墓場の隣に亡者の館、真夜中に響き渡る絹を裂くような美女の悲鳴…暁光帝もホラーが大好きなのです♪
『今こそ勇気が必要だ」とかホザいて北ゴブリン王国の跡地に攻め込んだ初代ゴール王のおかげでゴール王国が興りました。
けれども、それは空き巣狙い。
暁光帝が踏み潰したゴブリンの国を掠め取っただけだったのです\(^o^)/
これに激怒した南ゴブリン王国は全力で捲土重来を狙います。
対抗すべく国境に勇猛なロシュフォール辺境伯を任せましたが……
…と、何やらファンタジー歴史ものっぽく始まりました新章<<歴史です。産めよ、増やせよ、地に満てよ!? ゾンビ地獄じゃぁぁ!!>>開幕です。
また、やかましいタイトルですね。
我ながら呆れます(^_^;)
まぁ、絶対面白くしますので。
お楽しみください。
キャラクター紹介&世界観はこちら〜>https://ncode.syosetu.com/n2816go/
死霊術師の屋敷を1人の若者が訪れた。
「よぉ、イレーヌ! はかどってるかい?」
勝手知ったる他人の家だ。冒険者ギヨームはノックもせずにドアを開けて中に入った。
「コンニチハ。イラッシャイマセ」
死者が出迎えてくれた。喋って動く死体だ。それも知り合いである。
「よぉ、カミーユ、元気かい?…って死んでんだったな」
苦笑いする。
死んだ仲間と話すのは異様な感じがしていつまで経っても慣れない。
「まぁ、悪いことじゃねぇかな……」
思うところがないでもない。
けれども、たまの墓参りで生前を偲ぶより、こうして死後も元気に働いているところを拝む方がマシだとも思う。
カミーユは同じ冒険者パーティーの一員で優秀な斥候だった。油断してくびりシダに捕まるまでは。
仇は討ったが、遺体は全身骨折していて治療ならぬ、修復にはずいぶん手間取ったらしい。
でも、今は顔色と目つき以外は元気そうだ。
もう死んでいるから。
もう死んでいるけれど。
「はぁ……」
自然とため息が吐いてしまい、これもまた亡き友を偲んでいるのだろうかと自分の感情に哲学的な疑問を抱いてしまった。
そんな思索を巡らせていると。
「あら、グィル…どうしたの? そろそろ私が直さなくちゃいけないのが出たとか…かしら?」
暗い雰囲気の部屋からそこにふさわしく陰鬱な声が聞こえてきた。現れた乙女の表情と言動は陰気でどこかおどおどしている。
その身にまとう雰囲気は死人だらけの周囲の環境と合っているかもしれない。
乙女の傍らには常に死体がある。
“墓場のイレーヌ”。
姓こそないものの、代々、町外れの墓地の隣で屍従者を商っている死霊術師の名家、この屋敷の主だ。
今、ギヨームを迎えた召使いカミーユを屍従者に変えた張本人でもある。
仲間の死体が屍従者にされるなど反感を買いそうなものだが問題ない。
この町の冒険者はその多くがイレーヌと契約しているのだ。不幸にも冒険中に死亡したら埋葬の後、その亡骸を掘り起こして利用しても良い、と。
ついでに言えば、本人の両親を含む先祖代々も屍従者として子孫に使役されている。
そういう意味では他人も身内も平等に扱っているのだ。
長い付き合いだからギヨームはそれら諸々をよく理解した上で付き合っている。
「それがなぁ、最近はずいぶんと平和になっちまってな……」
今から伝えるべき情報を考えて青年の声も暗く落ち込んでしまう。
普通の町なら『町が平和になった』と聞けば人々は喜ぶものだが、この町の住人は顔を曇らせる。冒険者や傭兵に至ってはそれこそ死人のように青ざめてしまう。
平和になれば活躍の場が減るからだ。
出世の見込みもなくなり、最悪、食い扶持が稼げなくなって行き倒れてしまうことさえありうる。
つまり、この町では“平和”が“酷い不景気”とほとんど同じ意味になるのである。
壁を通り抜けて半透明の女が現れた。
