「増える♪増えるゾンビ♪ 回る♪回るゾンビ♪ 走る♪走るゾンビ♪ 歌う♪歌うゾンビ♪ 輝く光♪(光) 強い力♪(力) みんな、みんなゾンビ♪ ゾンビのマァク♪」歌ってみると気分のいい暁光帝です☆
広場は大騒ぎ!
大量のゾンビが発生してしまったのです\(^o^)/
でも、ご安心ください。
墓場のイレーヌ謹製のゾンビは近年のハリウッド映画で世間をブイブイいわせている人類の敵ではありません。
顧客の声を聞き、顧客の命令を忠実に果たし、顧客の生命と財産を守る、忠実なしもべなのです☆
ステキですね♪
……だけど、もし、その顧客が「ゾンビよ、世界中の人間を皆殺しにしろ」と命じてしまったら?
はい。
おまたせ! 世界の終わり、いっちょう上がり!
……ってな具合です(^_^;)
人類絶滅の危機が到来しました。
はてさてどうなってしまうのでしょう?
お楽しみください。
キャラクター紹介&世界観はこちら〜>https://ncode.syosetu.com/n2816go/
夜が更けたものの、アリエノールの町は騒乱が治まらず、あちこちで怒号と悲鳴が交差していた。
ヒト兵士達は眠りたかったのだが、夜通し、敵と戦う羽目に。
そもそも死者である獣化屍従者は眠らないのだ。ただ、言われた通り、前進して自分達に下された命令を果たすのみ。
夜の闇をものともせず、ひたすらに進み、戦う。
アリエノール軍と冒険者達は何とか連携して対応しているものの、恐怖も疲労も知らないアンデッドモンスターどもは手強い。
広場の出入り口にバリケードを築いて火を放ち、かろうじて抑え込んでいるが、どれだけ油が保つのやら。
冒険者と兵士の連合軍を統括する指揮官の表情は暗くなるばかりであった。
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月がアリエノール城塞を照らす。
黒々と変色した石壁は年月を経て堅牢な城をしっかり守っているように見えるが、住人はもはや安心して眠れない。
「あの“猛獣兵士”と呼ばれている怪物は極めて画期的な代物です」
面影だけは親兄弟に似ている麗人ルイーズ・ロシュフォールが語っている。
「自分が攻撃した人間を材料に仲間を増やす、つまり、戦場でゾンビを製造しているに等しい。倒された兵隊が何度でも立ち上がり、しかも増えるという、戦術や用兵の常識を覆す逸品ですね。実に素晴らしい」
賞賛の言葉を重ねる。
けれども、表情を一変させて。
「あ、コホン…失敬」
短く咳払いしてから。
「味方にすればとてつもなく頼もしく、敵に回すととんでもなく厄介な相手です。そして、今の状況は……」
やれやれと肩をすくめた。
ルイーズはロシュフォール家の長女だ。
不幸に見舞われたアルマンやシャルルの妹に当たる。兄弟姉妹の中でも良識派で野心を抱かず、非常に有能ではあるが何かにつけて職責から逃れたがる。
そうでありながら政務も軍務もそつなくこなし、誰からも信頼されていた。
典型的な“有能な怠け者”タイプの指揮官だと言える。
ルイーズに続いて兵士長が語りだす。
「現在、オオカミやネズミなど、一部の素早い猛獣兵士がバリケードを抜けて市街に入り込み、住民を襲っています。すでに怪物化してしまった者も確認され、徐々にその数を増やしている模様」
戦況は厳しい。兵士長も渋い顔で報告した。
「猛獣兵士の製造元は間違いなく墓場のイレーヌです。以前、勧められましたが、自分は信頼できる従来品を好む質なので断った次第であります」
そろそろ老境に差し掛かろうという兵士長は若い頃から付き合いがあった。それこそ生前のイレーヌとも、だ。
現在も軍用ゾンビの納入に携わり、専用のゾンビ部隊を指揮するほどにくわしい。
長年、親しかったからイレーヌ本人から話も聞いていたのである。
「現在、墓場のイレーヌは消息不明でございます。今回は顧客がシャルル様であり、身内の争いに巻き込まれたくないのかと」
家令が状況説明の補足をしてくれた。
死女は面倒事を嫌う。売り先が互いに争い始めると関わりを断とうとして距離を置くのが通例だった。
「そうか……」
わずか1日も経ずして、すっかり老いたように見えるミシェルは酷く疲れた顔でうなずいた。
もう町はめちゃくちゃで大勢が傷つき、中には生命や財産を失った者もいる。
「何が……」
『何が悪かったのだろうか?』『どこで間違ってしまったのだろうか?』と口に出しそうになって何とか押し留めた。
非常事態である。
為政者が弱音を吐くわけにはいかない。
