言われているような感覚に、ぽっかりと空いた穴は即座に埋められてしまった我は、過去を振り切るように本棚から離れる。


 友人の最後を見届け、その願いを叶えた我は再び観測者としての役割に戻る。だが、不思議と嫌な心地はしなかった。


「次は一体、どんな物語を書けるのやら」


 思い返すは、試練を乗り越えた新しき時代の英雄達。


 これから彼らに襲い掛かる困難は想像を絶するものであろう。だがかつての彼等、我が惚れ込んだ三人の主役のように、きっと世界を良い方向へと導くのだろう。


 そうして我はいつもの姿――腰が折れ、背の低いしわがれた老人へと戻る。


 やはり、『司書』という立場は我にとっては天職であるな。この位置取りであれば、知識を集めんとする人々をノーリスクで視姦――もとい、観察できる。


「いかん、妄想だけで達してしまいそうである」


 逸れた思考を引き戻しつつ、定位置であるカウンターの奥に座る。


 これからどんな物語が見えるのか、それに思いを馳せるだけで、我の胸は期待に膨らんでいた。

[TOPIC]

【攻略チャート】

【紡がれた思いは未来と共に】

1.【英知の書庫】にて『Re:Code』に触れる

 1-1.『RECORD』を読破

 1-2.書庫リブロの問答に答える

 1-3.クリア後、地下書庫が解放

 1-4.地下書庫にて『Re:Code』を閲覧

 1-5.バベルの踏破を目指す

2.【バベル】を踏破する

 2-1.最上階に辿り着く

 2-2.デコードとの会話。『Re:Code』の存在を知る

※1及び2は順不同。片方を入手すれば、もう片方のヒントが得られる

3.『Re:Code』を【バベル】の最上階へ

 3-1.【バベル】踏破後、リブロにデコードの言葉を伝える

 3-2.『Re:Code』を取得、再び【バベル】へ

 3-3.【バベル】の中央台座に『Re:Code』を設置

4.ワールドクエスト発生

 4-1.神獣ゴードンの登場

 4-2.デコードからの試練

 ※三人まで。それ以上はランダムに弾かれる

 4-3.『勇者』、『聖女』・『賢者』の役割が自動で割り振られる

 4-4.邪神(第一形態)登場。一定数攻撃を加えることで、液状化

 4-5.露出した核を攻撃。邪神(第二形態)へ

 4-6.以下の条件時、不死鳥が登場

   →『勇者』のHPが半分以下

   →邪神(第二形態)の数が1000を突破

 4-7.不死鳥の力で邪神(第二形態)の数が減り、本体だけが残る

 4-8.邪神(第二形態)の核を攻撃。邪神(第三形態)へ

 4-9.それぞれが以下の行動を行う

   『勇者』⇒【草薙剣】のスキル【神狩火】を発動

   『聖女』⇒【『熾天使ヴァンジェーロ』降臨】を発動

   『賢者』⇒【召喚『悪魔神王プルガトリオ』】を発動

 4-10.邪神(第三形態)の核を攻撃。邪神を撃破。

 4-11.試練がクリアとなり、ゴードンの話を聞く

 ※一部スキップ可能

 4-12.クエストクリア

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新、お疲れ様です。 まず取りあえず謝らせてください…(土下座 あまりの忙しさと年末での燃え尽き症候群により、ネット活動への意欲がごっそり減退してしまいまして…はい、急に送らなくなってすみま…
[一言] 変態のソレであったか・・・
[良い点] ただの変態か…… [一言] 聖獣が子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥の順であるのならばヒツジは八番目ではないですかね…?
感想一覧
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