「どうぞ……」
来客に気づいてやってきたのだ。
不機嫌な声とともに女中は茶を出してくれる。もっとも、チャノキから取れた正当な茶ではなく、その辺に自生している野草で淹れたハーブ茶だ。
「ありがとう、サロメ」
礼を言ってギヨームはハーブ茶をずずずーっと音を立ててすする。商人でも貴族でもない、冒険者なのだ。礼儀作法などわきまえているわけがない。
女中が不機嫌なのはギヨームの秘めた慕情を感じているからだろう。主に近寄る若い男性を警戒しているのだ。
それも忠誠心から来るのだろうとギヨームは気にしないことにしていた。
「お粗末様です……」
客に対する想いはともかく、女中は丁寧に辞した。
ひゅ〜どろどろどろ〜
足が地に着いていない。宙に浮いたまま、奇っ怪な音を立てて移動している。
きらめく銀髪にオレンジ色の瞳、長身で大抵の男よりも高い背丈だ。宙に浮いているせいで更に大きく見える。もっとも、顔も身体もうっすら透き通っていて半透明だ。
この女中、サロメは当の昔に死んで人間を辞めた幽霊だ。その中でもとりわけ強力な“怨霊”である。
それは冒険者ギルドの幻獣格付けランクで“3番手の梅”に該当し、単眼巨人や上級魔族、人食いダイオウグソクムシなどの強者に並ぶ。もしも、討伐クエストの対象であれば特級冒険者がフルメンバー6人パーティーで対応しなければならないほどの強敵だ。それも魔法の武器や聖魔法など十分に準備した上での話である。
それほどまでに強力な怨霊サロメが今はこの死霊術師、墓場のイレーヌに仕えている。
この種の強力な不死の怪物が人間に従うことは珍しい。けれども、幽霊は感情で動く幻獣だ。恨み、憎しみ、怒り、妬みなどの強い感情を抱いて特定の人間にこだわる習性がある。
サロメがイレーヌに付き従う理由もそういった感情の故なのだろうとギヨームは考えていた。
何とも物騒な話だが、イレーヌは死霊術師、アンデッドの専門家だ。素人のギヨームが心配するなど、それこそ余計なお世話というものだろう。
お茶を出したので幽霊女中サロメは主の後ろに控える。
「……」
会話に口をはさまず、女中らしくすまし顔だ。顔色が悪いように見えるのだが、幽霊だからそれも当然だろう。
「大森林の方は例年よりも豊作なんだよ」
ギヨームは女中を気にかけることなく、話を続ける。
「でも、国境が静かになっちまってなぁ…傭兵どもが稼げなくなっちまって不満タラタラなんだ」
眉をひそめた。
失業した傭兵はどうするのか。
腕っぷしが自慢の命知らずで切った張ったの荒事くらいしか能のない連中だ。戦が失せて平和になれば転職するしかない。
「職にあぶれた傭兵どもは冒険者になりたがるんだけどよぉ……」
対人の戦闘を生業にする傭兵がいきなり幻獣を相手に戦うのは無理がある。
ラナス大森林は植物系や菌類系のモンスターが数多く棲息し、人間を喰らう三叉樹や魔人茸が群れていたり、くびりシダが徘徊している。
こいつらは木や草に似た性質を持っていて頑丈だ。切っても突いてもダメージを与えにくい。また、当たり前だが、生木が燃えにくいように炎が特別に効くわけでもない。つまり、普通の幻獣と比べて、動きは鈍いものの、固くてしぶといのだ。
だから、やはり餅は餅屋なのである。
ラナス大森林で幻獣と戦うことを得意とする冒険者に任せるべきなのだ。
同じ荒事を商売としているからと言って対人戦闘に特化した傭兵がいきなり冒険者の真似事をしても上手く行くわけがない。
無謀に森へ突っ込んだら死体になって無言の帰宅をするのが関の山だろう。
「それによぉ…奥に行けたとしても森の女や森の老人がいるだろ。アイツラに手を出したりしたら……」
肩をすくめて震えた。
“森の老人”、“森の女”はそれぞれ樹木人や女精霊を指し示す。彼らは人間に敵対しない幻獣だ。
