表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人化♀したドラゴンが遊びに来るんだよ_〜暁光帝、降りる〜  作者: Et_Cetera
<<おののく周辺諸国! 瓦礫街リュッダで何が起きているのか!?>>
82/197

歴史です。暁光帝は呼ばれたような気がするんで出かけますよ☆ 今日もボクは幸せですからね♪

ヴェズ朝オルジア帝国の指導者2人、皇帝と宰相が『暁光帝、降りる』の一報を聞いてあわてふためいています。

世界情勢がデリケートなこの時期に超巨大ドラゴンに碧中海をかき回されたくない模様。

けれども、暁光帝の降りてしまっては人間の国家がどうこうできるわけがないじゃありませんかwww

もちろん、悠長に戦争なんかやってられませんしね。

やったらどうなるか、デティヨン海の悲劇、ドゥンキルヒンの悲劇と悲惨な実例がてんこ盛りですから。

皇帝は前のアプタル朝オルジア帝国の滅亡に想いを巡らせます。

果たして、先代のオルジア帝国はどうやって滅びたのでしょう。

お楽しみください。


キャラクター紹介&世界観はこちら〜>https://ncode.syosetu.com/n2816go/

 人類史上、最も強い武人は誰か。

 子供にも大人にも人気の話題だ。

 もちろん、最高の名君とか、最も優れた魔導師とか、最も偉大な将軍とか、そういう人物についても同じく話題になる。

 幾ら語っても議論は尽きず、結論は出ない。

 誰が一番なのか、わからないから面白いのだ。

 幾らでも語れるから。

 彼らは人類共通語が喋れる者達にとってお国自慢であり、楽しい酒の(さかな)である。

 しかし、人類史上、最高の、もとい、最低のバカは誰か。

 これは話題にならない。

 すでに結論が出ている。

 誰もが知っていて、誰もが認める、最悪のバカ野郎がいるからだ。

 彼の名は“(おろ)(もの)”の代名詞となって、驚いた時や悪態をつく時にしばしばと吐き捨てられる。

 彼は何者か。

 アプタル朝オルジア帝国が皇帝、アプタル8世。

 通称、“アプ(はち)”である。

 彼は何をやったのか。

 何を成し()げたのか。

 それは恐るべき愚行(ぐこう)

 誰が聞いても『いや、それはいくら何でも有り得ない』『破滅への一直線』『亡国の危機を招くだけ』『死にたいのなら一人で死ね』と答えるような(おこな)い。

 その行い1つでヒト族の盟主たる自国を一夜にして崩壊させ、彼は亡国の道化師(どうけし)となった。




 召喚魔法で首都に暁光帝を呼んだのである。




 数百年前、この広大なエレーウォン大陸を超巨大ドラゴンが横断した。

 23日間、1日も休まず、ぶっ続けで。

 朝、大陸の西端で目覚めると走り出して。

 昼、大陸の東端にたどり着き。

 夕、再び大陸の西端に戻って。

 夜、休んだ。

 これを毎日、繰り返したのである。

 超音速で疾走(しっそう)し、(さわ)やかな青春の汗を流したのだ。

 彼女こそ、この世の真の支配者。人間から“暁光帝”と呼ばれて恐れられる天龍アストライアーだ。

 立ちはだかる大山脈には破滅の極光(カタストロフバーン)で大穴を開け、底の見えない深い峡谷(きょうこく)はエーテル颶風(ぐふう)(あと)もわからなくなるくらいに埋め、人跡未踏(じんせきみとう)の大森林を天龍の鉤爪(かぎづめ)伐採(ばっさい)しまくり。

