無事、世界は救われました☆ ましたか? そんなの、暁光帝は知りませんにょ。
全国アンデッド地位向上連盟からさんざん文句をつけられた、我らが主人公の暁光帝です。
とにかく何とかしろいう話だったので〜
何とかしましたwww
お楽しみください。
キャラクター紹介&世界観はこちら〜>https://ncode.syosetu.com/n2816go/
昼なお暗い、苔むした森林の上を幻獣達が行く。
家ほどもある水竜の背に乗って。
水竜は空高く飛び、復元された大地を眺める。
歩いてもいいのだが、大きな水竜が踏めば森の木々を傷つけてしまう。それを嫌って今までラナス大森林の奥にこもっていたのだ。凶暴な顔に似合わず、意外と自然を大切にする水竜であった。
「ほへ〜…これが天龍の大魔法なんだ…木の葉1枚残っていなかった森をぜーんぶ直したんだぁ。たったの一日でねぇ」
「彼女ならできます…っていうか、やりました。ずいぶんと不満を漏らしていましたが」
「おかげで重力魔法も教えてもらえたからこうしてお前らを乗せて飛んでいられるんだぞ」
「“おかげ”と言うなら全国アンデッド地位向上連盟のペレネー支部でしょう。あそこがさんざん騒いだので彼女も働かざるを得なくなったのです」
「ありとあらゆる暴力に対して無敵なのに言論には弱いとはのぉ…普通は真逆じゃろうに」
「それが天龍アストライアー…いや、それこそが彼女の支配の要そのものなのかもしれません」
幻獣達は口々に語りながら眼下の森を見物していた。
木立の隙間から草を食むシカの群れが見える。これから来る冬に向けてリスは木の実を集め、クマは食い溜めしている。
草原ではライオンの群れが昼寝していた。
何とも平和な光景である。
ラナス大森林は世界を救う一大事業の煽りを食らって木片1つ残さずに消し去られてしまった。それらは大義のためのやむをえぬ犠牲だったと言えなくもない。
しかし、そんな被害も今はなく、全ては完全に元通りの姿に戻っていた。
まさしく世界を一変させる天変地異そのもの、驚異の大魔法である。
では、誰もが天龍アストライアー恐るべしとおののいていたのか。
否。
皆、よく働いてくれるなぁと感心していたのである。
その羽ばたきで森を騒がせながら一行は海辺に向かって進んだ。
秋の日差しを浴びて静かに佇んでいた森だったが、家ほどもある竜が飛ぶと木々は揺れ、鮮やかに染まった紅葉も散った。
もちろん、龍の背中には日差しを遮る魔法障壁をかけてもらっているので日照対策も万全だ。
「こうして上から見物するときれいなものだね」
「今まで見過ごしていたのがつくづくもったいないわ」
幻獣達は口々に紅く染まった森を称賛した。
赤色、朱色、黄色、臙脂色、橙色、それに真紅の葉。
前後左右、見渡す限り、紅葉である。濃淡や彩度の違いこそあれ、見事に紅い。
龍の羽ばたきに驚いて鳥や虫が飛び立つも風圧で近づいてこれない。なかなか快適な旅路である。
「おぉっ、海が見えてきたぞ」
「まぁ、早いものですね」
「さすがはドラゴンだわ」
皆、水竜の速さを讃えつつ、海岸を見つめた。
「街道が失くなってる……」
「失くなっているってゆーか、アストライアーが造り忘れたのねぇ」
英雄の町アリエノールと隣町をつなぐ街道がきれいさっぱり消え失せていた。白い砂浜しか残っていない。
「そりゃ、目に入ってなかったんだろ。彼女は竜種の中でもとりわけよく飛んでるからなぁ…めったなことじゃ地上に降りてこないし」
「そんなしょっちゅう天龍に降りてこられたら世界が保たんのじゃ」
「そりゃ、彼女だしねぇ……」
散々な言われようだった。
そびえ立つ市壁に囲まれた町に多くの家々が立ち並ぶ。棒の支柱に布地を張っただけの露店が集まった市場も昔通りだ。
立派な城塞は壁にツタが這い、緑に苔むして何十年も経っているかのように見える。
