男を辞めたい? しょうがないなぁ…暁光帝が何とかするけど、後で文句をつけるなよ。
何か、嘘つきが分不相応な願いを訴えてきたので叶えてあげた暁光帝♀です。
なんて親切なのでしょう。
嘘つきは泣いて喜んでいましたよ。
すると、そんな嘘つきを見て醜男どもが騒ぎ始めました。
う〜〜ん、おまいら、健康だろうに。
どこも痛くないし、どこも壊れてないんだから、おとなしく家に返ってくれよ。
でも、威勢に泣き出して訴えてきます。
はてさて、どうしてやりましょうか。
お楽しみください。
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只でさえ、貧民窟は不健康なのだ。“紫の大聖女”ことアスタの噂を聞いて訪れる患者は絶えない。
しかも、新たな患者が生まれてしまった。
やたら健康で頑丈そうな男達がやってきたのだ。どこをどう見ても施療院とは縁のなさそうな連中だったが、目からとめどなく涙を流しながらこの世の不幸をすべて背負っているような嘆きようである。
「うわぁぁん!」
「男なんてもう嫌だー!」
「女になるんだ! 女になりさえすればオレは幸せになれるんだー!」
「臭くて! 汚くて! 髭モジャで! ブサイクで! ゴツくて! 近づくだけで女の人に顔をしかめられるような生活はもうしたくない!」
「いや、それは半分くらいお前の暮らしぶりのせいじゃね?」
てんやわんやの大騒ぎだ。
「う〜ん、これは……」
虹色の瞳がキラリ輝き、アスタは過去視で男達を視る。
それが見出したものは。
見目麗しい乙女達からは見向きもされない。
否、目を背けられる。
仕事帰りに市場に立ち寄ると買い物客が鼻をつまんで去ってゆく。
店の主人は迷惑そうな顔を見せ、暗に身体を洗うように勧められる。
酒場を出てよい気分で乙女に近づいたら汚れた髭から漂う腐臭に悲鳴を上げられる。
『たくましい肉体の男臭さに女はイチコロだ』と言われていたのに実際は嫌われるばかり。
仕方ないと香水を振りまいたら汚れた肉体から立ち上る汗と垢の臭いと混ざって凄まじい不快臭に。
やることなすこと裏目に出て、仕方なく可愛らしい男の子に手を出そうとして衛兵に追いかけられたり。
彼らの、およそ悲惨な生活が確認できてしまった。
「あ〜…うん…そうだねー、これは……」
麗人は天を仰ぐ。
『いや、半分くらい本人が悪いんじゃね』とも思わないでもないが、同情の余地もある。
なかなか難しい問題だ。
それでも生活態度を変えて身ぎれいにすればあるいはとも思う。
「ふぅん……」
連中が『臭いが』『臭いが』と言っていたからようやく嗅いで確認すればよいという結論にたどり着く。
「すぅ〜〜」
すっかり忘れていた呼吸を始めてみると。
「む!?」
嗅覚にけっこうな刺激臭が伝わってくる。
周辺の大気に酪酸などの有機酸とアンモニアに混じって微量な硫化水素も含まれている。
人間と比べて自分の嗅覚はどのくらい敏感なのかはわからないし、臭いに対する感情も同じとは言えないだろうが、“悪臭”と断じるにためらいがないくらいには臭い。
とりわけ、モジャモジャの髭が酷い。
食事をした後、ろくに洗わないから髭にバクテリアやカビが発生して腐敗臭が漂っている。
「髭をなん……」
『髭を何とかしろ』と言いかけてやめる。貧民窟の住人は現金収入が少ない上に髭剃りは安くない。そして、身ぎれいにしようにも石鹸だって高いし、代用品の灰汁は溜めにくいのだ。
もちろん、生活魔法の“洗浄”をかければ身体の汚れなどかんたんに落とせるが、今現在できてない時点でおっさん達の魔法はお察しである。
「人間の暮らしじゃなぁ……」
やはり、なかなか難しい問題だ。
それもまた人間の文化だから博物学者である自分が手を出してしまうと自然な観察が成り立たなくなってしまいかねない。
けれども、自分にはかんたんに解決する手段がある。