 残念なことに、彼女から見ればゴマ粒ほどもない人間は全く目に入れてもらえず。

 その結果、数多(あまた)の国々が踏み(つぶ)されて滅びた。また、国王を失った国々では内乱が起きて国土が荒廃(こうはい)した。

 しかし、おかげで巨大な足跡(あしあと)が大陸を横断する交通路として整備され、国際的な通商が(にぎ)わうようになり、大陸の貿易量は桁違(けたちが)いに増えた。

 それで食糧の偏在が緩和(かんわ)され、国際的な流通によって飢饉(ききん)も解決されるようになった。

 天龍アストライアーの偉業は常に良いことと悪いことが隣り合わせなのだ。

 これぞ、世に言う、“暁光帝のマラソン”である。 

 その後、様々な事件が起きて、自力で復興(ふっこう)できない国々が続出した。そこでエレーウォン大陸中央を支配する蜥蜴人(リザードマン)族のフキャーエ竜帝国が大々的な援助を開始して、それらの国々の面倒を見てやったのである。

 しかし、リザードマン達も慈善事業をやっているわけではない。

 復興を支援してもらった国々はリザードマン族による“国際協調関係”に誘われて組み込まれていったのだ。“国際協調関係”と言えば聞こえはいいものの、実際はそれらの国々がリザードマン族にとって都合よく働かせられる仕組みである。

 その結果、多くの国々が独立を(おびや)かされ、実質的に竜帝国の従属国となっていった。

 これが“竜帝国による平和(パクス・フキャーエナ)”である。

 歴史あるリザードマン族は優秀な人種だ。全長がヒト族の2倍ほどもあり、前傾姿勢の2足歩行、大柄な恐竜がそのまま文明人になったような姿である。知能も腕力も高い上、魔気容量(まきようりょう)も6倍ほどと(はる)かに多い。

 戦いになればリザードマン族1人にヒト族が2人で掛からねば勝ち目がないほどに強い。魔法を使われたら6人()かりでも厳しいだろう。

 そして、竜帝国は人口でこそヒト族に劣るものの、技術力や軍事力、文化水準は圧倒的に勝っている。

 これは現在も続くリザードマン族とヒト族の関係でもあり、竜帝国の優位は何も変わっていない。

 この竜帝国による平和(パクス・フキャーエナ)に挑んだのが、天下一の大馬鹿野郎、皇帝アプタル8世であった。

 当時、アプタル朝オルジア帝国は暁光帝に襲われて帝都オルゼポリスが半壊。

 『襲われた』と言うか、『踏まれた』のだが。

 23日間、毎日、欠かさず往復してくれて、計46回も念入りに踏み(つぶ)されたのだから、それはもうメチャクチャな瓦礫(がれき)の山になってしまっていた。

 帝国の中枢である皇宮(こうぐう)は初日に()()微塵(みじん)に破壊された。帝室の御一家はかろうじて無事であったが、執務室を含む居住区画そのものが天高く吹き飛ばされ、住人は生きた心地がしなかったと言う。

 実際、不幸にも王城が暁光帝の進路上にあった他の国々はことごとく王族が消滅して滅亡した。

 ちなみにオルジア帝国は運が良かったわけではない。

 歴史上しばしば滅亡するので用心深くなり、超巨大ドラゴンの襲来も想定して皇宮が耐龍構造だったに過ぎない。

 もっとも、帝都が踏み散らかされて軍馬も武器も兵隊も失われ、精強な帝国軍も散々な有様だった。

 砂漠から碧中海(へきちゅうかい)(のぞ)む大国であったが、踏みにじられた地方の荒廃も(いちじる)しく、国内は混乱していた。このまま自力での復興(ふっこう)は難しく、フキャーエ竜帝国の援助を求める声が日増しに高まっていた。

 売国奴(ばいこくど)どもは叫ぶ。

 『皇帝は竜帝カザラダニヴァインズに頭を下げるべし』、と。

 だが、アプタル8世にはヒト族の指導者としての意地があった。

 『ヒトがトカゲに頭を下げられるか』と発奮(はっぷん)し、逆に竜帝国に賠償金(ばいしょうきん)として帝都の復興費用を(まかな)えと迫ったのだ。

 一見、無茶苦茶に見える理屈だったが、あながち、そうでもない。

 暁光帝が青春マラソンに興じる前、竜帝を(いただ)く竜帝国は『同じドラゴン、暁の女帝は俺様のマブダチだから言うことを聞かせられる』とさんざん言い放っていたのである。