教会の尖塔は高く、色鮮やかなステンドグラスが夕日に映えて美しい。
水竜は力強く羽ばたき、中央の広場に降りていった。
かつて、獣化屍従者が暴れて大勢が亡くなった、あの広場である。
しかし、悲劇の現場はきれいに整えられていた。また、大きな舞台が設えられ、演説する有力者を待っている。
「あー…ほんとよくできてるわね。どこもかしこもアリエノールの町そっくりだわ」
「全部ハリボテですけどね」
しみじみ語る屍導師イレーヌに幽霊女中サロメがさり気なく答えた。
「教会も家もドアはあるけど壁と一体化していて開かないし、お城の槍や剣も壁から直に生えていますよ」
サロメは実際に近寄って家のドアを引っ張ったが指が滑るばかりだ。
「これが人間の家、その模型なのか…原寸大かね?」
「ええ、間違いなくよくできています。家としては使えませんがね。いや、だからこそ模型なんでしょうけど」
通りを歩く水竜ガルグイユとハゲ頭の吸血鬼ハミルトン男爵だ。
水竜はしきりに感心していて、男爵は元・人間としての知識を披露しつつ、少し自慢げに説明している。
「うわぁ…1軒1軒、建てたのねぇ…あのデカさじゃ、小指の鉤爪の先でもつまめないんじゃなぁい? すっっっごいわぁ〜」
「う〜ん、これこそが無から有を生み出す大魔法“物質創造”なんでしょうね。始原の魔導師アストライアーなんだし、それくらいやってのけるのだわ」
妖人花の疑問に魔女が答えていた。
幻獣達は人間の町というか、それを模した箱庭で遊んでいるのだ。
「むむむ、これは! ツマグロオオヨコバイじゃぞ!」
庭木を観察していた樹木人が珍しい昆虫に驚いて声を上げた。
「あぁ、それはアストライアーの好みでしょうよ。彼女の好きな昆虫なんだって」
人差し指にくだんの昆虫を乗せて魔女が説明した。コウモリだの、イモリだの、普段から奇っ怪な生き物を扱っているので今さら黄色い羽虫の一匹くらい恐れるものではない。
「すると、このオオミズアオもかね? この辺りでは見かけない種じゃからやはり彼女が持ち込んだんじゃろう…うむぅ、面白い話じゃ」
博物学者のトレントが伸ばした枝に水色の大きな蛾が止まっていた。人間の腕ではないから蛾も安心していて飛び立とうとはしない。
「ただ働かされるのも面白くないと腹いせにお気に入りの虫を撒いたのね……」
超巨大ドラゴンの戯れに魔女は呆れた。
彼女がその気になれば片手間にペレネー山脈ごと根こそぎ土地を消し去れるだろうに。
いや、実際、それで辺り一帯を真っ平らに均してもらったのだった。
ところが、あちらこちらからこのままではまずいとの声が上がったのである。
急いで何とかしようということになり。
森の幻獣達の総力を上げて考えた。
けれどもそんな解決策があるわけもなく。
結局は何もかも最終調整者“物語を終わらせる者”頼みだった。
全国アンデッド地位向上連盟が猛烈に抗議してくれたのである。
その結果が初期化され尽くした広大な自然をたったの1日で何もかもすっかり元に戻した偉業である。
それも獣化屍従者だけ除いて。
あれだけ苦労させられたのに今度は夜がな夜っぴいて働かされた天龍も散々なことだ。
ずいぶんと鬱憤も溜まっていたに違いない。
それでも腹いせにお気に入りの昆虫を撒くくらいで済ませてくれたのはやはり天龍アストライアーがこの上なく優しく上品でおしとやかな貴婦人だからなのだろう。
「そういや、ペレネー山脈を削り取って造った平野も埋めてちゃんと山に戻していたわね。吹き飛ばした土砂で南ゴブリン王国が大変なことになってたけど」
「うむ、大災害だったじゃろな。あれで侏儒達も誰が来て何をしたのかおおよそのことはわかったのじゃろう。しばらくはこちらへ近づくまいな」
魔女は天を仰ぎ、トレントは枝を広げた。肩をすくめてやれやれと言ったふうだが、樹だから肩も腕もない。