「モミの木を切ったりしたら仙女が怒るかもしれないしなぁ…もしも、そんなことになったら……」
若い冒険者は顔をしかめる。
樹木に関わる仙女もいるのだ。
仙女や森精霊は友好的な幻獣だが、不心得者が彼らを食い物にしようとすれば怒りを買うことも十分にありうる。
そんなことになればとてつもない面倒事が起きるだろう。
「う〜ん…美しい女性の姿をしているけれど幻獣だからねぇ…人間を殺すことにためらいはないわ。森に害を為すと判断されたら即座に処刑され…もとい、駆除されちゃう」
イレーヌは何とも嬉しそうに語る。
死体が増えればメシの種が増える、それは頬も緩むというものだ。
「傭兵さん達が死体になって戻ってくるなら…早めに契約しとかないと」
傭兵達の不幸も死霊術師にとってはメシの種なのだ。亡骸を屍従者に変えてあちこちに売りつけるつもりなのだろう。
「おいおい、そんなことを言うから町の連中から嫌われるんだぜ」
ギヨームは少し声を荒らげた。
幼馴染みが心配なのだ。
「あ、うん…ごめん。注意するわ……」
言われてイレーヌは口を慎む。
良くも悪しくも研究肌で世情に疎いことは自覚している。そのせいで面倒事に巻き込まれることもあった。
だから、幼馴染みからの叱責も素直に受け入れた。
「私が商うのは屍従者だからねぇ……」
どこか遠い目をしながら思いを巡らせる。
世界には摩訶不思議なことがあり、野垂れ死んだ道端の死体や埋葬された墓場の死体が動き出すことがある。そんな死体が草むらや土の中から立ち上がり、歩きだして人間に近寄る事件が珍しくない。このような動く死体を“生ける死骸”と言い、典型的な不死の怪物として知られている。
近寄ってくるだけであまり危険はないが、やはり愉快なものではない。腐って虫が集るような死体ならわかりやすく避けられるものの、臭わず、顔色が悪いだけのリビングデッドは厄介だ。隣の席で一緒に飲んでいた愛想のない客が実は死体だったなんてこともままある。
彼ら、リビングデッドは不潔であり、病気を媒介するとも言われ、忌み嫌われている。
そんな怪物を参考に死霊魔法を応用し、人為的に生み出して改良した従魔こそが“屍従者”だ。
ゾンビは頑丈で力の強い奴隷である。リビングデッドとの違いはかんたんな人語を解することと主人に忠実であることだ。また、防腐処理されているため、清潔で腐ってもいない。戦闘能力もそれなりに高く、冒険の助手に、戦場の突撃兵に、いろいろな使い道がある。
死霊術師イレーヌが商う主力商品であり、死体が飯の種になる理由であった。
この町には他にも死霊術師がいるが、他と比べてもイレーヌのゾンビは品質が高く、軍隊や冒険者からの評判も良い。
「そりゃ、イレーヌにとっちゃ稼ぎどきなんだろうけどよぉー」
友人が嬉々として“商品”を軍隊や冒険者に売り込んでいる姿が容易に想像できた。
だが、傭兵どもが森に入り込んだら相当面倒なことになるだろうとギヨームは顔をしかめた。
森が荒らされれば冒険者の仕事もやりにくくなるし、単純に競争相手が増えるのも困る。
連中が死んで屍従者にされたら自分もまたイレーヌから購入することになりそうだが。
「それで…国境が静かになったのって侏儒達の間に疫病が流行ってるから?」
イレーヌの声には不安の色が伺えた。
屍従者は疫病を恐れないが、自分は人間だから罹る。
恐ろしい。
イレーヌはヒト族の若い女性であり、身なりに頓着しないからみすぼらしい姿をしているものの、実はけっこうな美人である。
長身で下手な男よりも背が高いからあまり男性からモテないが、わずかにウェーブがかった美麗な黒髪を背中の中ほどまで流していて、胸乳も腰も艷やかな三次関数の曲線を描いている。
前髪を垂らしてメガネをかけているので顔はよく見えないが、黒髪の隙間から覗く、その不安げな表情は儚くも美しい。
