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4-【公式ストーリー】

活動報告にて四章の後書きと今後の更新について記載しております。よければご覧下さい


 大空を優雅に飛ぶ鳥の群れ。


 その先頭を進むのは神々しくも美しい巨大な白鳥。頭に赤いトサカを生やし、その大きな羽を羽ばたかせながらも空を舞う姿はまさに神の使いにふさわしい見た目をしていた。


『コウテイ様、これからどちらに参る予定ですか』


 それに付き従う形で周囲を飛ぶのは正反対の色をした黒いカラス達。中でも一際大きく傷だらけの年老いたカラスが目の前を飛ぶ白鳥――コウテイに話しかける。


「コケ―」


『なるほど、先ずは世界樹からですか。承知しましたぞ』


 コウテイは人の言葉を話さない。だがその一言で次の行き先を把握したカラスは納得したように頷くと問いかけを続ける。


『という事はあの夫婦に会いに行くという事ですか?』


「コケ。コケコーケ」


『なんと、すべての聖獣に協力を……それほどまでの事態ですか』


 神妙な顔で声を張るコウテイにつられるようにカラスも唸る。


『千年ぶり……ですか。あなたを含めたあの御方達に会いに行くのは。原因はやはり先程の……』


「コケ―……」


 一瞬嬉しそうな顔をしたコウテイだったが、続く言葉に顔を曇らせ、僅かに俯く。


『【邪神の因子】と言っていましたが……アレはやはり復活してしまった、という事なのでしょうか』


「コケ。コケコケコーケコケ」


 不安げに告げたその言葉にコウテイは首を振って否定する。


【邪神の因子】と呼ばれた敵はその力を有しており、かなり凶悪であることに相違なかったが、以前の『本物』を鮮明に覚えている以上、天地がひっくり返ってもそんな言葉は吐けなかった。


『確かに、千年前に見た奴はもっと凶悪で大きかった。それこそ、この世界を容易に(・・・・・・・・)滅ぼせるくらいには(・・・・・・・・・・)


「……コケ」


『それに核となる体は『奈落』の奥深くに堕ちていった筈。本当に復活したならばあの見た目はあり得ない、と。そう言う事でしょうか?』


「コケ~」


 カラスの言葉を肯定するように鳴いたコウテイは視線を下に向け眼下を見渡す。そこに広がっているのは十二個の独立した世界であった。


 数珠状に連なったその大地は世界ごとに『森』や『山脈』、『海』や『草原』などといった特色が綺麗に分かれている。


 ただし、世界世界を繋ぐ間と、世界が囲う中心部分は、光すら通さない一面の黒で塗り潰されており、お互いの世界を歩いて行き来することは出来ないと容易に想像できた。


「コケー……」


 『世界を渡る力』を持つコウテイはその光景に、哀愁を込めた目でポツリと鳴き、千年前の出来事を思い出す。


 突如として現れた世界を覆いつくす程の黒。今もなお残る闇からあふれ出した黒き神は、分割された世界を跨ぐほどの巨体を成し、世界を滅ぼさんと蹂躙する。


 それを防ぐために真なる神に遣わされた聖獣達であってもその姿に驚愕するほどであったのだ、彼ら以上にその当時生きていた人達にとっての衝撃はすさまじかっただろうと、容易に想像できる。


 世界を塗り潰す黒に、恐怖し怯え、困惑し逃げ惑うことしかできない、そんな人間達の声や感情を嫌というほどコウテイは感じていた。


「コケ~」


 だが、そんな中でも『英雄』と呼ばれる存在は現れる。


 恐怖を感じながらも剣を取り、震える足を前に動かし立ち向かう。そんなちっぽけな男の勇気に感銘し、コウテイは力を授けた。


 そしてその期待通り――いやそれ以上の活躍を見せた『英雄』は見事に【邪神】を打倒し、世界の危機を救って見せたのだ。


『よう、鶏!勝ったぜ!』


「コケ~」


『コウテイ様?どうかしたのですか?』


「コケ」


 世界が救った彼が屈託のない笑顔で告げた言葉を思い出し、コウテイは笑う。それを不思議がったカラスの問いかけに首を振ると、カラスは首を傾げながらも話を続けた。


『『奈落』の様子におかしな所は見えません。そもそもあの巨体ならば出てきた瞬間分かるでしょう。ということはまだ猶予は――』


「コケッ」


『――!す、すみませぬ。儂としたことが油断を……』


「コケ。コケコーケコケ」


『そうですね。奴等が何者かも掴めておりませんし……』


 甘えた言葉を吐いたカラスを叱責するようにコウテイは一瞥すると、もう一つの懸念材料について口にする。


『【ハクシ教】……【邪神】の復活を目論んでいるのは確かですが……』


 カラスが口にしたその名を聞き、コウテイは再度考え込むように遠い目をする。


 千年前にはいなかった人の身でありながら世界の破滅を願う者達。正確にはいたのかもしれないが、表面化してはおらず、千年の時を得てようやく牙を現したと考えるのが自然だった。