家々の中は蜘蛛の巣だらけだった。
貧民の家なのだろう、ドアがなく入口に垂れ幕かかけられただけの家があったのだ。
「うわぁっ、なんて凄い量ですか!?」
訪れた骸骨は髑髏の上から白い網をかぶって閉口している。
幸い、眼球がないから蜘蛛の糸が眼窩に入り込んでもそこまで困らないが不快感は凄い。
これに幽霊貴族のシャルルは目を丸くしていた
「暁光帝…もとい、天龍アストライアーは廃墟に蜘蛛の巣が付きものだと思いこんでいるのですね。東の遺跡も蜘蛛の巣だらけだったとアン連の墓鬼が嘆いていましたっけ」
天井から降ってきたホコリや蜘蛛の巣も半透明の肉体につくことなく、すり抜けて落ちていく。
何とも申し訳ない気分になった。
いや、厳密に言えば街の復元はシャルルのせいではないが。
仮初とはいえ、こうして消滅したアリエノールの町を復元してもらえたのは全国アンデッド地位向上連盟の助力があってこそなのだ。
「あれだけ博物学に造詣が深いのに人間には全く興味を持たないんですよね? 人間のような汎存種はありきたりで珍しくないから天龍は関心がないんでしょうか」
骸骨はやれやれと髑髏を振って笑った。
骨しかない無表情なのに妙に人間臭い振る舞いだ。
「蜘蛛のように小さくて複雑な生き物も復元してしまう彼女の大魔法“物質創造”には頭が下がります。さすがは始原の魔導師アストライアーですね」
白い骨しか残っていない指に小さな蜘蛛が這う。
気味の悪い鋏角類だが、骸骨は嫌わない。自然の生物と超自然の幻獣の貴重な交流だと思っている。
「申し訳ないことです。暁光帝の固有魔法…いえ、天龍の時間魔法ですか、あれでペレネー領全域の時間を巻き戻してしまえば労せず全てを復元できるのにわざわざ手間を掛けてもらいました」
自分のせいで今回の事件が起きた。そう悔やむシャルルはたまらない気分だったが、同時にアリエノールの町が復元されて嬉しい気持ちもあった。
非常に複雑である。
「時間魔法で全てを元通りにすればせっかく処分した獣化屍従者も蘇ってしまいますからね。仕方ありません」
骸骨が理解を示してくれた。
これは多くの幻獣にとって共通の見解であった。
『仕方がない』という感覚。
もうどうしようもないのだ。
最終調整者“物語を終わらせる者”が介入した以上、こうなることは避けられなかったと言える。
「そう言ってもらえると気が休まります」
幽霊貴族はホコリだらけの台所を進み、同じく誇りだらけで蜘蛛の巣だらけの木皿に触れようとした。
「ふむ……」
指先がすり抜けてしまい、まだ、つかむことはできない。
まだまだ練習が必要のようだ。
幽霊として自分は死んだばかり初心者だ。本格的に活動できるようになるのは相当先のことだろう。
けれども、かまわない。
骸骨とはこうして上手くやって行けている。
…ような気がする。
彼…いや、彼女なのか、性別はわからない。不死の怪物の多くは生き返っても生前の記憶を失っているらしいのだ。
それに自分は骨格から性別を判別するような骨相学や復顔術の知識はない。
本人も気にしていないようだし、どちらでもかまわないのだろう。
「人間はこうして窓から道行く人々を眺めていたんですね」
骸骨は感慨深げに言いつつ、少しだけ訝しんだ。
自分は人間の町に来たことも人間の家の窓から外を覗いたことも初めてのはずだ。
それなのにまるでいつもやっていたかのように情景を想像できた。
「ふぅむ…やはり私も生前は人間だったんですかねぇ……」
実感はないが、そうだったのではないかと思えた。
「そう感じるのなら我々で町を作ろうじゃありませんか」
シャルルは透き通った両腕を広げて久々に説いた。
聴衆が骸骨1人しかいない演説会である。
「有翼七首竜や他の骸骨達と一緒に暮らす、死者の都市を繁栄させましょう。死んで何もかもお終いというわけではないのですから」