アンデッドを扱うものの、自身は人間なので感染症が恐ろしいのである。
「あ…あぁ、新しい虎列刺らしい」
友人の美貌に男らしく赤面しつつ、秘めたる慕情を押し隠すギヨームだった。
「俺達、ヒトには伝染らないようだが、ゴブリンどもはバタバタ死んでるぜ」
『前髪を切るか、メガネを外しゃぁ美貌が拝めるのになぁ』と惜しがりながら状況を説明する。
「弱ったゴブリンどもを叩くいい機会だって話も出たんだけどな、伯爵様がなー 『卑怯な真似は体面が悪い』っつってさぁ……」
不満の色を隠さない。
アリエノール領主はロシュフォール辺境伯という貴族だ。
領地が領地なので徹底した実力主義者で信用と面子にこだわる。実際、ペレネー領は敵国に対する防衛の要であり、辺境伯は虚栄ではやっていけない。国境の小競り合いにも突然の騒乱にも対応できるだけの実力が物を言う。
しかし、それ故、領主には“名”も要る。
汚名がついてしまえば兵を集めにくくなるし、統率も取りづらくなってしまう。だから、『疫病で弱った隣国を襲った卑怯者』などという汚名は御免をこうむりたいのである。
「それにあの疫病がな、“新しい虎列刺”でヒトに伝染らないって話だが……領主は恐れているらしい」
眉をひそめる。
同じ冒険者パーティーの魔法使いも領主お抱えの治癒師も口を揃えて『ヒトには伝染らないだろう』と言うが、その言葉だって真実とは言い切れない。
戦場に出て斬りあえば流血は避けがたいし、互いの血を口にすることもあるだろう。血が呪いとなって疫病を運ぶことは禁忌としてよく知られている。
何と言っても病人には近寄らないことが一番なのだ。
人間は疫病を恐れる。
やつれて嘔吐し、糞尿の臭いを漂わせるゴブリンには兵士も傭兵も近づかない。そんな奴を斬ったら剣が汚れて使い物にならなくなるし、斬った本人にだって噂が立つ。そのゴブリンが裕福で高価な装飾品を身に着けていたとしても手を出さないのが常識だ。
「ふぅん…ゴブリンの死骸は使いにくいのよねぇ……」
イレーヌも浮かない顔だ。
ゴブリンの軍隊は脅威だが、ゴブリン単体では小柄で力も弱い。戦場では兵数で押し切る人種だ。それなのに屍従者を造る手間はヒトもゴブリンも変わらないので悩ましい。単価が同じで性能が低いゴブリンの屍従者は不良在庫になってしまうだけだろう。
「屍従者は病気に罹らないんだろ? それなら越境させて金目のものをかっさらうくらいできるんじゃないか?」
ギヨームは誰も思いつかないアイデアを出したと何やら誇らしげだ。
「あー、全く伝染らないってわけじゃなくて……」
アンデッドモンスターの専門家は顔をしかめる。
「生ける死骸って食べたり飲んだりするでしょう? 死骸とか酒とかね」
先ず事実を述べる。
多くの場合、生ける死骸は人間の傍をうろつくだけだが、酒を飲んだり、食物や死骸を食べることがある。
「食べるってことは消化できるってことだから…つまり、食べて消化している間は一時的に肉体が“生き返る”の。その間は疫病にも罹ってしまう……」
意外な事実を口にする。
それは死霊術師だけの常識であり、一般にはほとんど知られていないアンデッドモンスターの特徴だった。リビングデッドは肉体が死肉で構成されているが、食物を食べるとそれが賦活されて一時的に命を取り戻し、呼吸や消化などの代謝を行うようになる。
もっとも、知性や感情は戻らない。あくまでも肉体が元の機能を一部だけ取り戻すだけである。
「もちろん、疫病に罹っても肉体が再び“死ぬ”から症状が出ることはないわ。それでも病んだリビングデッドから病気が伝染ることはあるからね、剣呑、剣呑」
細い肩を震わせる。
「そ…そういうものなのか……」
意外と複雑なアンデッドモンスターの性質にギヨームは驚いた。