 何たることか。

 吐いたツバは飲み込めぬ。

 竜帝カザラダニヴァインズは地竜(ドレイク)であり、竜帝国の支配者だ。言ってしまった以上は言葉には責任を持たなければならない。

 いや、人語が喋れなくて嘘も()けない幻獣のカザラダニヴァインズだから、好き放題に法螺話(ほらばなし)を吹きまくっていたのは配下のリザードマン達であって自分ではない。そんな大言壮語(たいげんそうご)の責任は取りたくないのも当然であろう。

 それでもアプタル8世が言わんとするところは『暁光帝が踏み(つぶ)したのだから帝都の復興費用をマブダチの竜帝が(まかな)うべき』という、至極(しごく)まっとうな理屈であった。

 彼はそれなりの論拠を持って主張していたのだ。

 天下一の大馬鹿野郎の癖に意外と鋭い。

 これにはリザードマン達もずいぶん困らされた。

 竜帝国がきっぱりはっきり明言してしまったことを論拠とされているからだ。

 無下(むげ)にはできない。

 けれども、万が一、賠償金を支払ったりすれば、他の国々の被害に対しても竜帝国は責任を負うことになってしまう。

 竜帝の顔を(つぶ)すか、それとも、政治的駆け引きによって誤魔化(ごまか)すか、難しい舵取(かじと)りを迫られることになったのだった。

 そして、アプタル8世も『オレが賠償金を勝ち取る』と大見得(おおみえ)を切ってしまった手前、援助を引き出せなければ反対派や売国奴どもが謀反(むほん)を起こしかねない。

 事、ここに至ってアプタル朝オルジア帝国もフキャーエ竜帝国もにっちもさっちもいかない状況に(おちい)ってしまったのだ。

 だが、瀬戸際(せとぎわ)に追い詰められてヒトの皇帝アプタル8世と地竜(ドレイク)の竜帝カザラダニヴァインズのバカさ加減に違いが出てしまう。

 アプタル8世の方が比較にならないくらい、桁違(けたちが)いのバカだったのだ。

 『交渉を有利に進める手段がある』、佞臣(ねいしん)からそのような讒言(ざんげん)を受けてアプタル8世は(おど)り上がって飛びついた。

 もともと、当時のアプタル朝オルジア帝国では軍の秘密兵器としてある技術が注目されていた。

 当時、効能が不安定という欠点が問題視されて、他国のほとんどが注目していなかった新技術“召喚魔法”である。

 兵数でこそ竜帝国に(まさ)るものの、個々の兵士の能力はヒト族がリザードマン族に及ぶわけがない。魔法の苦手なヒト族だから、魔法兵団の能力や主力(メイン)軍用(バトル)泥人形(ゴーレム)の性能も圧倒的に劣る。

