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人化♀したドラゴンが遊びに来るんだよ_〜暁光帝、降りる〜  作者: Et_Cetera
<<歴史です。碧中海の戦争>>
41/197

碧中海の戦争。ついに決着! 世界の命運は如何に!? 果たして、暁光帝の出番はあるのか?

長々と引き伸ばしてきた、歴史描写、獣人戦争の決着がつきます☆

今までの描写にちょこちょこ出していたマーメイドやセイレーンも登場♪

人間同士のガチンコ勝負にどう絡むのか。

お楽しみに〜


キャラクター紹介&世界観はこちら〜>https://ncode.syosetu.com/n2816go/

 ことほど左様(さよう)に演説は力を持つ。戦局を(くつがえ)すほどの力を。

 これが人間と幻獣の違いだ。

 幻獣は演説を聞かない。よしんば、聞いても『ふぅん』で済ませてしまう。よくて、『そうなんだー』でお(しま)いだ。

 社会性に乏しい幻獣には、‘達’を付ける『俺達は凄い』の政治的修辞法(レトリック)が通じない。これら、欲望を煽る演説が通じなければ、当然、『俺達は危ない』と不安を煽る演説も通じない。

 つくづく、リーダーがやりづらい相手である。

 なので、両艦隊を遠くから眺める群れにもリーダーはいない。

 彼女達は人魚(マーメイド)。上半身は若い女性で下半身が鱗に覆われた魚という、美しい姿で多くの人間を魅了してやまない幻獣である。

 幻獣らしく一糸(いっし)まとわぬ全裸で立派な胸乳(むなぢ)を隠すものは豊かな御髪(おぐし)だけ。

 非常に扇情的(エロティック)である。

 乙女達は海面を漂いながら喋っている。

 「気合いよぉー」

 「気合いだわぁー」

 「ぐんと動きが良くなったの」

 「デカい船は硬そう」

 「細い船は速い」

 「細い船の方がデカい船よりも多いねー」

 「船同士を人間達がぶつけて乗り込むのよ」

 「キラキラ光る金棒で刺したり、斬ったりするんだわー」

 皆、どきどきわくわく興奮しているが、どっちがどっちなのかはわかっていない。

 そして、この人魚(マーメイド)の群れを両軍とも気づいていなかった。ここの海水の透明度では半魚人(マーフォーク)でさえ気づかない。

 その優雅な海の乙女達の上には海魔女(セイレーン)達が飛んでいる。

 両の(かいな)は大きな翼であり、力強く飛ぶ美女達だ。腰から伸びる尾羽根(おばね)が可愛らしく、長いおみ足が麗しい。

 当然、一糸まとわぬ全裸であり、豊かな胸乳を隠すものは大きめの羽の1枚のみ。

 やはり、非常に扇情的(エロティック)である。

 優れた視力で両軍の動きを見つめて。

 「気合いでしょうか」

 「気合いが入ったわね」

 「一気に動きが良くなりましたわ」

 「大きい船は硬そうね」

 「細い船は速いかと」

 「数では細い方が勝っています」

 「船同士を当てて人間達が乗り込むのかしら」

 「きらめく剣で突いたり、斬ったりするのですわ」

 お喋りに興じている。

 こちら、海魔女(セイレーン)も決戦の海域からはわからない。両軍の物見(ものみ)が目を凝らしても海鳥と区別がつかないだろう。

 どちらの幻獣も近づこうとはしない。

 これが人間の戦いだから。

 配慮とか分別ではない。

 人間の戦いに幻獣が混ざって勝負に影響を与えてしまうとつまらないからだ。

 うわさ話には尾ひれが着くものだが、自分達が見つめるものは真実だと誇りたい。

 だから、不純物(じぶんたち)を混ぜて勝敗の結果が変わって欲しくない。

 だから、こうして遠くから眺めるに(とど)めているのだ。

 見物するには少し遠いが、幻獣には魔法がある。光魔法で視力を補い、風魔法で音を拾えば人間達の様子もわかるというものだ。

 後は持ってきた弁当をいつ食べるか、そのタイミングだけが問題である。