残念ながらゾンビを利用して南ゴブリン王国から金品を掠め取る野望は始める前に潰えたようだ。
けれども、おかげで麗しき幼馴染みが危険にさらされることも失くなったらしい。
それでも。
「う〜ん…町には口うるさい奴もいるからなぁ。レニーも気をつけろよ」
世俗の事情を考慮してイレーヌを心配した。
2人は幼馴染みであり、互いを“レニー”、“グィル”と愛称で呼ぶ間柄だ。若い男女だし、ギヨームの方はイレーヌが実は美人であることを承知していて、ほのかに恋心のようなものを抱いていた。
何しろ、他の冒険者や兵士はみすぼらしい格好のイレーヌをただの地味な魔導師だと軽んじているのだ。
その上、冒険にも戦にも関わらないから縁遠い。
また、普通の人々から見れば死霊術師は不吉な存在だ。死体からアンデッドモンスターを造って操るのだから。
日頃、付き合いのある兵士や冒険者を除く町の住民からイレーヌは眉をひそめられていた。とりわけ、光明教団ブジュミンドからは忌み嫌われており、名指しで神敵呼ばわりされることもあった。
そんな乙女の真の価値を自分だけは知っているという優越感にも似た意識をギヨームは抱いていた。
もっとも、想われている当の本人は気づいてすらいない。
「あぁ、心配してくれてありがとぉ…でも、贔屓にしてくれるお得意さん、兵士長や冒険者もいるから大丈夫。キミもね、気にかけてくれているんでしょう?」
呪われた死霊術師らしからぬ、明るい笑顔で応えるイレーヌだ。
「お…おぅっ!」
ギヨームは幼馴染みの笑顔が眩しくてつい口ごもってしまう。
どうにもこうにも落ち着かない。
「……」
胸の奥深く、不安が澱のように溜まっている。
イレーヌを知る者は少ない。ある程度、付き合いのある者は死霊術の天才だと思っている。
けれども、それだけではないのだ。
実は美人でスタイルも抜群、そして、誰よりも死者を想っている。
悼んでいるのではない。想っているのだ。
死霊術師にとって死者は成し遂げられたものではない。まだまだ、“これから”がある存在なのだ。
そんな死人使いの幼馴染みをギヨームもまた想っている。
だから、案じる。
最近の平和なアリエノールの町が妙に心をざわつかせるから。
「お代わりはいかが?」
幽霊女中サロメが新しいハーブ茶を持ってきた。
「あぁ、ありがと」
「えぇ。ありがとう」
2人は幽霊に給仕されて一時を過ごした。
死人に囲まれてはいたが、楽しかった。
ここまで読んでいただきありがとうございます♪
ようやくダブル主人公(仮)の片割れ、墓場のイレーヌが登場しました☆
インターネット小説投稿サイトのファンタジー小説では嫌われ者のネクロマンサーです。
実は小生、アンデッドモンスターが殊の外、好きでして♪
でも、本編の方では全く出番がありませんのでこんなふうに番外編みたいな<<歴史です>>シリーズの方に出してみました。
これから大活躍してくれますよ。
生まれて初めて見たゾンビは……
何やら南米にやってきた主人公(白人♂)とヒロインと仲間達がブードゥー教の司祭に迷惑をかけられるホラー映画でした。
そこで主人公は司祭が住民達をゾンビに変えて奴隷として農場で働かせているという恐怖の事実に気づくのです!
しかも、この悪党は仲間達をゾンビに変えてしまい、主人公を追いかけさせたり、農場で奴隷労働させたりと非道の限りを尽くします。
なんて悪い奴でしょう!?
そして、主人公とヒロインに迫るブードゥー司祭!
「お前もゾンビに変えて農場で奴隷労働させてやる」と恐ろしいことを言います。
なんて恐ろしい!
そして…まぁ、何やかやあって主人公の活躍でブードゥー司祭は倒されて、住民と仲間達はゾンビから人間に戻って奴隷労働から開放されるわけです。
はい。
これが最初に見たゾンビですね。
動く死体?