「コケ―」


『分かりました。では何名かに探らせるとしましょう』


 コウテイは一鳴きしてカラスに声をかけると、それを受けたカラスがさらに下へと指示を飛ばし、鳥の群れの一部が散らばって世界中へと羽ばたいていく。


 その得体のしれぬ集団の尻尾を少しでも掴むために。突如として出現した不穏分子(イレギュラー)に左右されないためにもコウテイは最善を尽くす。


「コケ……」


 今ある束の間の平和はもろく崩れやすく、それこそ強い風が吹けば消えてしまう、砂上の楼閣のようなものであり、コウテイはそれを重々承知している。


 再び訪れようとしている世界の危機に対し、幾許かの不安を抱えながらも決して匙を投げるような真似はせず、コウテイは真っすぐと前を見据えて世界を飛び回る。


 今回も世界の危機に立ち向かう『英雄』が生まれることを、心の底から願って。


[TOPIC]

QUEST【その鳴き声で目を醒ますのは】

[攻略チャート]

1.【世界樹の実】及び【精霊樹の実】を取得している状態でへイースト火山へ

2.へイースト火山にて1時間以上探索すると、ランダムで烏の群れ襲来

3.アイテムを奪われた後、その後を追いかける

※敏捷値750以上必要

4.【枝分かれの溶岩洞】に辿り着く

5.最深部まで進むと『コウテイの間』に到着

6.コウテイ及び老烏と遭遇。【悪食のゴアトルス】との戦闘

※敗北しても再戦可能

7.【悪食のゴアトルス】に勝利後、再度【枝分かれの溶岩洞】の最深部へ

8.老烏からの謝罪。『三種の神器』についての説明を受ける

※以下正規ルート

9.【闇夜の襲撃事件】を行いダイフクと遭遇

※タイミング問わず

10.ダイフクの口添えで城に入る。【八咫鏡】を発見

11.ドラヤキから交換条件として無理難題を振られる

※このタイミングでクエスト【刀狩の弁慶】発生。【天叢雲剣】を入手

12.ドラヤキに【天叢雲剣】を献上。ただし一方的に奪われ【八咫鏡】は入手できない

13.ダイフクと会話。謀反に協力する代わりに【八咫鏡】を手に入れる契約を結ぶ

※クエスト【上に立つものの器】発生

14.謀反に成功。【八咫鏡】入手

※クエスト自体は成功しかないが、働きに応じて追加報酬【八尺瓊勾玉】を入手

15.【八咫鏡】を持った状態で『コウテイの間』に進むとクラールと遭遇

16.【邪神の因子】登場。【八咫鏡】が奪われ、コウテイが吸収される

17.老烏登場。『コウテイの間』から共に逃げ出すも、老烏死亡

※回避不可イベント

18.VS【邪神の因子】第1段階

※HP一定以下に削る(計30万ダメージ)、もしくは一定時間経過(30分経過)

19.VS【邪神の因子】第2段階

※胸部に現れた【八咫鏡】を破壊する(100以上のダメージ)

20.VS【邪神の因子】第3段階

※HPを0にする、もしくは一定時間経過(30分)(時間経過とともに弱体化)

21.撃破してクエストクリア

★【邪神の因子】について。

戦闘開始条件は【八咫鏡】のみであるが、その他三種の神器を入手することで有利に戦闘を進めることが出来る。

【天叢雲剣】→【邪神】特攻武器。ダメージ上昇(×100)

【八尺瓊勾玉】→アクセサリー装備。状態異常【神蝕】無効

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 女将さんのクエスト【町の歴史を紐解いて】がない、あれは無関係なの あと振り返って見たら、ラッキーの紹介がないな [一言] 今までは大体こんな感じかな 子 【ラッキー】 役割 …
[一言] 今回のワールドクエストやけに難しくない?と思っていましたが、他の三種の神器を入手しておけば邪神の撃破が容易になったんですね。 今回ばかりはいつものショートカットが仇になったのか。
[良い点] 一応時間でクリアできるのかな? にしてもちょっとフラグ多すぎやしないですかね…
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