 人魚(マーメイド)は海藻と貝の料理(非加熱で新鮮さが売り)を、海魔女(セイレーン)は野草と卵の料理(加熱して食べごろの温かさが売り)を持って来ている。

 さて、どの(あた)りで交換と行こうか。




 「むぅ! 始まるか」

 「ああ、始まってしまいますわ」

 デティヨン海の上空、戦場の海域を見下ろす上空で天使と悪魔がうめいた。

 ここで自分達が手を出すわけにはいかない。

 手を出す気もない。

 雲ひとつない青空だが、これだけ離れて見下ろしているのだ。人間達に見咎(みとが)められることはないだろう。

 よしんば、見つけられても、人間達は『天使と悪魔だ! 我々は神々の尖兵(せんぺい)に見守られているのだ!!』と、勝手に解釈して言い(つの)るだけだろう。

 それでいい。

 別にその見解が間違っているわけでもないし。

 ごつい筋肉を見せつけるべくポージングしている天使も。

 (あで)やかな唇で語りながら胸乳の谷間を見せつけている悪魔も。

 普段の険悪な関係はどこへやら。

 今は互いに協力して、機会(チャンス)(うかが)っている。

 果たして、人間同士の戦争に神々のつけ入る隙があるのだろうか。




 雲ひとつない青空の下、真夏の陽光に照らされて紺碧(こんぺき)の海が輝いていた。

 オールを握る手にも力がこもる。(いくさ)の勝利を信じて奴隷も水夫も一丸となってはげんだ。

 四方が水平線しか見えないデティヨン海に白波を立てて、巨大な三段櫂船(トライレーム)が走る。

 「オルジアの火を!」

 指揮官の命令に水兵達が動き出す。

 決戦兵器“オルジアの火”、その正体は可燃性の油だった。

 それを陶器の(つぼ)に詰めて火を着けた布とともに投石機(カタパルト)で跳ばす。これが火炎擲弾発射機(グレネードランチャー)だ。

 または船首の仕掛けから噴霧して点火する。仕掛けは竜の形をしているのでまるでドラゴンが炎のブレスを吐いているように見える。火炎放射器(ファイアスローワー)だ。

 どちらも魔法の助けを借りることなく、純粋に物理学的手段と化学的手段だけで火炎による燃焼攻撃を実現するオルジア帝国の秘密兵器である。当然、獣人海賊(ヴィーキングル)は知らない。

 そして、軍艦はすべて木造。

 如何(いか)に敵のロングシップが数で(まさ)っていても、この決戦兵器“オルジアの火”の前では紙細工も同然。

 燃やして海の藻屑(もくず)にしてやると、帝国兵士達は意気軒昂(いきけんこう)だった。




 対するノアシュヴェルディ海上王国、獣人海賊(ヴィーキングル)もオールを握る手に力を込めた。

 しかも、オルジア帝国の三段櫂船(トライレーム)に比べて段違いに速い。それは喫水の浅いロングシップだと言うだけではなく、船体を引っ張る半魚人(マーフォーク)達のおかげだった。(えら)呼吸できる海中生活者が軍艦の駆動力になってくれているのだ。船に乗せている漕ぎ手(こぎて)のオールだけで駆動力を得る帝国の三段櫂船(トライレーム)よりも(はる)かに速い。

 帝国が得意の白兵戦には付き合わない。この速度で翻弄し、矢を射かけ、沈めるのだ。




 ポイニクス艦隊はあわてていた。

 決戦が始まってしまう。

 戦場に到着しても、その時点で勝敗が決していては意味がない。

 帝国艦隊がやられたら次は自分達がやられる。

 そして、艦隊がやられれば国家もやられる。

 戦闘が始まる前に疲れて体力を喪失してしまっては本末転倒だが、背に腹は代えられぬ。

 全速前進。

 こちらも漕ぎ手らがオールに力を込めた。

 何がなんでも勝敗が決する前に戦場にたどり着かねばならい。




 この時代、魔法技術の発展は遅れており、勝敗を決するのは士気と技術力と男達の体力だった。

 稀少な魔導師はわずかな数が旗艦に搭乗するのみ。

 それも風魔法で司令官の命令を伝達するくらいで、高火力の魔法で艦艇を吹き飛ばせるような者はいなかった。ヒト族も獣人族も魔法の能力は似たようなもので、どちらも非力だったのだ。