「ルイーズ、早馬を出せ。王都に救援を求めるのだ」
重々しく決断した。
「父上、それは……」
あまりにも重い決定にさしもの怠け者も絶句した。
敵軍の強襲でないにも関わらず、辺境伯が王都に救援を求めるということはペレネー領主の資質が問われかねないほどの重大事だ。
ましてや、今回の件は紛れもなく内乱である。
何しろ、今、暴れている獣化屍従者は領主の次男シャルルの兵士なのだから。
まともに報告したら王都からは非常に厳しい叱責を受けるだろう。
できればごまかしたいのが心情だ。
けれども、現状は悲惨の一言。
放っておけば領都アリエノールが滅び、延いては他の地域にも累が及びかねない。
「それは…いえ、ご下命、了解しました」
まだ早いのではないかと言いそうになったものの、口をつぐみ、居住まいを正す。
「これよりルイーズ・ロシュフォールは手勢とともに王都へ向かいます」
スッと頭を下げる。
怠け者の長女も父親の覚悟を受け止めて少しだけ気合を入れることにした。
そして、そのまま部屋を出てゆく。
夜が明ける前に出発するつもりだ。
夜道は危険だが、このまま待っていては猛獣兵士が増えて街道にあふれ出してしまう。そうなっては目も当てられない。事態がそこまで進行する前に何とかするのだ。
「それでは旦那様」
夜明けを待たずに長女が出ていったので家令も覚悟を決めて促した。
「うむ。アレと話せるのはワシだけだ」
ミシェルはうなずいた。
以前から覚悟だけは済ませていた。プライドやら命やら懸けねばならないのは厄介だが、逆に言えばそれらを差し出せば道は開かれることだろう。
家令と兵士長もそれぞれ覚悟を決めた表情でうなずく。
「お帰りをお待ちしております」
「城の守りはおまかせを」
生きて帰ってこられるか、定かではない。そんな主を送り出す家来の心情は如何ほどであろうか。
それでもこればかりは他人に任せられない。
ペレネー領の辺境伯として最後の務めを担う覚悟で領主ミシェル・ロシュフォールは立ち上がるのだった。
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日の出とともに60人の手勢を率いてミシェル・ロシュフォール辺境伯は城塞を出た。
朝日に照らされたアリエノールの町は美しい……
……はずだった。
けれども、今はあちこちに猛獣兵士がうろついていて町の景観はすっかり変わってしまっているのだ。
大通りを強引に突き進む方針は早々に撤回せざるを得なくなっていたのである。
悲惨な状況のはずだが、町に死体は見当たらない。全て猛獣兵士に変化してしまったからだろう。犠牲者の肉体を材料に自分の仲間を作り出す怪物は手に負えなかった。
前後左右、どちらを見ても敵、敵、敵、敵だらけである。
「畜生! 後、少しなのに……」
ミシェルは歯噛みした。
走り回るオオカミ兵士、隙あらばと襲いかかってくるネズミ兵士にやられてすでに半数近くの家来が倒されてしまった。
しかも倒された仲間が新たな敵に変化して襲いかかってきたのである。
「旦那様、オオカミやネズミは押さえ込めますが、奴らはまずい!」
「うわぁっ! やられた!」
「嫌だ! 化け物になりたくないよう!」
「化け物になったら天国に行けなくなっちまう!」
いい大人が泣き言を言って逃げ惑っている。
空から襲うワシ兵士の脅威にさらされているのだ。
辺境伯自慢の騎士達だが、軍馬はワシより速くはない。そして、どんなにしっかり盾を構えたところで空からの攻撃には対応しきれない。
兜を奪われたり、剥き出しの上腕を引っかかれたり、騎士達は散々な有様だった。
「辺境伯様、撤退しましょう!」
「このままでは全滅です!」
家来達が悲鳴を上げるものの、今から城塞に戻っても遅いのだ。逃げる相手を見逃してくれるような情けは敵に期待できない。そもそも動く死体に“情け”なんて存在しないだろう。
「もはやこれまでか……」
ミシェルが最期を覚悟したとき。
「こっちだ!」
「皆さん、わたくしのそばに!」
ベテラン冒険者然とした男と黒い礼服の執事から声をかけられた。
驚くべきことに2人は猛獣兵士達から襲われていない。まるで敵が避けているかのように近づいてこないのだ。
「むむ! よし、全員、彼らのそばへ!」
人語を解するのだから人間、つまり味方だろう。辺境伯と家来達はあわてて奇妙な2人のところへ走るのだった。
領主一行を助けた2人はベテラン冒険者ギヨームとその護衛アルフレッドだった。