「仕方ない…かな。よし、そこに並びたまい。そして、なりたい女の姿を思い浮かべるんだ。女体にしてやるけど、後で文句をつけるなよ」
またしても、『並びたまい』と訛らせつつ、命じる。
麗人の言葉に醜男達のどれほど喜ぶまいことか。
「おぉっ!」
「さすが、紫の大聖女様だ!」
「これで解放される……」
「男らしい男なんてクソ喰らえだ!」
「オレは女になるぞぉーっ!!」
病人や怪我人を差し置いて一斉に並び始める。
困ったものだが、それだけ自身の境遇に追い詰められていたのかもしれない。
目の前に腐ったヒゲの小汚いおっさんが現れる。
「ん」
初めに夢幻魔法の以心伝心を発現させてアスタは相手の心を読み、心の底に潜む理想のイメージ、“内なる女性”を観察する。
続いて。
「ん」
竜魔法“真なる女体化”を発現させ、確認した女性イメージを参考に、目の前のおっさんを女に変化させる。
開発したばかりで未調整の魔法だ。最適化もしてないから消費する魔気も大きいし、人間が唱えるための呪文も用意していない。魔法に長けた幻獣の自分にしか使えないが、それはいい。
面白い魔法としてコレクションするだけだから。
当然だが、『男であることの意味』なんて全然、考えてない。
性別のないドラゴンにとってはどうでもいいことだ。“男”という言葉の意味はせいぜい『有性生殖するための配偶子が小さくて運動性がある』とか、『性的二形として乳房が発達しない』とか、そのていどの意味しかない。
「はい。お終い」
「おぉっ!!…って、よく聞こえる☆」
麗人の魔法を発現すると一瞬で醜男が女性に変化していた。
元・醜男の乙女は目を見開いている。
発現された魔法は真なる女体化だけでなく、悪臭や身体の汚れを除去する生活魔法“洗浄”もかけられていたのだ。これはアスタからのサービスである。
その結果、身体にこびりついた汚れといっしょに耳垢も取り除かれたので一気に音が聞こえやすくなっていたのだ。
「世界はこんな音を立てていたんだ……」
新鮮な驚きに涙する。
男臭くてゴツかった、元の印象は微塵もない。無骨な骨格そのものから変えられていて、たおやかな肢体を実現している。身長もグッと下がっていて、目はパッチリ大きく、ロングヘアーは背中の半ば辺りまで流れている。
腰は細いが、出るところは出ていて肉付きがいい。男の理想を体現したような体つきだ。
どこからどう見ても元・男とは思えない、なかなかの美少女である。
「そうだよ。世界は素晴らしいんだ。ん!」
嬉しそうに告げて、アスタが新たな魔法を発現させるとその手に紫色の手鏡が現れる。
手鏡の出現を見た金髪妖精人のナンシーが目を見開く。
「はぁ!?」
今、アスタが何をしたのか、わからない。
いや、わかる。
わかるから驚いた。
「あぁ…よく気づいたわね。あれは無から有を生み出す大魔法“物質創造”よ……」
ため息を吐きながら享楽神オヨシノイドが応える。
「彼女はね、物を持ち歩かないの。ご本人の魔法を操る技術が物凄く高いからね、要るモノはその場で創っちゃえるんで」
苦笑いを浮かべながら肩をすくめる。
「ああしてね、手鏡だけじゃなく、三段櫂船とか、大型戦艦だって今みたいに創造しちゃえるのよ」
「と、は〜……」
ナンシーは開いた口が塞がらない。
“物質創造”なんて神々にしか使えない、究極の大魔法だ。
その神々だっておいそれとは使えず、大量の信仰を獲得できるような、いざというときにしか発動させない。
暁光帝はどれだけ高い魔法技術を持っているのか。
あのような大魔法をどれほど気安く使うのか。
その気になりさえすれば。
飢饉に苦しむ人々の前に大量の食べ物を出して満腹にさせられるのだろう。
膨大な土砂を生み出してこの瓦礫街リュッダをまたたく間に跡形もなく埋め尽くせるのだろう。
全て『ん』の一言で。
救済も破壊もその気持ち1つ。
恐ろしい。
恐ろしいことだが、それが暁の女帝様というものだ。
エルフは超巨大ドラゴンの脅威を改めて思い知るのだった。