生前は部下や民衆を前によく説いたものだ。
死者シャルルの目は死人とは思えないほど希望に輝いていた。
皆を連れて町にくわしい屍導師イレーヌと幽霊女中サロメがあちこち名所だった場所を案内していた。
一応、今でも名所に見えるが、しょせんはドラゴンが真似ただけの模型だ。いや、このアリエノールの町そのものが彼女の作った箱庭なのだ。
荷車の車輪は固定されていて回らないし、井戸の鶴瓶は動かない。
港の埠頭に漁船や貨物船が浮かんでいる。1隻残らず、舫い綱で固定されていて波にさらわれることはない。
その綱は係船駐から直に生えていて解けず、船を出港させるには切るしかない。
もちろん、全てが固定されているから舵を回すことも帆を下ろすこともできない。
おそらく天龍アストライアーが仕組みや役割を理解せず、形だけ真似たのだろう。
「“物質創造”は思い描いた物質を何でも好きなだけ生み出せる。けれども彼女は人間に興味がないわ。ありふれた、珍しくない、つまり全く面白みのない生き物だと思っているのです」
無から有を生み出す、驚異の大魔法についてイレーヌが解説してくれた。
紫の龍鱗を輝かせる、美しき、その使い手の価値観と思考についても。
「う〜ん…でも、それは人間にとってよいことなのでは?」
ハゲ頭の吸血鬼ハミルトン男爵は考えている。
もしも、天龍が人間に興味を抱いてしまったらどうなるのか。
間違いなく人間にとってろくなことにならないだろう。
自由が失われる。
ドラゴンに飼われたら幸せにはなれるかもしれないが。
「それはそうかもしれませんね……」
死女は苦笑いを浮かべた。
「これが“船”か。初めて見たぞい。話には聞いていたが…海を行けない人間の乗り物なのだとか」
「へぇ…人間って面白いことするのねぇ。イルカにでも乗せてもらえばいいのに〜」
隣で樹木人が感心し、妖人花が呆れていた。
遮る物とてない港を吹く潮風にさらされながら半裸のままで踊る妖人花はたくましい。
「無人の広場、無人の港、無人の城塞…アリエノールは本当に滅びてしまったんですね」
幽霊女中サロメが感慨深げにつぶやいた。
悲しんでいるわけでも怒っているわけでもない。住み慣れた町が超巨大ドラゴンの手慰みで造られた箱庭になってしまった事実を見て色々感じるものがあっただけだ。
「色々申し訳ありません。人間が貴女の創作物を汚して町を滅ぼさせてしまいました」
秋の日差しにきらめく水面を見つめながらハミルトン男爵はイレーヌに謝罪の言葉を発した。
今回の事件を引き起こした人間に代わって謝ったのだ。
けれども、死女はそれを受け入れない。
「あら、死んでいるのに貴方は今でも人間なんですね」
楽しげに笑った。
「いえ、死んでからも獣の血をもらうばかりでして…あまり吸血鬼になったって感覚がないのですよ。研究に勤しむ生活は生前と変わっていませんし」
男爵も苦笑いを浮かべた。
「暁光帝の尻尾は強烈ですからね。故郷の町も消し飛ばされてしまいましたよ。住民はもちろんのこと、畑や建物も戻してはもらえませんでしたが……」
天龍アストライアーの“掃除”はペレネー領の全域に渡っていた。その後の“回復”は自然環境に限られ、人間に関わる物事は忘れ去られていた。
英雄の町アリエノールの復元は数少ない幸運な例外である。
それはたまたま暁の女帝様が憶えていてくれたおかげだろう。
おそらく海を背景に目立つ景色の1つだったので印象に残ったのだ。
超巨大ドラゴンに関心を持たれたことが良いことなのか、悪いことなのか、定かではないが。
「フフフ…“暁光帝”ですか。それは人間から見た彼女の呼び名ですよね? 貴方が未だに彼女を“天龍アストライアー”と呼ばないことに安心しましたわ」
微笑んで死女は沖を指差した。
水平線の彼方に船が見える。1隻や2隻ではない。結構な数の船団だ。
