人間達は相変わらず忙しいようですが、暁光帝はもっと忙しいのです。新種のカイガラムシを探さなくてはいけませんから。
何ということでしょう! 我らが主人公(仮)イレーヌは卑劣な手段で陥れられて無実の罪を期せられ、天下の往来で無残にも殺されてしまいました(>_<)
これに激怒した親友ギヨーム(恋慕してるけど恋人になれない哀れな友達ポジションの男)は激怒!
卑怯でゲスで根性無しで頭の悪い仇のミシェル・ロシュフォールに復讐を誓います。
仇討ちです!
萌えますね☆
あ、違います。訂正、訂正……
燃えますね☆
実に熱血青春アクション少年漫画的な展開ですぉ♪
「月のでない夜は背中に気をつけろよ」と捨て台詞を残していったんは逃げたギヨームですが、仇の息の根を止めんと一途に復讐心をたぎらせて突っ走る!
果たして親友ギヨーム(恋慕してるけど恋人になれない哀れな友達ポジションの男)の本懐は遂げられるのでしょうか!?
……ってな展開だったんですが、アッと驚く為五郎〜♪(“為五郎”って誰?)
イレーヌはネクロマンサーだったのでさっさと生き返ってしまいました(^o^)
おめでとうございます☆
でも、ネクロマンサーらしく自分を呪ってアンデッドモンスターと化してしまい〜
要するに“化けて出た”状態なのですwwwww
だから、もう人間と結婚できませんwwwww
しかも、念願の不死の怪物になれたからミシェル・ロシュフォールを恨んでいないし。
ついでに3桁に及ぶ祖先&親族の介護から解放されたから恨むどころかむしろ感謝してるくらいとのたまいました\(^o^)/
これにギヨームはがっかり。
恋心と復讐心の両方に引導を渡されてしまいました(^_^;)
さすが、ネクロマンサー、感情までも葬送しちゃいましたね。
インターネット小説投稿サイトのファンタジー作品で悪役の常連は伊達じゃない?
そ〜ゆ〜わけで今回はとんでもない展開になります☆
お楽しみください。
キャラクター紹介&世界観はこちら〜>https://ncode.syosetu.com/n2816go/
月日がめぐり、星霜が流れた。
限りある命の人間からしたら決して短くない年月が経ったのである。
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ペレネー山脈とエングレス海峡、そして、ラナス大森林に囲まれた英雄の町アリエノールは変わらず活気に満ちていた。
冒険者達は森に入って幻獣を狩り、富と名誉を追い求める。
三叉樹や人食いオオカミら、凶暴な幻獣達は侵入者と激しく戦う。
そんな闘争を尻目に森の奥で暮らす一部の幻獣達は歌って踊って遊んで、芸術に学問にとそれぞれが勤しんでいた。
傭兵達は報酬と出世を求めて国境を進み、これまた同じく北伐を唱える南ゴブリン王国と戦っていた。
闘争と冒険、財宝と名誉が雨と降る。
アリエノールはそれまで通り、英雄の町だったのだ。
変わらない町。
変わらない森。
変わらない世界。
人々も幻獣らも日々の暮らしをそれなりに楽しんでいた。
もっとも、変わらなすぎることもまた厄介である。
町外れの墓場は相変わらず陰気で墓掘り人くらいしか訪れる者はいない。
待つのはこれから弔われる死者のみか。
後はたまに墓参りが来るくらいだ。
墓場が一杯にならないのは死霊術師のおかげ。
いや、屍導師となったイレーヌのおかげである。
墓場の隣に建てられた屋敷はかつてのように陰鬱で大きい。
屋敷を訪れた青年はあの頃のギヨームによく似ている。
「よぉ、レニー! 今日はすっげぇ強ぇ幻獣を倒してきたんだぜ! この牙を見てくれよ!」
元気よく話しかけてきて、人食いオオカミの牙を見せてきた。
ゴツン!