手鏡を見つめる乙女は驚きのあまり、完璧に硬直している。
「これがオレ…なのか?」
ほんの一瞬前までは男だった。
視線が下がって仲間達が皆、大男に見えるから、背が縮んだことは自覚していた。
声も変わった。高く、小さく、可愛らしい声だ。
胸をときめかせていると手渡された手鏡。
鏡面に映る少女は初めて見るのにどこか親しみがある、まさに理想の乙女の姿をしている。
「あぁっ! あぁっ! あぁぁぁぁっ! あ…あ…ありがとうございます! ありがとうございますぅぅぅっ!!!」
元・おっさんの乙女は滂沱の涙を流してむせびながら感謝の言葉を繰り返す。
予想よりも胸乳が大きいが、それは紫の聖女の好みだと理解している。
女にしてくれた、それも理想の美少女にしてくれたのだから文句はない。
「ちょっとサービスして年齢も15歳くらいにしといたよ。花盛りの一歩手前だね」
なかなかに心配りのできる聖女、アスタである。
回春どころの話ではない。元・おっさんのどれほど喜ぶまいことか。
「三十路のオレが15歳、花の乙女に…あぁっ! 我が青春のやり直しじゃぁぁぁぁっ!!」
ひたすらに心を踊らせて感涙にむせぶ。
美少女が泣く姿は華があり、美しい。
突然、現れた美少女に大勢が注目する。
「うぉっ! お前みたいな奴がこんな美少女になるなんて!」
「絶対、ブサイクな女になるから笑ってやろうと思ってのに……」
「あぁ、いい匂いだな。さっきまで汚くて臭いおっさんだったとはとても思えん」
「あいつ、あんな若い女を手に入れやがって!」
「いや、“手に入れた”んじゃなくて“なった”んだぞ」
「どっちにしても羨ましいぜ」
大量の醜男達が集まってくる。
「畜生! 寄ってくるな、おっさんども! この美少女はオレのものだ! オレだけのものなんだぁぁっ!!」
自分の肩を抱いて、元・男の乙女が叫ぶ。
言ってることは間違ってないが、聞きようによってはアブナイ発言である。
「オレは女になった! もう臭くないし、もう汚くない! もう嫌われないから女の子同士でキャッキャウフフするんだ! もう男なんて真っ平ゴメンだぁぁぁぁぁっ!!」
心の奥底からの、魂の絶叫である。
「うんうん、そりゃぁ、なぁ……」
「あいつ、いい歳だろ? 頭髪の薄さからして30年以上か…男は味わい尽くしてるからなぁ」
「男を味わい尽くした、可憐な美少女か…むぅっ! 萌えるものがあるな」
「いや、俺達だってこれから“男を味わい尽くした美少女”になるんだろーが」
「違ぇねぇ!」
「「「「ガハハハハハハ!」」」」
醜男達は下品かつ豪快に笑う。
この出来事を見て大衆の間に大きな変化が起きてしまった。
更に多くの男達が性転換を希望する列に並んだのである。
「おい、お前! 何、列に並んでんだよ!? 結婚してるだろーが!」
「あ…うん…その…娘達から『臭い』って言われててな……」
「そ、そうか……」
「下着を一緒に洗わないでくれってさ。俺、何のために生きてるんだろうな?」
「でもさ、男、辞めちゃうんだぜ? それでいいのか?」
「紫の大聖女様に頼めば青春をやり直せるんだろ? 今がチャンスじゃないか!」
「てめぇ、男の誇りはどこ行った!?」
「『いざというとき、女を守れるのが男だ』ってんだろ? ずーっと待ってても肝心の『いざというとき』が来ねぇじゃねぇか!」
「それは……」
言い合っていた男も唇を噛み締めうつむく。
“いざというとき”、それは女性や子供が悪漢に襲われて悲鳴を上げるシーンのことだ。そして、そんな危機に颯爽と現れて妻子を守る夫の勇姿だ。
しかし、そんな都合のいい状況はめったにない。
貧民窟は貧乏人ばかりで盗賊団もカネのないところへ強盗に入らないのだ。ましてや、屈強な夫のいる貧乏な家に押し入るマヌケはいない。
ちなみにヘンリクの一家が招いた悲劇は博打で大儲けした長男が周囲に大金を見せびらかしたことが強盗を呼び寄せたのである。その上、散財して一銭も残っていなかったので強盗を怒らせたことも悲劇の原因であったのだ。