 どの艦隊も懸命であり、故郷へ帰れないかもしれないという陰鬱(いんうつ)な空気が現れ始めていた。

 船長も司令官も『この戦いで大勢が死ぬだろう』と覚悟していた。

 だが、同時に『死ぬのは奴らだ』とも考えていた。

 戦争だから。

 そうでも考えないと戦争はできないし、戦争を引き起こした時点で為政者はそう考えるように民を仕向けるものだ。自分自身も含めて。

 だから、すべての艦隊が勝利を確信して突き進んだ。

 そして、ノアシュヴェルディ艦隊にオルジア艦隊が激突する。必死で追いすがるポイニクス艦隊を尻目に。

 開戦だ。




 その時、海が爆発した。




 ぎりぎり、まだ、火炎擲弾発射機(グレネードランチャー)の射程距離の外だったので互いの攻撃前だった。

 突如として戦闘海域の獣人海賊(ヴィーキングル)側の海面が盛り上がり。

 ロングシップの集団を飲み込むほどの巨大な水の山となって。

 次の瞬間、盛大に破裂して吹っ飛んだ。

 ノアシュヴェルディ艦隊は一瞬で全艦が砕け散った。その背後、非戦闘員の民間人を乗せた商船の群れだけがかろうじて生き延びることができた。

 交戦しようと全力で突き進んでいた帝国艦隊も止まる余裕はなく。

 大波と降り注ぐ膨大な水に翻弄(ほんろう)される。

 消失した膨大な体積を埋めるべく、大量の水が流れ込む。凶悪な水流が生じてガレー船はオールも折れて次々と航行不能になった。

 その上、軍艦よりも巨大な水の塊が空から振ってきて、それにかするだけで三段櫂船(トライレーム)は揺らぎ、船体に亀裂が走った。運が悪いと割れて沈み始める始末だ。

 ロングシップの群れを海の藻屑(もくず)に変えた水の山は視界を覆い尽くすほどの水柱の群れとなり。

 一瞬だけ“何か”を隠した。

 もっとも、そんな水柱がそびえたままでいるわけもなく。

 轟音とともに崩れ落ちて、その“何か”を、真なる恐怖を(あら)わにする。

 それは海中から飛び出した、世界を震わせるほどに巨大な質量。

 天に向かってまっすぐに飛んで揺らがず。

 直後、夜が来た。

 世界が真っ暗になったのだ。

 だから、誰しもが『夜が来た』と思った。

 だから、空を見上げた。

 見上げて、そして、理解した。

 「うわぁぁぁぁぁっ!!」

 生き延びた艦の司令官が叫ぶ。

 狂気の悲鳴は即座に伝染し、水夫も水兵も奴隷も天を見上げた者は例外なく叫び、倒れ、ひれ伏した。

 透けるような高い青空が巨大な六翼に覆われていた。

 真夏の太陽が(さえぎ)られて見えなくなっていた。

 それが“夜”の正体だった。

 金属光沢に輝く紫色の(うろこ)の群れが視界を覆う。透き通った白い鉤爪(かぎづめ)(うるわ)しい。銀河を散らしたような、(きら)めく虹色の瞳(アースアイ)が天空から自分達を、人間を見つめている。

 およそ信じがたいほどに、とてつもなく巨大なドラゴンだった。

 人々は知っている。

 オルジア帝国の臣民はヒト族らしく熱心に信仰し、祈りを捧げていたから様々なお告げにより神々の話を聞かされていた。いろいろな神々が競って信仰を求めて、いろいろなことを語っていた。