 自力では勝てない。

 それなら、他人の力を借りればいい。

 発想は順当だが他力本願(たりきほんがん)な軍隊である。

 ともあれ、ヒト族それ自体の力ではリザードマン族に勝てないから、幻獣(モンスター)の力を利用することを思いついたのだった。

 その手段が召喚魔法である。

 特殊な魔法で近くにいる幻獣(モンスター)を誘い込んで霊的関係(ラ・ポール)を結び、契約して“召喚獣”と成し、仕事をさせる技術だ。

 召喚魔法によって近場にいる幻獣(モンスター)を呼び出して利用する方法はすでにある程度の成功を収めており、優れた召喚士の育成によって大きな成果が期待された。

 そこで国家を上げて優れた召喚士の育成に努めてきたのである。

 ここで佞臣(ねいしん)どもが驚いたことに、そして、帝国の将来にとって不幸なことに、召喚獣としてドラゴンが非常に優秀な対象だったのである。

 後になってわかったことだが、それは単なる偶然だった。

 たまたま、選ばれた召喚士が規格外に優秀であったこと。

 たまたま、氷竜(ドレイク)“ミルドワ”が実験場の近くにいてくれたこと。

 たまたま、気まぐれで召喚に応じてくれたこと。

 たまたま、人語(じんご)を解する賢いタイプだったこと。

 それら、偶然が重なっただけで大きな成果につながったのである。

 それでも氷竜(ドレイク)ミルドワはくだんの天才召喚士を信頼して、契約を結び、その高い能力によって依頼された仕事をきちんと果たして行った。

 それは驚くべき成果であった。

 そもそも、召喚魔法の欠点は召喚獣が言うことを聞かず、仕事ぶりが不安定なことにあった。調子のよい時は凄い働きぶりを見せる召喚獣だったが、よくない時は敵とまともに戦わず、果ては味方をぶん殴る始末だったのである。

 長年、その理由は召喚獣が(あるじ)を裏切ったり、主の命令を聞かなかったからだと思われてきた。

 ところが、実情は大きく違う。

 従来の召喚士は強さ重視で幻獣(モンスター)を選びたがった。そこでしばしば鬼巨人(オーガ)大牛魔人(ミーノータウロス)鷲獅子(グリフォン)など大きくて強そうな幻獣(モンスター)霊的関係(ラ・ポール)を結んで召喚獣としたのだ。

 しかし、彼らは“かろうじて人語を解さないこともない”というレベルの語学力であり、また、力は強いが知能は必ずしも高くなかった。

 つまり、そういった幻獣は“ろくに言葉もわからない大柄で賢くない外国人”にほぼ等しい。それを使役(しえき)しようと頑張ったところで命令の意味も仕事の目的も理解してもらえないから、只、召喚獣は(あるじ)(かろ)んじて暴れまわっているようにしか見えなかった。

 それで従来の召喚士は使い物にならなかったのである。

 ところが、くだんの召喚士は天才だった。

 竜の欲しがる報酬を用意し、時間を掛けて氷竜(ドレイク)ミルドワと信頼関係を築き、人類共通語の細かい意味を教えて、複雑な命令を理解してもらえるように努めたのだ。

 その結果、召喚士と氷竜(ドレイク)ミルドワは兄弟のように仲良くなり、互いに協力して仕事をすることができるようになった。

 また、この魔法は魔気容量(まきようりょう)()らないことも高く評価された。召喚魔法に必要なものは魔力ではなく、幻獣と心を通わせる才能だったのである。

 『魔法の苦手なヒト族でもこの召喚魔法ならリザードマン族を圧倒できる』と関係者は感激し、佞臣(ねいしん)どもも研究に潤沢(じゅんたく)な予算をつぎ込んだのであった。

 穀倉地帯で暴れる巨人(ギガース)、交易路を脅かす翁面獅子(マンティコア)、疫病と飢餓(きが)自暴自棄(じぼうじき)になって暴れまわる豚人(オーク)の軍勢、様々な難題を氷竜(ドレイク)ミルドワと天才召喚士のコンビは次々に解決していった。

 そして、またしても不幸なことにそれらの仕事はどれも不可能と思われるほどに難度が高かった。難しい仕事をことごとく成功裏(せいこうり)に終わらせたことで、関係者の期待は(いや)(おう)にも高まってしまったのである。

 佞臣(ねいしん)どもからその様子を事細(ことこま)かに報告され、『ドラゴンを操る陛下は竜帝よりも偉大』とおだて上げられたアプタル8世は大いに喜んで、かの優れた召喚士に。