もちろん、こんなことは極稀な例外である。
つまり、普段、うだつの上がらない夫が突然の危機に立ち向かい、家族にカッコイイところを見せるなんて夢物語なのだ。
彼らは既婚男性。醜男達と違って生活魔法“洗浄”が使えるので身ぎれいになれたのだ。それで女性のハートを射止めて結婚できた勝ち組だ。
それで女にモテない醜男達を散々バカにしてきたのだが。
結婚した後は『釣った魚には餌をやらない』と身ぎれいにすることをやめ、好き勝手に過ごしていたら臭くて汚くなってしまい、醜男達と同じになってしまった。
いや、生活魔法が使えるのだからまた身ぎれいにすればいいのだが、面倒だからと怠ってしまった。
それで家族から嫌われ、うだうだ文句を言いながらうろついていたら“紫の聖女”の話を耳にした。
元が色男で女の子になってもあまり変わらない、レイヨの性転換には感心しなかったが、仲間の醜男が見事な開花を見せるとたちまち気が変わったのである。
最近、だいぶ髪が薄くなってきたこともあり、醜男が見事なロングヘアーに変化したことも衝撃的だったのだ。
「あんな美人なら娘達も喜ぶ!」
「俺、いいママになれるぜ!」
「うん。もう“とうちゃん”は辞めだ。俺は“ママ”になるんだ」
「おいおい、いいのかよ?」
仲間は呆れるが、既婚男性達の決意は固い。
頭の中で『家族も喜んでくれる』と自分に言い聞かせているが、本当だろうか。
新たな事態の変化に金髪妖精人は大いに動揺する。
「結婚した男性が性転換? 性風俗の紊乱だわ!」
為政者として無視できない事態になりつつあるのではないか。
危惧せざるを得ない。
ナンシーはエルフであってヒトではないが、瓦礫街リュッダを愛し、政治を指導する立場にある。それはそれで鼻白む者や眉をひそめる者もいるけれども、何百年も生きるエルフはすでに街の歴史の一部になっているのだ。
為政者の1人である、そんなエルフが焦っている。
「夫や父親である人物がいきなり美少女になってしまったら……」
考える。
大変なことになるだろう。
先ず、家庭が混乱する。いきなりやってきた女の子から『お父さんだよ』と言われても妻や子供達は納得できやしない。
また、元・醜男の女性は子供を生んでくれないのではないか。中身がそのままで女になったのだから、恋愛の嗜好も変わっていないはず。全員がすっぱりくっきり女性同性愛者になることだろう。
そうなれば、新たな子供の誕生は期待できなくなる。
「まずい!」
只でさえ、最近の瓦礫街リュッダはヒト族の割合が減っているのだ。スケベな男達の多くが子孫繁栄を放り出してしまったら、獣人のような、多産の人種に街が乗っ取られてしまいかねない。
そうなればヒト族と協力関係にある半魚人族も混乱するだろう。
海中国家と沿岸諸国、国際社会にまで大きな影響が及びかねない。
「むむむ……」
思いっきりレズビアンのナンシーだが、自分のことは棚に上げている。
けれども、それが“為政者”というものだ。
個人的には“スケベなおっさん”なんて迷惑極まりない存在だと思っているが、為政者としては多産を促す要素、“生きのいい種馬”だと思っている。
『平等な男女両性の自由意志の下で合意を得た結婚こそが望ましい』とか、おためごかしを抜かしてきたが、そんな理想論はどうでもいい。
要は人口増加である。人口は国力に等しいのだから。
スケベなおっさん達が次々に女の子になってしまっては困るのだ。
ところが。
「いやいや、心配のしすぎですよ」
頭に血が上るナンシーにギュディト百卒長が水を差してきたのである。
「あのアスタさんのことだから、変化させた女の子達には魔法の素養も与えているはず。それこそ反則みたいな魔力かもしれません」
きっと凄いことになるだろう。
キラッキラッ、期待に目を輝かせる。
「うむぅ……」
その言葉にエルフは一瞬で表情を変え、唸る。