「ひょっ! あれはもしや生き残りの住民!?」
驚きのあまり、男爵は素っ頓狂な声を上げてしまった。
獣化屍従者は海上に出られないと言う。進入可能な地形として認識されないそうだ。製作者が言っていたから間違いないだろう。
生き残った住民が今まで海上に避難していたのだとしたら賢明なことである。
「えぇ。グィルが…友人がこれから戻ると伝えてくれましたから。だいぶ数は減ってしまいましたが、これでアリエノールの町も復興されることでしょう」
イレーヌはくすりと笑って。
「そうなれば需要も戻って私の亡者市場も復活します」
一言、付け加えた。
死女にとっては最も重要なことだ。
実のところ、町は重要ではない。
住民もだ。
町が活気づいて住民が活動して労働力としての屍従者を欲しがる亡者市場があることこそが重要なのである。
「よろしゅうございましたね、ご主人様」
サロメも喜んでいる。
死霊術師の商売がまた無事に始まるようだ。
人間に友好的で、人間と仲良く付き合い、人間とともに暮らすイレーヌであるが、幻獣であって人間ではない。
「あぁ、そうか……」
男爵は気づいた。
暁の女帝様が町にも人間にも関心を持たないことは良いことなのだ。
おかげで人々は自由に暮らせる。
人間は間違える。
人間は失敗する。
それ故、これからも自らの失敗が招いたり、外敵が送り込んできたり、天災や疫病が襲ってきたり、様々な試練がやって来ることだろう。
不幸も破滅もてんこ盛りだ。
しかし、それでいい。
抗うことができる。
襲ってきた試練に耐えて耐えて、頭を上げて、立ち上がって、前に進める。
殴られたら殴り返す。
人間はそれができる。
だから、幸せなのだ。
「私は死んでしまいましたが、皆さんには生きてほしいものですね」
ゆっくり近づいてくる船団を眺めながら男爵は微笑んだ。
人々は今回の出来事を記して後世に伝えるだろう。
人間の目で観察して、人間の考えで評価して。
当然、そこには誤解も勘違いもてんこ盛りだ。
それでまた新たな試練を前にして失敗の山を築くのだろう。
右往左往して、転んで、傷ついて、苦しんで、泣いて、それでも立ち上がって。
自分はもうそこに混ざれなくなってしまったが、まぁ、いい。
「皆さーん、もうしばらくしたら人間達が戻ってきますよー!」
振り返って叫んだ。
水竜も魔女も樹木人も妖人花も遊んでいる。
楽しそうに。
ようやく自覚できた。
自分はもう別の世界の住人になったのだ。
暁光帝のことはもう“天龍アストライアー”と呼ばねばなるまい。
吸血鬼ハミルトン男爵は足取りも軽く幻獣達の元へ歩くのだった。
ここまで読んでいただきありがとうございます♪
はい。これにて『人化♀したドラゴンが遊びに来るんだよ』新章<<歴史です。産めよ、増やせよ、地に満てよ!? ゾンビ地獄じゃぁぁ!!>>は一巻の終わり…と言いたいところですが、まだ後もう一本だけエピソードが続きます(^_^;)
でも、まぁ、ダブル主人公(仮)、墓場のイレーヌとハゲ頭の吸血鬼ハミルトン男爵の物語は落ち着きましたね。
結局、2人が会話したシーンはここだけwww
ダブル主人公(仮)なのに互いに協力することもなくwwww
ハミルトン男爵なんて水竜ガルグイユや魔女の隣で驚いたり、あわてたりするだけ?
いやいや、ちゃんと最後の最後で暁光帝の意識をゾアンゾンビの方に向けさせるという重大な役目を果たしましたから大丈夫、ちゃんとダブル主人公(仮)の片方やってます。
墓場のイレーヌは人間側の物語を動かしましたしね。
ううん、人間達が右往左往していただけで結局アリエノールの町は滅びちゃいましたがwww
小生、嫌いな展開が山ほどあるわけですが。
魔法少女の物語で最後、主人公が魔法の力を失って普通の女の子に戻るってゆー展開がこれまた大っ嫌いです。
何ですか、アレ?