いえいえ、ちょっと顔色の悪い南米人でしたね(^_^;)
ええ、最初のゾンビ映画って「人間がゾンビに変えられて無報酬で奴隷労働させられる恐怖」を描いていたんですよ。
無報酬で働かされる恐怖!
とてもわかりやすいですね〜
死体は? 人間を襲ったりは?
しません。
追いかけてくるのは捕まえて無報酬で働かせるためですwwwww
…と、まぁ、ジョージ・A・ロメロ監督の映画『ゾンビ』前のゾンビはこんな感じでした。
だから、後から出てきたジョージ・A・ロメロ監督の映画『ゾンビ』のゾンビには驚きましたね〜〜〜
そして、驚くと同時に!
ゾンビが物凄く嫌いになりました。
なんでだって?
弱いからです。
それまでのホラー映画の伝統的なモンスターは人間よりも遥かに強いんですよ。
ドラキュラ伯爵、フランケンシュタインの怪物、狼男、大アマゾンの半魚人、ミイラ男、どれをとっても強敵で人間は一方的に追い詰められるだけ。
ところが、ゾンビは銃で撃たれたり、斧で叩き切られたり、かんたんに退治されてしまいます。
こんなん駄目でしょう。
その変わり、質より量と言わんばかりに大量に出てくる。
でも、これまた弱そう。
だって、みんな、腐っていたり、目玉が飛び出していたり、内臓がはみ出したりしていたり……
大怪我してるんですよ!!!
怪物が大怪我していてどうする!?
病院か!?
病院、行くのか!?
おかしいでしょう。
ホラー映画のモンスターとして猛省を促したいところです。
でも、まぁ、そんな感じでゾンビ嫌いだった小生ですが、ちょっとした転換点がありました。
PlayStation初代の『バイオハザード』です。
「あれ? やられ役としてならゾンビって適役なのかな?」と感心。
ゾンビ映画は相変わらず感心しませんが、アクションゲームの題材としては面白いと見直しましたぉwwww
あ、文句を言いながらもロメロ監督の『ゾンビ』三部作は全部見ています。
結局、最後まで感心しませんでしたが(>_<)
面白くはありました。
小生がホラー映画につける点数は甘いのです(^_^;)
あぁ、ウナギやイカやタコなど寿司ネタが襲ってくるホラー映画よりは面白かったのです。
ピラニアが襲ってくる映画とか…きつかったなぁ。
俳優さんがピラニアの模型を自分の首に押し当てて血糊ドバー噴出させて悶える演技が……
いや、いいんですよ!
それがホラー映画なのです\(^o^)/
突如、モンスターが現れて人間が襲われ、人々を恐怖のどん底に突き落とす!
それでいいじゃありませんか。
海に浮かんでる手足も首もない死体を指差して「この服は…あぁ、保安官だ!」と嘆く人々の映像を見て「あぁ、首と手足を作る予算がなかったんだなぁ」と嘆く観客も含めて全部がホラー映画なのですよ。
ハリウッドで映画化されたラヴクラフト作品『死体蘇生者ハーバート・ウェスト』はきつかったなぁ……
…などと思い返す暇があったら次のホラー映画を観ましょう。
『遊星からの物体X』みたいな名作に出会うこともあるのですから。
あ、似たようなタイトルと言うか同じ原作の『惑星からの物体X』は駄目ででしたよwwww
『人食いアメーバの恐怖』とか、こ〜ゆ〜のでいいんだよ感がありますよね。
で、今回の新章<<歴史です。産めよ、増やせよ、地に満てよ!? ゾンビ地獄じゃぁぁ!!>>ですが。
本来のゾンビ映画に出てきたゾンビとロメロ監督以降のゾンビ映画に出てくるリビングデッドを明確に分けました。
以前からアンデッド好きが高じてかなり設定を積みかせていたので世界観の構築はかんたん。
今回、ゾンビもリビングデッドも両方とも出てきますが、リビングデッドの方はにぎやかし&お笑い担当ですね。
さて、そういうわけで次回は『魔境“ラナス大森林”にはたくさん幻獣が棲んでいて、みんな、暁光帝の友達なのです。』です。
請う、ご期待!