「見事だ。まるで手品のような手並みだったぞ」
偉そうに2人の労をねぎらう辺境伯だ。
「負の生命力による魔力場を用意しましたから」
自慢するでもなく専門用語を並べるアルフレッドで安心感は本物だ。
「凄いな」
「猛獣どもが寄ってこない」
「フノセイメイリョクによるマリキバか…どえらい技があるものだなぁ……」
家来達は口々に感心していた。
「…」
その様子を眺めながらミシェルは口を閉じたままだ。
「…」
ギヨームと視線を交わすと言葉でない何かを悟り、部隊に前進を促した。
町外れの墓場にたどり着いた一行はすぐさま隣の屋敷、その広間に通された。
「解毒しましょう。貴方と貴方と貴方、そして、そこの貴方はこちらへ」
いきなり4人が女中に呼ばれ、連れて行かれた。
「へっ!? それはどういうことで……」
当然の疑問を口にした家来に。
「その4人は咒毒を受けています。死んだら獣化屍従者になってしまいますよ」
そう、女中も至極当然のように語った。
一瞬の沈黙が広間を支配した後、家来達は口々に騒ぎ始めた。
「えっ!? どういうことだ?」
「あの女中、ひと目見て彼らの異常を見抜いたってことかしら?」
「それは…あの女中も猛獣兵士の仲間ってことなんじゃ……」
「ええええええっ!? アタシ達、敵のまっただ中に誘い込まれたんじゃないの!?」
不安に青ざめる者、あわてて剣の柄に手を掛ける者、盾を構えて縮こまる者、右往左往し始めた。
「騒ぐな! 覚悟の上だ!」
部下達の混乱を鎮めんと領主は怒鳴った。
さすがは武勇で知られるロシュフォール辺境伯、一声であわてふためく家来達がおとなしくなった。
「それじゃあ、行きましょうか」
ギヨームは領民としての敬意を表した。
「参りましょう、辺境伯」
アルフレッドが先導する。
「…」
2人に誘われ、領主ミシェル・ロシュフォールは黙ってついていくのだった。
ここまで読んでいただきありがとうございます♪
ロイヤルプレミアムゾンビのベルナデットが登場しました(^o^)
例によって例のごとく能力値は決めてありますから…今こそ叫ぼう!
ステータスオープン!
種族:王室御用達ゾンビ
名前:ベルナデット
職業:アンデッドメイド
身長(m):1.94
体重(kg):108
偏差:1.12
(・人・)形状:巨乳ボール型
魔力最大値(gdr):120
魔力回復量(gdr/s):60
回復時間(s):2.00
腕力:5.6
速度[比]:4.51
速度[m/s]:31.58
"速度(km/時)":113.68
魔法属性:氷、闇、強化&弱化
<<王室御用達ゾンビ:ベルナデット Bernadette>>
愛称はベルン。身長1.94mの体重108kg、巨乳ボール型の大柄な美女である。
墓場のイレーヌに仕える女中だが、死の花を内蔵し、独自の思考が可能な独立したゾンビである。主人の心情を慮って状況を判断して行動することができる。氷と闇の精霊魔法と強化&弱化魔法を得意とする、強襲型で強引に戦場を駆け巡る。
栗色のセミロングヘアーを肩へ流す、人形のように美しい乙女だ。肌の血色もいいし、唇も艶やか。到底、死んでいるとは思えない。
うちの『人化♀したドラゴンが遊びに来るんだよ』と言うか、小生の著作はいずれもだいたいこんなふうにキャラクターの能力値を決めてから執筆を開始しています。
本編中で「ステータスオープン!」叫ぶ機会がありませんのでここで公開させていただきました。
“腕力”は特に単位を決めていないんですが、日本の成人男性の腕力の平均値を1と仮定して、その何倍かで表しています。
なのでベルナデットの“腕力5.6”は相当の怪力ですね。
“速度”は“体重”と“腕力”それぞれの値から計算した走るときの速さです。
ベルナデットの“速度[m/s]:31.58”は換算すると“速度(km/時):113.68”と余裕で時速百キロオーバーwww
600万ドルの男スティーブ・オースチンにほぼ匹敵しますwww
やたら細かいと思われましょうが…小生はこういうデータを作ってからでないと作品が描けません(^_^;)
まぁ、本来、作中の矛盾なんてそこまで気にしなくてもいいのです。
横山光輝の名著『鉄人28号』でも鉄人は爆走する電車の前に立ちはだかって見事に止めてみせたかと思えば、悪漢の潜む地下室に正太郎くんと一緒に入り込んだり、場面ごとに全長も重量もコロコロ変わっていましたからね。
設定にこだわりすぎて作品がつまらなくなってしまったら本末転倒だと小生も胸に刻んでいます。
刻んでいますが!