 しかし、“彼女”について語られることは同じ。

 すなわち。

 もっともわかりやすい破滅の形。

 この世の真の支配者。

 神殺しの怪物。

 (つぶ)した国は百を下らず、(あや)めた敵は万を下らず。

 「ああ…あああ…暁光帝(ぎょうこうてい)だ! もう駄目だ! お(しま)いだぁっ!!」

 豪奢(ごうしゃ)(よそお)いを着て、黒ひげを貯えた男が天を(あお)いで、みっともなく尻餅(しりもち)をついている。

 彼こそがオルジア皇帝。

 今、宇宙的(コズミック)恐怖(ホラー)()み込まれて正気を失い、泣き叫んでいる、哀れな男だ。

 間の悪いことに魔導師がその叫び声を風魔法に乗せて全艦隊に流してしまった。この世の埒外(らちがい)にある、神殺しの怪物を目にしたことで魔導師もまた発狂していたのだ。

 「うわぁぁっ!」

 「ひぃぃぃっ!」

 「助けてくれー!」

 「ママ、ママァッ! 怖いよぉーっ!!」

 禿()げ上がった頭の、髭面(ひげづら)の、たくましい、大の大人が恥も外聞もなく泣き叫んでいる。とうの昔に死んだ母親に向かって。

 さもありなん。

 ヒト族の最高権威者である、後ムツズ朝オルジア皇帝が赤子のように泣きわめいているからだ。

 皇帝が泣く事態なら配下が泣いても許されるだろう。

 上に立つ者が己を失っているのだから、船員達はどうしたらいいのか、わからなくなってしまった。本来ならば艦をこの恐るべき海域から脱出させるべく帆を張ったりオールを漕いだりするべきなのだが、なすすべもない。とにかく命令が来ないのだ。

 帝国艦隊はもう組織的な行動が取れなくなっていた。

 風魔法が皇帝の絶叫とともに宇宙的(コズミック)恐怖(ホラー)を運んで。

 為政者も、司令官も、船長も、多少なりとも教養のある者らは世界の真実に気付かされてしまった。

 神々に守られた美しく平和な世界はまやかしであり。

 夜のまどろみを支えるベッドの隣に。

 朝の家族が笑い合う日々の影に。

 昼の喧騒あふれる通りの裏に。

 恐るべき怪物が潜んでいて。

 神々は無力であり。

 その無力な神々が慈悲を()れて人間達の目蓋を閉じさせ、世界の真実から目を背けさせてくれていただけだったということを。

 気付かされた。

 自分が深淵の隣りにいることを忘れて、まどろんでいるときも、遊んでいるときも、語らっているときも。

 深淵は自分を見つめていることに。

 気づかされてしまった。

 そう。

 いつだって暁光帝がいるのだ。

 いつだって暁光帝は降りて来られるのだ。

 いつだって暁光帝は降りて来て自分を(つか)まえて……

 そこまで考えて、世界の真実に気付いた全員が発狂した。

 「あひぃぃぃっ! もう駄目だぁーっ!」

 「死にたくない! 死にたくないっ!!」

 「世界には真の支配者がいる! 俺は気付いてしまったんだ!!」

 「(あかつき)の女帝様に永遠の忠誠を誓いますから!! どうか! どうか! 世界を壊さないで!!」

 「俺はどうなってもいい! 家族は! 俺の家族だけは助けてくれぇっ!!」

 「あぁ…あははははっ! 靴を…俺の靴を差し上げますのでぇー」

 「お慈悲を! 後生(ごしょう)だからお慈悲をぉぉっ!!」

 只、悲鳴を上げて騒ぐ者、上空の超巨大ドラゴンに向けて祈る者、懇願(こんがん)する者、意味不明の交換を持ちかけて命を助けてもらおうとする者、いずれも正常な判断力を失い、発狂している。

 指揮官が泣き叫ぶばかりだから。

 兵士も、水夫も、奴隷も、只、逃げようとして駆け回ってはあちこちにぶつかって泣いていた。

 宇宙的(コズミック)恐怖(ホラー)を免れた、想像力の足りない部下達はより即物的な恐怖に駆られていた。

 海に飛び込めば溺れて死ぬ。

 この場に留まれば暁の女帝に殺される。

 どちらにしても破滅だが、何かせずにはいられなくて駆け回ったのだ。まったくの無意味だったが。

 誰も船を操らないから、どの船も大波にもてあそばれて、右に左に、上へ下へ、只、転覆(てんぷく)するほどの勢いで揺れるばかり。

 今、1つの艦がひっくり返った。

 船員達はどうすることもできず、冷たい海中に放り出されてゆく。重い鎧を着けた兵士達は泳ぐこともままならず溺れた。甲板にいた水夫達だけが木材や船体につかまって事なきを得た。船を漕いでいた漕ぎ手と他の水夫達は脱出できずにもがいている。