『いや、ありそうな話だ』と思ったのだ。
むしろ、ない方がおかしいようにも思える。
ズバリ言ってアスタは気前がいい。
気が合うからと初対面の豚人に金貨を何十枚も与えたり。
目玉を失った娘を胸乳に触れさせることと引き換えに無料で治してやったり。
殺された家族6人をまとめて生き返らせてやったり。
金貨も、魔法も、奇蹟も、何だって大盤振る舞いだ。
アスタならおっさん達を超人の少女に変えて『ちょっとサービスしといたよ』くらいはやってもおかしくない。
今回、施療院に来て以来、褒められまくって上機嫌だからか、やたらとサービス精神が旺盛だ。
そう言えば、『ちょっとサービスして年齢も15歳くらいにしといたよ』とハッキリクッキリ言っていた。
アスタの言う“ちょっとサービス”が“年齢”に限定されるならいいが、その発言は『年齢を』ではなく『年齢も』だ。一文字違いだが、重大な意味を持っているように思えてくる。
もしも、真なる女体化で新たに生まれる少女達が強力な魔導師になれるのなら、瓦礫街リュッダの国力は大いに強化されることだろう。
「それなら……」
総合的な採算は合うかもしれない。
人口に対するヒトの割合が減少することと強い魔法が使える少女達による国力が増加することを価値の交換できるのなら。
問題はそれぞれをどう評価するか、そもそもそれは評価できるのかということだ。
暁の女帝様がおっしゃる“ちょっとサービス”は一体全体、どの程度のものなのだろうか。
ナンシーの悩みはさらに深まるのだった。
ここまで読んでいただきありがとうございます♪
カミソリって発明されたのがけっこう近代なんですよね。
瓦礫街リュッダは西暦1000年くらいの中世イタリアをモデルにしていますのであんまり文化レベルにそぐわないものは出せません。
すると、貧しい暮らしのおっさん達ってヒゲを剃れないのでモジャモジャなんですよね〜〜〜
石鹸は存在していたようですが、安価ではなかったようです。そりゃ、不潔な生活なので新生児の生存率も平均寿命も下がることでしょう。
生活魔法のおかげで一気にこの辺は改善されたのですが、魔法は誰もが使えるわけじゃありません。
ナーロッパ名物の生活魔法だって使える人間は限られているんですよ。
そこで魔法の使えない男達がどんどん不潔になってゆく。
いえ、相対的にですよ。
他が身ぎれいにして自分達が汚れたままなら醜男一直線です。
とりわけヒゲがやばい。
飯食って食べかすのついたモジャモジャのヒゲを上手く洗えないのでどうしても臭う、どうしても汚れる、食べかすが腐敗して大変なことに!
それで嫁がもらえない、モテない男が増えてしまったんですね。
あ、虫歯にかかると敗血症を発症して死にます\(^o^)/
…のはかわいそうなので回復魔法の癒し手が何とかしてくれます。
カネを払えばwww
…なんですが、まぁ、貨幣経済がそこまで発展してないので回復術師もカネ以外の報酬で治療を引き受けることでしょう。
主に食べ物とか、布とか、毛皮とか、有価物でww
識字率も低いので契約書もありませんし、全部、口約束www
色々ヤベェ。
でも、中世ナーロッパなんてそんなものでしょう。
魔法があるので多少、平均寿命が上がって、日常生活で早々死ななくなるくらいでしょうかね。
リアルの中世ヨーロッパよりはまだ少しマシなくらい?
いや、生活魔法があるだけでもかなり違いますかね。
この“生活魔法”、最初見たときは驚きました。
ネット小説のファンタジーが生み出した大発明ですね。
何が凄いって社会の衛生環境が劇的に改善されちゃう。
虫歯≒死亡って公式が崩れるんですよ。
ハマダラカはともかく、ノミやシラミによる感染症もだいぶ防げることでしょう。
そう考えるとちょっと楽しゅうございますね(^o^)
さて、そういうわけで次回は『暁光帝は頑張りました。でも、あれ? 仕事がめっちゃ増えてない?』です。
請う、ご期待!