もっとも、すぐに頭にげんこつを落とされてしまい。
「アタタタターッ!?」
涙目で父親を見つめた。
「“イレーヌさん”だろう?」
怖い顔で息子を叱るギヨームはあの頃に比べてずいぶん老けた。相変わらず、大柄でたくましい肉体は更に磨かれて岩のようだが、壮年の男の顔にはシワが走り、髪に白いものも混じり始めている。
「ごめんよう…イレーヌさん、凄く強い幻獣を倒しました。この牙を見てくださいぃ〜」
息子はおとなしく謝り、言い直した。見た目は当時のギヨームよりも若く、まだ少年と言えなくもない。
「あら、なかなか立派ね。ガスも一人前になったのかしら。フフフ……」
ギヨームの息子を愛称で呼びながら屍導師のイレーヌはついつい笑みがこぼれてしまった。
ガスパルが当時の父親そっくりでやはり親子だと思い、感慨に耽った。
“家族”は自分が捨ててしまった人間の関係だ。
不老の幻獣となった自分が人間と結ばれることはない。世代交代もしないから子供を儲けることもない。
もはや、自分とは縁のない族柄だが、こうして幼馴染みが家庭を持ち、息子と仲良くしている姿はなかなかにいいと思う。
別に羨ましくはないが。
「ガスも一人前の冒険者ですか。人間の子供は成長が速いものですわ」
幽霊女中のサロメも笑った。
お代わりのハーブ茶を持ってきたのだ。
「ありがとうッス」
ガスパルはバカ丁寧に礼を言ってカップを摘んだ。本物の幽霊、それもとりわけ強力な怨霊であるサロメにはどうしても気が引けてしまう。
見た目、妙齢の若い女性にしか見えないイレーヌと違い、肉体が透き通って見えるサロメはわかりやすいのだ。
「生前の…あの頃を思い出すわね」
死女は笑いながら語った。
かつて生きていた頃、まだ若かったギヨームが恋心を隠してここで他愛ない会話を楽しんでいた頃のことだ。
「そうだな。ガスはあの頃の俺にそっくりだ……」
『バカで無鉄砲の怖いもの知らずで一途に幼馴染みを思い続けて』の言葉を飲み込んだ。無意味に息子をからかって嫌われるような父親ではない。敬われたくもあるし、何より、もう大人になったのだ。
あれから経験を積み、修羅場もくぐって成長した。ベテラン冒険者として後輩達からも頼られるようになり、無駄口を叩かなくなったとも言える。
かつて目の前で貴族の長男に幼馴染みを惨殺され、何もできなかった、そして、当のイレーヌが殺されたことを微塵も恨まなかったため、復讐もままならなかった。
今のギヨームはその事実が心に強い衝撃を与えた結果でもあるのだ。
「あぁ、その件について話しておきたいことがある。また、ゴブリンどもの間に流行病が広がりだしたんだ」
何とも言えない難しい表情で語る。
「それで南ゴブリン王国の軍は動けなくなったので国境の争いが治まった。アリエノールの町は平和になったんだ。そして、またしてもロシュフォール辺境伯の跡取り問題が起きている……」
唇を噛み締めた。
あれからイレーヌを惨殺したミシェル・ロシュフォールはその功績を引っさげて辺境伯になった。
そして、今、その子供達が成長して再び跡取りの座を巡って競い始めたのだ。
ところが、疫病が南ゴブリン王国を襲い、ペレネー領に近い国境は落ち着いてしまったので、またしても軍事的な功績で後継者争いを決めづらくなってしまった。
「ふぅん…あの頃と全く同じ状況ってことなのね。う〜ん……」
イレーヌはわずかに眉をひそめたが、あまり困ってはいない。
「でもね、よしんばミシェル・ロシュフォールがまた良からぬことを企んでも私には関係ないわ。あんな奴が何をしてこようともう大丈夫だから」
苦笑いを浮かべて安心させた。
「凄ぇっ! やっぱりイレーヌさんはとてつもなく強いんだな!」
ガスパルがキラキラした目で見つめてくる。
「アハハハ…私は屍導師、冒険者ギルドの格付けで一番手の梅に相当する不死の怪物の最強格よ」
死女は自慢でなく、ただ、事実を列挙するような態度で語る。