 『次は暁光帝を使役(しえき)せよ』




 そう、命じたのである。

 世界の破壊者ワールドデストロイヤーの名を挙げられて震え上がった佞臣(ねいしん)どもであったが、総じて欲深(よくふか)で野心家の彼らは皇帝におべっかを使うことをやめなかった。

 そして、天下一の大馬鹿野郎アプタル8世は暁の女帝を利用してフキャーエ竜帝国に迫り、交渉を有利に運ぶことを夢見たのである。

 これに強く反対した者こそ、時の名宰相(めいさいしょう)チシュピシュであった。

 宰相は言葉を尽くしてアプタル8世に翻意(ほんい)(うなが)したものの、聞き入れられず、逆に皇帝の意志を(かろ)んじる不心得者(ふこころえもの)として排斥されてしまった。

 そして、あまりの愚行に(あき)れ果てて他の忠臣らも諫言(かんげん)(あきら)めて去って行った。

 こうして暗君(あんくん)アプタル8世の野望を止める者はいなくなり、恐るべき愚行が遂行(すいこう)されることになってしまったのだ。



****************************



 その日、皇宮(こうぐう)を追われた宰相(さいしょう)はどんよりした気持ちを(かか)え、帝都オルゼポリスの屋敷で静かに控えていた。

 この時、この場所で、かの優れた召喚士が暁光帝を呼ぶための特別な召喚魔法を発動させることがわかっていた。

 女帝様のマラソンで踏み荒らされた帝都はようやく皇宮が仮復旧されたばかりで瓦礫(がれき)だらけ。宰相の屋敷はドラゴンのマラソンコースからわずかに(はず)れており、無事で済んでいた。

 23日、46回も帝都を踏みつけたのだが、幾何学的な完璧さにこだわる暁光帝は決めたコースを正確になぞるため、少しでもそこから外れていれば(まった)(もっ)て安全だったのである。

 宰相は窓辺に(たたず)み、窓から街を(おお)(くも)り空を見上げて祈っていた。

 「いやいや、いくら規格外に優秀な召喚士と言えどもヒトの身で暁の女帝様を呼べるものか」

 「よしんば、呼べるほどの技量があったとしてもだ。たまたま、女帝様が都合よく帝都の上空を飛んでいるなんて偶然のあるわけがない」

 「それに万が一、不幸な偶然が重なったところで傲慢(ごうまん)な女帝様が召喚士の呼びかけに(こた)えるなぞ有り得ない」

 切れ長の鋭い目と釣り上がった(まゆ)、そして、オールバックの黒髪を短くまとめている。その風貌は悪魔を思わせて怪しいが、オルジア帝国の歴代宰相の中でも随一(ずいいち)の切れ者と評判だ。

 厳密に言えば、彼の言葉は“祈り”ではなく“願い”だった。

 幾ら祈ったところで暁光帝に関わる希望を神々が(かな)えてくれるわけがないからだ。

 それでも恐れるようなことはないと思えた。

 孤高の八龍(オクトソラス)(あが)める邪教の信徒どもですら超巨大ドラゴンの召喚に成功した例はない。

 暁光帝から見れば人間はゴマ粒ほどの大きさもない。庭を歩いていて薔薇についたアブラムシからの呼びかけに気づく人間がいるだろうか。

 大丈夫だ。

 彼女はやってこない。

 決してやってこない。

 やってくるはずがない。

 嫌な予感に胸を()(むし)られながら宰相は空を見つめていた。

 「「「……」」」

 背後には私兵と自分を慕う忠臣らが固唾(かたず)()んで(はべ)っていた。

 彼らは予想していたのだろうか。

 悲劇の到来を。

ここまで読んでいただきありがとうございます♪

現在のお話から過去のお話へ。

ヴェズ朝オルジア帝国の精悍な皇帝(ピーター・カッシング似のおっさん)と長身で冷酷そうな宰相(クリストファー・リー似のおっさん)から!

アプタル朝オルジア帝国は悪魔的風貌の宰相チシュピシュ(レナード・ニモイ似のおっさん)へバトンタッチです!!