 天から降ってくる巨大な水の塊に襲われて頑丈な三段櫂船(トライレーム)が次々と木っ端(こっぱ)微塵(みじん)に砕けてゆく。

 それは恐るべき暁光帝の超巨体から滴り落ちる、只の(しずく)に過ぎなかった。




 オルジア帝国側が大混乱に陥っている時。

 ノアシュヴェルディ海上王国側は静かだった。泣き叫ぶ声もほとんど聞こえない。

 波の音とわずかなうめき声が聞こえるばかりだ。

 暁光帝が海から飛び上がる瞬間に生じた、水の衝撃波でロングシップのすべてが消し飛んでいたのだ。

 頑丈な軍艦が粉微塵(こなみじん)に砕け散るほどの衝撃を受けて人体がどうなるか、想像するまでもない。

 海中の半魚人(マーフォーク)達は更に悲惨だった。全員が水中にいたから全員が凄まじい勢いの水流に巻き込まれたのだ。1人残らず、お陀仏(だぶつ)だ。

 軍艦を粉砕した衝撃波がマーフォーク達を魚肉フレークに変えてしまっていた。

 ロングシップに乗っていた者達も皆、果てた。

 ノアシュヴェルディ大王も、お付きの奴隷も。

 獣人海賊(ヴィーキングル)の艦隊司令官も、名も知れぬ雑兵(ぞうひょう)も。

 船員も、コックも、雑用係も、荷運びも。

 分け(へだ)てなく、みんな、海に沈んだ。

 何もかもすべて海の藻屑(もくず)である。

 暁光帝は差別しない。

 誰にも等しく破滅を運ぶ。

 すべてを等しく無に帰す。

 わずかな数の庶民らが呆然として波間を漂っていた。

 かつて獣人の栄光だったもの、かつて軍艦だったものの残骸にしがみついて。




 陸に本拠地を持たないことが、ノアシュヴェルディ海上王国の強みだった。王都がなければ外国に攻め滅ぼされることもない。すべての国民が船上で生活しているのだから、疫病や戦争にも対応しやすい。貴族や王族は大船団の中央にいて安全だ。

 ところが、今回はそれが(あだ)になった。

 大王と王侯貴族、そして兵士と守るべき国民すべてを失ってしまった。

 再起を(はか)ろうにも、残った船は(ごく)わずか。

 陸の拠点としていくつかの植民地があるものの、それとて防衛に当たる軍隊が消滅してしまっている。程なくして、原住民に奪還されることだろう。

 終わりだ。

 その日、碧中海に()(とな)え、世界征服に乗り出した獣人海賊(ヴィーキングル)のノアシュヴェルディ海上王国は滅亡し。

 歴史からその姿を消したのである。

ここまでお付き合いくださり、ありがとうございます。

人化♀した暁光帝ばかり描いていたので本来の姿でちょっと暴れてもらいました(^_^;)

ところで…ここらで1つ疑問が湧いてきました。

目次の左上に燦然と輝く『この作品には 〔ガールズラブ要素〕 が含まれています。』の注意書きがまったく意味を成していない!!

…のは置いておいて。

今回の表現、R-15に該当するのでしょうか?

中学歴史の教科書ではそれなりの表現が見られますし。

実際、歴史の授業とか、様々な話が聞かれますしね。

少々、悩ましいところです。

さて、次回はマーメイド達の悩み♪

戦争見物に来たのに戦争が無くなっちゃった。さぁ、どうする?

ご期待下さい!

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― 新着の感想 ―
[一言] R15? そんなのいらねぇ! と、思います。
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