「いつまでも夢なんか見てるんじゃねぇよ」「現実を見ろよ」的な作者からのメッセージ?
惰弱な!
読者に夢を見せたんならそれこそ読者が死ぬまで見せたままにしたらんかい!!
現実的にそれが無理でもそれくらいの気概は見せろや!!
…って思っちゃいますよね〜〜
教育的な言い訳くっつけなきゃ物語を組めないような惰弱な連中の真似はしたくありません。
なので、ハミルトン男爵が吸血鬼から人間に戻ってめでたしめでたしみたいな展開にする気は初めからありませんでした。
最後、魔法少女は魔法の国に行っておしまいですわ。
ちなみに原初の魔法少女『魔法使いサリー』では主人公のサリーちゃんが魔法の国に戻っておしまいでしたね。
ところがその後の魔法少女作品だとたいてい魔法の力を失って普通の女の子になる展開がしばしば見られました。
いえね、これって夢オチと同じじゃないですか。
今まで語られた物語はすべて嘘だぴょ〜んとやるのが夢オチですが、魔法少女が魔法の力を失う展開も「じゃあ、初めから魔法の力なんかに頼らずにやっとけよ」ってツッコミが入ってしまいます。
でも、大人気の魔法少女アニメとか制作している側としてはアニメにのめり込んで戻ってこなくなる児童を不安視した…というか、小生に言わせれば描き手側にそこまで根性が据わってなかった話なんですよね〜〜〜
いや、ダメでしょう。そんなの。
…というわけで、ハミルトン男爵は吸血鬼として幻獣の側へ戻り、墓場のイレーヌは幻獣として人間の側に戻っていきましたとさ。
めでたし、めでたし、です(^o^)
ちなみに。
作中で描写しなかったんですが、ミシェルがアリエノールの町を救う手段は1つだけ残されていました。
墓場のイレーヌは領主としてのミシェルが頼んでも顧客であるシャルルの父親としてミシェルが頼んでも聞いてくれませんでした。
ついでに親友のギヨームの頼みも聞いてくれなかった。
だから、2人は諦めてしまったわけですが。
ミシェルが新たな顧客として墓場のイレーヌに仕事を依頼すれば聞いてくれたのです。
それこそ「息子のゾアンゾンビを退治するための新たなゾンビ軍団を用意してほしい」と正式に依頼していれば墓場のイレーヌに否やを言う気はありませんでした。
結局、ミシェルもギヨームもイレーヌのことを「以前に殺した女」とか、「長年の付き合いがある幼馴染み」としてしか見てなくて「稀代の天才ゾンビ職人」として見てなかったんですね。
そして、ラナス大森林の幻獣達はゾンビを仲間と思っていませんでしたが、奴隷として扱える死体とも考えていなかったので依頼するという発想そのものが生み出されませんでした。
もっとも、ゾンビを造るための材料、死肉が足りなくなっていましたから、依頼されても新たなゾンビ軍団を造り出すには何ヶ月もかかっていたでしょう。
そうなると被害の拡大はあんまり食い止められなかったのかもしれません。
そういうわけでステータスオープン!!