背後に控える忠臣(如何にも主人公っぽいウィリアム・シャトナー似のおっさん)と老大臣と私兵達が物語に華を添えるでしょう♪

うん、見事におっさんばっかりだわ\(^o^)/

こちら、拙著『人化♀したドラゴンが遊びに来るんだよ_〜暁光帝、降りる〜』は基本、ガールズラブ路線のファンタジーアドベンチャーなので男キャラは悪巧みはしても女の子同士の恋愛には絡みません。

美少女達がキャッキャウフフしている時は敵であっても攻撃しませんしw その辺は変身中のヒーローを攻撃しないのと同じですね〜♪ エチケットですよ、紳士のエチケット☆

おっさん達は百合的にお行儀がいいのです〜

けれども、百合モノって若干、欠点があるんですよね。

純粋な百合ストーリーだと美少女(♀主人公)と美少女(♀ヒロイン)と美少女(♀ライバル)と美少女(♀師匠)しかいなくて、ほぼ全員が上品で淑やかなので口調が同じ。だから、会話文で誰が何を喋ってるのか分かりづらい上、ほぼ会話文だけで物語が進行してしまいますwwwww

さすが、百合☆

隙がありません!

やめろ。

いや、読者が混乱するからやめとけください。

そこで! 純粋な百合ストーリーでない普通の百合ストーリーはところどころに物語の背景描写やアクションシーンを入れてメリハリを付けるんですね〜

この章はそんな感じで暁光帝♀の物語への関わり方などを描写しようかと………

あ、はい。

言い訳は駄目ですね。

単純に思いついちゃっただけです。

後、暁光帝♀の童女バージョンだけだとドラゴンバージョンが読者から忘れられそうなんで描いておきたくなったんですぉwwww

それで気がついたらおっさんてんこ盛りシリーズになっちゃいましたぉwww


さて、今回、“召喚魔法”をご紹介しました。

2タイプを考え、作中の仕様とは別に魔力で魔物を造ってゴリ押しする召喚魔法もあります。

う〜ん、いろいろと悩むんですよね。

召喚魔法って古くはランプの魔神でしょうか。

「出てこい、シャザーン!」で有名な『大魔王シャザーン』が印象的ですね。

めちゃくちゃ面白いんですが、ギャグですし、昨今の流れとは少し違いましょうか。OP音楽の楽しさは異常♪

まぁ、召喚魔法って言やぁ、『ファイナルファンタジー』ですよね。バハムート呼んで「メガフレア!」とか☆

『7』のタイダルウェイブが好きです。津波で押し流される敵とか、いいんですよね〜

で。

あの仕様には幾つか欠点がありまして(>_<)

先ず、攻撃手段としては黒魔法と変わらないんですよ〜

実際、召喚魔法をげっとしちゃうと黒魔法使わなくなっちゃいますし(^_^;)

リフレクの魔法反射を受け付けないという利点はありますが、魔法反射してくる敵は少ないし、それって黒魔法の欠点ってだけじゃ……

さらにもう1つ。

『黄金バット』で発生したのと同じ問題です。

主人公たちがピンチに陥るとマリーちゃんが涙を流しながらお祈りして…やって来ました! 我らが黄金バット! 並み居る強敵をなぎ倒し、高笑いしながら帰っていきます。

『強い!、絶対に強い! 我らの黄金バット!』ってマジで強ぇわ。

…という、黄金バットなんですが、誰だって疑問に思うでしょう。

マリーちゃんに呼び出される前、黄金バットはどこで何をしているのでしょうか?

主題歌では『コウモリだけが知っている♪』と歌われていますが、作中でコウモリさんから語られた試しがありません(^_^;)

何となく、北極とかで暮らしてるイメージがありましたっけ…氷の城の中、やかんでお湯を沸かしてお茶を淹れてる黄金バットとか、皆さんも想像してワクワクしてましたよね?