「何せ、比較対象が多獣海魔や渦潮魔女なんだから。今の私ならアリエノールの兵隊全部を一度に相手しても余裕で勝てちゃうわ」
再び、苦笑いを浮かべた。
別に強いことは自慢にならないのだ。
「そんな超強ぇ幻獣に匹敵するなんて…マジ凄ぇッスねぇ」
ガスパルはもう目をひたすらキラキラ輝かせながら死女を見つめた。
海辺の町らしく多獣海魔や渦潮魔女の話は幼い頃から聞かされている。どちらも1つの海域を乱して貿易船の運行さえも阻む、凶悪な怪物だ。災厄そのものであり、あまりに強すぎるので冒険者ギルドの討伐対象にならない。
つまり、軍隊がどうこうできる相手ではないのである。
「あー…でもね。屍導師となった今でも私は自分を死霊術師だと思っているわ。だから、より優れた商品の開発で評価されたいの」
麗しき死女は困り顔で語る。
最高の屍従者、それは強さだけは決まらない。
安価で、頑丈で、使いやすく、融通が利き、量産できて、顧客から頼もしいと思ってもらえる者でなければならないのだ。
「相変わらずの向上心で俺もあやかりたいものだぜ。けどよ、俺は不安なんだ…レニーがこの町で最強無敵だとわかっていながら、な」
ギヨームはため息を吐いていた。
どうしてもあの惨劇が思い出されてならない。
今のイレーヌとサロメが最強の不死の怪物だとわかっているのに胸騒ぎが治まらないのだ。
「それは杞憂というものでしょう」
短くも的確に指摘したのは若い男。痩せぎすで少し顔色が悪いように見える、幽鬼のアルフレッドだった。
寡黙で物静か。それも当然で幽鬼は隠密行動に特化した不死の怪物なのである。イレーヌが製造した者の中でも最高の性能を誇り、現在はギヨームとその家族を守る任務に就いている。
非常に優秀であり、冒険中に2人の護衛も務めているのだ。
「うぅむ…アルフィーが言うんならな……」
「そうだよな、やっぱりアルフィーは凄ぇぜ☆」
2人が納得して頼もしげにアルフレッドを見つめた。
この幽鬼には実績があるのだ。ギヨーム親子の冒険にも随行して危機を防いだこともある。
「これからもよろしくね、アルフィー」
「アルフィー、よく頑張りました。今後とも頼みます」
屍導師と幽霊女中もあらためて命じた。
「お任せください」
言葉少なに答えるアルフレッド。寡黙で有能な男、まるで“できる執事”を絵に描いたような人物だった。
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アリエノールは冒険者と傭兵が夢見る、“英雄の町”だ。
剣や魔法の腕を鍛えて研鑽を積み、仲間と協力して勇敢に戦えば、いずれ英雄になれるかもしれない。
そんな夢のような出来事が誰にでも起きうる町だ。
だから、人々は努力する。
その結果を尊び、互いに敬い合う気風が生まれた。
実力主義である。
そんな人々のために鍛冶屋は腕をふるい、神官は祈る。
おかげで大きな町にありがちな腐敗と縁がなく、精錬潔白な気風の下、誰しもが平等に立身出世の機会を得られるのだ。
これだけでも立派な特色だが、この町には加えてもう1つある。
非常に強力な不死の怪物が町外れで屍従者を販売しているのだ。
それは屍導師。
冒険者ギルドのモンスター格付けランクで一番手の梅に該当する、正真正銘の脅威であるはずだった。
けれども、その屍導師は真面目で腰が低く、正直な商売を心がけていたので。
町の住民もいつの間にやら、死女が不死の怪物であることを忘れてしまい。
普通に付き合うようになっていた。
しかも、歳を経ても全く老いる気配が見えず、目の醒めるような美貌を輝かせている。
その実力と器量は多くの住民を魅了し、老若男女を問わず人気があった。
これは生前と同じように人間と親しく付き合った、世にも稀な不死の怪物、イレーヌの物語である。
ここまで読んでいただきありがとうございます♪
はい。とんでもない展開になりました☆
えっ、いつもどおりのアホ話じゃんって?
実は今回、画期的な出来事が起きたんですよ。
何と!