種族:屍導師
名前:イレーヌ
職業:アンデッド マスター
身長(m):1.78
体重(kg):80
偏差: 1.08
(・人・)形状:爆乳ロケット型
魔力最大値(gdr):8100000
魔力回復量(gdr/s):4000000
回復時間(s):2.03
腕力:4.2
速度[比]: 4.57
速度[m/s]:31.97
"速度(km/時)":115.10
魔法属性:8属性、防御結界、死霊、邪、再生
<<屍導師イレーヌ:”Irène”>>
『Le Con d'Irène』(Louis Aragon)より。
一人称:私
身長1.78mの体重80kg、爆乳ロケット型の美女でアンデッドモンスターでありながら豊満と言っていい肉がついている。
腰まである黒髪ロングヘアーで青い瞳、面立ちは整っていてかなりの美女だが、しばしば前髪で顔を隠す。常に計算尺と虫眼鏡を持ち歩いている。
長身だが、性格が控えめで終始オドオドしており、相手を苛つかせることもある。
もともとは“若き天才”と讃えられた死霊術師だったが、故郷ペレネーでの活動が目立って領主の後継者候補から槍玉に挙げられて誅殺されてしまった。
故郷の墓場から遺骸を盗んだ証拠はなく、実際に死体泥棒もしていなかったので濡れ衣である。
殺される前は主に軍や冒険者パーティーに戦闘用屍従者を卸していた。その時点で『頑丈で戦い上手な屍従者』と評判が良かった。
屍従者製作者が死霊魔法と邪魔法を修めていたので、屍従者の製造とメンテナンスを引き受けていて、軍とも冒険者パーティーとも関係は良好で信頼されていた。
けれども、主な商品が屍従者であるため、一般人から白い目で見られ、とりわけ、神職からは嫌われていた。
そのこともあって、功を焦る領主の長男から目をつけられ、殺されるに至った。
殺されてしまったが、あらかじめ掛けておいた死霊魔法版の死者蘇生fが効果を発揮して屍導師として蘇ることができた。
しかも、本人は『よくあること』『あぁ、びっくりした』で済ませてしまったから大物なのかもしれない。
アンデッドモンスターの最強格である、屍導師だが、死んだことによる変化をほとんど気にしてもいない。
骨だけになる屍導師もいるが、女性らしく本人の希望で生前とあまり変わらない姿をしている。
また、行動も生前と変わらず、『死んじゃったよー』と愚痴をこぼしながら軍や冒険者パーティーと付き合い、屍従者を卸し続けていた。
強大なモンスターであるが、それを鼻にかけて尊大になることもないし、暴力を背景に他人を脅すこともない。
技術者であり、死霊魔法の魔導師であることに誇りをもっている。
その後、研究を続けてさらに高効率で低価格の屍従者を開発した。
獣化屍従者である。
これは生き物の能力を付加した屍従者で通常のタイプと比較してすこぶる強力だ。
すると、この獣化屍従者を開発したところで領主の次男に目をつけられた。
先代と同じく実力主義の家風に晒されて、功績を示さなければ領主になれない。先代はイレーヌを誅殺することで功績をでっち上げたが、次男は違った。逆にイレーヌに肩入れして、新開発の獣化屍従者を提供してもらったのだ。
これにより、領主の次男が引き起こした紛争がペレネー領とそこを含む広範囲の地域を地上から完全に消し去ることになった。
生前も死後もとにかく研究と開発に没頭していてあまり周囲が見えていない。
本人の夢は便利な屍従者がより多くの人々(必ずしも人間である必要はない)に好まれ、利用されるようになること。
そのため、高級屍従者に興味はなく、より少ない魔力でより効率的により強力な屍従者を大量生産することにこだわる。
屍導師らしく強力な魔法を操る。精霊魔法は8属性の全て、防御結界魔法、死霊魔法とアンデッドモンスターを回復させる邪魔法を使う。
アンデッドモンスターらしく再生能力も高く、戦闘になればしぶとい。手足はおろか頭を切り落とされても再生できる。
また、高位のアンデッドモンスターなので日照にも対応でき、防御結界魔法で耐えられる。
とある幽霊屋敷で怨霊サロメを従者として雇い、未練を晴らす約束をした。
死後、アンデッド化してサロメの未練を晴らしてやった。
さすが、ダブル主人公(仮)の片方らしく我ながらずいぶん細かく設定したものですね。
身長もパワーも体重も微妙にサロメよりも小さく、プライベートではサロメ☓イレーヌです☆
でも、魔気容量が810万ゲーデルと膨大でサロメのほぼ千倍、魔法も火氷風土雷水光闇の8属性全てが使える上、防御結界魔法も行ける。
当然、死霊魔法と邪魔法も使えて肉体の損傷を直す再生力も高い。
まともに戦ったら冒険者パーティーでは勝負にならず、たとえ幽鬼アルフォンスと怨霊サロメと亡者ベルナデットが束になっても敵いません。
アリエノールの全軍でかかっても無理無理カタツムリwww
じゃあ、初めからイレーヌ本人がゾアンゾンビを一掃するように働いていれば?