うん、『ファイナルファンタジー』の召喚獣って召喚される前はどこで何してんの?

もしも、召喚された時にトイレ行ってたりしたらどうすんの? 我慢? 我慢しちゃうの?

いや、召喚獣はトイレ行かない!? 美少女だから! でも、美少女じゃない召喚獣の方が多いでしょwwww

あ、ちなみに召喚獣シヴァをずっと男だと思ってたのは小生です。ファミコン&スーパーファミコンの頃はグラフィックの解像度がね〜 ずーっと、高慢ちきな兄ちゃんだと思ってましたぉw 『ファイナルファンタジー7』の3DCGでびっくり仰天! 「シヴァが性転換してる!? いぃ!? ファンタジーだから性転換できるのか!?」とか騒いだ憶えありますわww

さて、そういうわけで、こういった疑問を突きつけられて当惑してしまいますよね?

描き手は読み手の疑問に答えなければいけません。ええ、自分自身も含めて読み手ですからね。そういういい加減な仕様は断じて許されないのです。主に夜中の校正中に自作を読んでて冷めたくないからww

……ってなわけで、これら、重要な問題について悩みまして。

拙著『人化♀したドラゴンが遊びに来るんだよ』作中では基本、動物愛護方式に決定しましたwww

幻獣と霊的関係を結んで、後はお友達になって契約って方式です。

幻獣は嘘が吐けませんから約束も違えません。裏切りは絶対にないという点でご安心!

でも、幻獣は賢くなかったり、人語を解さなかったりするので、きちんと命令を聞いてくれるとは限らない。

だけど、呼び出された幻獣が自分で戦ってくれるのでMPの消費はなし。魔法の苦手な人種でも動物が好きなら、もとい、幻獣が好きならガンガン使えます♪

また、四六時中、一緒にいるので『召喚される前はどこで何をやっているのか?コウモリだけが知っている』的な問題も解消されますww

うん、召喚するのは最初の一回だけで後は同棲してますけどね。

クヌートなの!? しろくまクヌートの悲劇を再現しちゃうの!?

あ、大丈夫です。

召喚獣、たぶん、クヌートよりも図太いんでwwww

まぁ、なかなか、面白いんじゃないでしょうか。

あ、今回、チラッと出てきた氷竜ミルドワは以前、これまた会話の中でチラッと出てきた瓦礫街リュッダの数代前の領主が竜騎士だった頃、騎乗していた竜です。

彼は氷竜を駆って当時のオルジア帝国をブイブイ言わせていたんですが、あまりに強すぎて活躍しすぎて目立ちすぎて対策されてしまいました。

帝国:「竜騎士ww強すぎwww修正されるねwww」

竜騎士:「うはっwwwwOKKKKKKwwww」

こんな会話が繰り広げられたのかわかりませんが、彼は氷竜ミルドワから降りて別行動しているところを狙われて討ち死にしました(ToT)

竜騎士:「よし、二手に別れよう」

氷竜:「おぅっ!!」

帝国:「氷竜から降りたぞ。これであいつだけだ。しめしめ……後ろからこっそり近づいて背中を一突きしてやれ」

(↑おまい、令和の今どき、「しめしめ」とか言うな!)

まぁ、こんな感じですね。

竜は物凄く強いので味方につけられたら、物凄く有利になります。竜騎士はほぼ無敵ですね。もう修正待ったなしで速攻、弱体化される勢いで強ぇ☆

まぁ、作中で博物学者ビョルンも言ってますが「人語を解する敵対的でないドラゴンは値千金」なのですww

えっ、暁光帝?

あの龍、他人の話は聞いても命令は聞かないからなぁ……

報酬も「(A⇒B)⇔(¬A∨B)の証明図を描け」とか、この時代の人間には用意できなさそうだしwwwww


さて、そういうわけで次回はついに暁光帝♀がやってきます。

乞う、ご期待!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