正直、自作品中の矛盾が嫌いです(>_<)
作品が完成してからアップロードするまでに4回ほど音読するんですが、これがメチャクチャ疲れるんでwwww
自作が矛盾だらけで興ざめすると耐えられないんですよwwwww
…という、やたら現実的な理由で矛盾をなるべく排除しようとした結果がこ〜ゆ〜ステータス表なわけです。
これがあればシーンごとに身長や体重、能力がコロコロ変わるなんてことも避けられるでしょう(^_^;)
もっとも、最近、巷でしばしば作品内の矛盾が糾弾されるような風潮を見かけますが、これにはあまり感心しません。
名作『マジンガーZ』では機械獣に襲われた光子力研究所の電磁バリアーが毎回、パリーンと割れましてwwww
子どもたちの心に「電磁バリアーはパリーンと割れるもの」という常識を骨の髄まで叩き込みました。
また、世界征服を企むドクターヘルの野望を阻止すべく活躍する僕らのマジンガーZに乗り込む兜 甲児やアフロダイエースの弓さやか、ボスボロットのボス達は…何と高校生ですwwwww
それから毎週、機械獣が攻めてきますが、自衛隊や警察の出番はありませんwww
光子力研究所が破壊されたら世界の終わりです\(^o^)/
いくら昭和と言えども現実の日本と矛盾してる?
いいんですよ、おもしろけりゃwwwww
プロフェッショナル作家の作品ですらこうなんですからいわんやインターネット小説投稿サイトのアマチュア作品に於いておや。
まず、何よりも面白いことが最優先されるべき。
あ、もっと優先されるべきは描き手の楽しみでしょうがねwww
さて、こちら、ベルナデットのキャラクターは小生が大病で総合病院に担ぎ込まれたから4ヶ月後くらいに設定しました(^_^;)
はい。
心臓リハビリテーションで院内を散歩中に名前や能力値などを考えましたww
イレーヌやギヨームのステータス表もありますが、そちらはいずれ後ほど。
こうして見直してみるとやっぱりベルナデットは大柄ですね〜
大きい分だけ体重もバッチリ☆
その上、ゾンビですからとんでもない怪力を発揮できます(^o^)
冒険者登録もしていてランクは特級冒険者で上から2番めですね。
討伐依頼こそ受けていませんが、とんでもなく強い。
もっとも、ゾンビなので他のモンスターには襲われませんww
ラナス大森林の深いところまで潜っても戦闘なしで戻ってこられます(^o^)
イレーヌ配下の女中さん達の中ではぶっちぎりの武闘派でバカな人間には容赦しません♪
後、今回の作中表現もお気に入りの中からちょいとひとつまみ(^o^)
「そうだ! 博士の息子はもう死んでいる! 私はコントロール装置を内蔵し、独自の判断ができる、独立したフェムボットだ!!」
このセリフ、一回しか聞いていないんですが強烈な印象が残っていまして今回もちょっと使わせてもらいました(^o^)
出典は『地上最強の美女!バイオニック・ジェミー』から☆
人間そっくりのアンドロイド“フェムボット”による人間への反乱を止めようと戦うバイオニック・ウーマン“ジェミー・ソマーズ”の大活躍です。
次々に現れるフェムボット達は強敵でバイオニックパワーでも苦戦しますが、何より恐ろしいのは人間そっくりに作らているので誰がフェムボットなのかわからないところ!
ついにはゴールドマン局長までフェムボットに入れ替わられてしまい、OSS局は大混乱!
どうなる世界!?
ところが、シリーズの最終話でフェムボットを量産していた博士の息子がすでに死んでいることが判明してジェミーが“長男”に迫ったシーンで登場したセリフです。
実は博士の溺愛した息子は死んでいて、博士は死んだ息子の代わりに特別なフェムボットを造り出していた!
…という今じゃSFロボットモノに定番の展開なんですが、当時は強烈なインパクトがありましたね。
とりわけ、自分はフェムボットでありながら博士の息子であることを主張して顔面の人工皮膚を剥がし、機械の顔を剥き出しにするシーンはインパクトありましたっけ。
まぁ、残念なことにうちの『人化♀したドラゴンが遊びに来るんだよ』はお笑い小説なのでそういうドシリアスなシーンは入れられません(ToT)
あ、世界の危機はちゃんと来ますよ〜
ホントです。
後、イレーヌの復讐も忘れずに完遂されます(^o^)
さて、そういうわけで次回は『死女は領主に会います。自分を殺した仇と町を滅ぼす敵の出会いに復讐譚の好きな暁光帝は興奮することしきりなのです☆』です。
請う、ご期待!