余裕ですね。
でも、それは創造者が被創造物を軽んじることになるのでやりませんwww
それこそフランケンシュタイン博士の二の舞になってしまいます。
イレーヌは偉人の言葉には経緯を示すのです。
名前はルイ・アラゴン著『イレーヌのコン』からwww
いや、読んだことはないんですけどね〜
昔々、読んでみたかったけど本が見つからず、読みそこねた作品です(^_^;)
じゃ、も一つついでにステータスオープン!
種族:吸血鬼
名前:ハミルトン男爵
職業:アンデッド普通の人物
身長(m):1.68
体重(kg):64
偏差: 0.96
(・人・)形状:-
魔力最大値(gdr):67
魔力回復量(gdr/s): 32
回復時間(s): 2.09
腕力: 2.8
速度[比]: 3.81
速度[m/s]:26.64
"速度(km/時)":95.92
魔法属性: 氷、闇、魅了、コウモリに変化
<<吸血鬼ハミルトン男爵:William Rowan Hamilton>>
一人称:“私”
身長1.68mの体重64kg、少し小柄な4th吸血鬼の男で元はヒト族だった。
ラナス大森林に棲み、“男爵”を名乗っているが、別に貴族ではない。
生前は根っからの学究の徒でアリエノール領主ロシュフォール辺境伯の傍流だったが、学問好きが過ぎて出奔、高名な師について博物学や天文学、数学を修めた。生涯独身でそのまま老いたが、今際のきわの無念を案じられて吸血鬼にしてもらった。
モンスター等級Cクラスに相当する4th吸血鬼なので魔力も体力も大したことがなく荒事には向いていないが、生粋の学者である。生前は功績が認められず、誰からも顧みられることがなかった。そのせいで墓碑銘に『役立たずここに眠る』と記したほど。人間に絶望して死後、吸血鬼として復活し、ラナス大森林の水竜ガルグイユを頼った。
吸血鬼だが、昼なお暗く鬱蒼とした大森林は日が差し込まず、日中でも活動できる。おかげで昼夜を問わず希少な生物を研究したり、光学や力学の問題に取り組んだりしている。
樹木人や花白仙女、大蟹や松精霊とも付き合いがあり、異なる分野の学問にも強い興味を示す。また、詩歌にも通じて妖人花や死哭女とも付き合う。
少食で余り血を吸わないものの、たまにアリエノールの街に赴いて夜の街を徘徊する浮浪者を魅了したりしている。他には森のシカやイノシシを魅了して血を吸っている。
はい、雑魚〜〜〜
戦闘能力は低いし、魔気容量もちょっと多いってくらい。
亡者女中と同じか少し下ですねwww
まぁ、いいんです。
バトルシーンありませんし。
モデルは某偉人です。
もともと、病院のベッドで寝ていたときに思いついた妄想が基本です。
無念のうちに亡くなった偉人が蘇って森の幻獣達と一緒に研究を続けていたらという妄想がはかどりましてwww
作中では一番幸せに過ごしていましたね。
事件が終わってもどこを吹く風?
またまた悠々自適なスローライフに戻りました。
本来の章タイトルは<<役立たずと罵られて死んだが吸血鬼となって蘇ったので森でスローライフを堪能します_〜私の研究心がMAXなのだが? 今さら戻れと言われてももう遅い!〜>>でしょうかwww
そして、冒険者ギヨームやロシュフォール家はステータス表がありません。
こちらはバトルシーンのない脇役なのでwww
えっ、暁光帝もステータスオープン?
0がたくさん連なりすぎて○○×10の□□乗みたいな表現だらけになったのでwww
それに女性は秘密が多いのです\(^o^)/
さて、そういうわけで次回は<<歴史です。産めよ、増やせよ、地に満てよ!? ゾンビ地獄じゃぁぁ!!>>のいよいよ最終話『 その後、人間と神々と幻獣は大変でした。えっ、暁光帝は知りませんにょ。依頼されたクエストをこなしただけですからねw 』です。
請う、ご期待!