作中で1日以上時間が経過しました\(^o^)/
まぁ、1日以上の時間経過なんてインターネット小説投稿サイトのファンタジー作品なら当たり前のことなんですよね〜
「そして3年が経った」とか、「十年後…」とか、何なら「プロローグから百年が経った」とか、ふつーですわ。
でも、小生の作品としては極めて珍しいんですwww
オタクを始めたのはいつの頃からかと問われると悩ましいところですが、最初の創作は小学3年生でしたwwww
昼休み、ひたすら校庭を歩きながら物語を考えてましたね〜〜〜
いえね、当時、野球が大人気でして(^_^;)
級友達は猫も杓子も野球、野球と…んでもって小生は球技が大の苦手でしてドッジボールくらいしかわかりません。
「あんな細い棒であんな小さな珠を打てるわけがない」「あんなことができるのはプロ野球選手くらいだからどうせみんなすぐに飽きるだろう」と考えまして付き合わなかったんですよww
そしたら見事に孤独な小学生の一丁上がり\(^o^)/
仕方ないので校庭をフラフラ歩きながらひたすら物語を考えていましたwwww
インターネット小説投稿サイトの人気ファンタジー作品みたいなのはさんざん妄想してましたぉ♪
まぁ、主人公は既存の子供向け小説のキャラクターを流用していましたが、小生の頭の中でしか展開していないので著作権対策もバッチリです☆
そんなこんなで幾星霜。
それこそ何十何百と物語を描いてきましたが、一度も1日以上の時間経過させなかったんですよ\(^o^)/
物語の基本がコメディもしくはギャグのお笑い作品でしたからね〜〜
かっこいい主人公も散々登場させましたが、お笑い路線は変わりません。
なので、時間経過を描写する必要がなかったのです(^_^;)
拙著『人化♀したドラゴンが遊びに来るんだよ』の本編なんてかれこれ3年くらい連載していますが、現在、作中の時間は4日目の午後ですよwwwwww
だけど、今回、生まれて初めて作中の時間を年単位で経過させました(^_^;)
主人この復讐と言うか、ざまぁ展開のため、どうしても世代交代してもらわないと困るんですよね〜〜
いや、主人公でなく仇キャラがwww
あ、ン十年単位で放って置かれたんで仇のミシェル・ロシュフォールは領主の座について、結婚して、子供を儲けて、子供が成長して、本人はほぼ老境に差し掛かりつつあります〜
思いっきり充実した人生送ってますやんwwww
でも、だいじょうぶ。
復讐はこれからです♪
あ、うん、あんまり積極的に仇を討ってやる的なイレーヌじゃありませんしね。
むしろ自然に酷いことになる、みたいな?
「あらあらわたくし何もしてませんのに」で仇が勝手に破滅していく系?
イレーヌさん、悪役令嬢モノだってやれちゃうかもしれません。
後、こっから物語が始まります\(^o^)/
ほら、作中のラストでもしっかり「これはイレーヌの物語である。」って締めてますよね。
実は今までのお話って全部プロローグwwwwww
やたら長ぇな、プロローグwwwww
まぁ、その分、思いっきり溜飲が下がる形で仇が討たれるんじゃないか…と。
この手のセリフを見かけると「俺はデズモンド・マイルズ。これは俺の物語だ」ってゆー人気ゲーム『アサシンクリード』シリーズの名台詞を思い出します。
主人公が♂だったからプレイしなかったけどwww
実況プレイ動画だけは視聴してました☆
でも、ようやく♀主人公が選べるようになって始めた『アサシンクリードオデッセイ』にはデズモンド・マイルズいませんでした、不思議!
まぁ、ゲームそのものがめちゃくちゃ面白いんで文句ありませんけど(^_^;)
中学生の頃から本が擦り切れるまで読んだギリシア神話の世界が眼の前に!
感動です。
オリュンポス12神、出てこないけどwww
でも、出てるのもあったんで買いました♪
同じUBIの『イモータルズ_フィニクスライジング』ってゆーのです。これも楽しいゲームですね。
しっかし、『ヴァルキリーエリュシオン』も出たり、けっこう神話系のゲームが人気?
あ、暁光帝が探しているカイガラムシは染料になる奴ですwww
コチニールカイガラムシってゆー別名“臙脂虫”、あざやかな紫みの赤が作れちゃう。
この龍、作中の出番が失くなったので好き放題してますねwww
さて、そういうわけで次回は『人間の都市に新たな争乱の気配!? でも、まぁ、暁光帝はオオミズアオの観察で忙しいんですけどね(^_^;)』です。
請う、ご期待!




