壊れた屋台と巨乳姉妹☆ 暁光帝はこういうロマンあふれるタイトルを待っていたんですよ♪ えっ、“屋台”って何?
ハンスが死んじゃいました(ToT)
キャラが死ぬとかギャグ小説にあるまじき大反則です!!
…なので、我らが主人公♀暁光帝が死んじゃったハンスを生き返らせてくれました☆
おかげでみんな、大喜びです。
そして、暁光帝はもちろん…よいしょされまくり〜の、ほめられまくり〜の…
で、思いっきり上機嫌ですwww
暁光帝、魔法が使えるようになりました。
なっちゃいました。
只でさえ強いのに更に強くなって、もう舐めプがはかどりまくりです!
ついでに身長も伸びて豊乳になりましたww
惜しい!
巨乳にはまだ後一歩届きませんでした(>_<)
でも、童女から麗人へ…
えっ、ロリっ子いなくなっちゃうの?
いや、そもそも、暁光帝♀は人化して童女になっただけであんまりロリっ子じゃなかったような……
まぁ、いいんです。
色気UPで物語が華やぎますからww
さぁ、さらなる色っぽい展開が来るのでしょうか?
お楽しみください。
キャラクター紹介&世界観はこちら〜>https://ncode.syosetu.com/n2816go/
初夏の青空が目に眩しい。
無数の金属線が潮風に逆らって縦横無尽に舞い踊る。陽光に照らされて紫色に輝く髪は一本一本が生き物のように動いている。
「アンタ、マジで凄ぇんだな……」
自由民の少女は人間離れした美貌と振る舞いの麗人を見て絶句していた。
「凄ぇのはわかったけど…アンタが屋台を補償してくれるのかい? そうじゃなければ放っといて欲しいんだけど」
姉妹であろう、もう1人の少女は胡散臭い人物を見る目でアスタを見ている。
2人はこの海水浴場で上流階級の金持ち向けに魚介の串焼きを売って生計を立てていた姉妹である。
先ほどの騒動で秋刀魚の異形妖族に屋台を破壊されてしまった。バラバラにされた屋台はもう使い物にならないが、まな板やナイフや串、使える道具はまだ残っている。それらを拾い集めて次の商売につなげようと思っているのだ。
「う〜ん…“補償”ってのとは違うんだけどね〜」
もはや童女ではない、麗人のアスタは自慢気に豊乳を揺らしながら破壊された屋台に目をやる。
「アスタさん、車軸も車輪も真っ二つに切り裂かれてますよ。いくら何でもここまでバラバラされたら修理するよりも新しく組んだ方が早いのは素人でもわかります」
妖精人のナンシーが恐る恐る口を出す。
何が不安なのか。
麗人に変身したアスタが何をするのか、さっぱりわからず、今後の方針が立てられないのだ。せめて、多少なりとも予測がつけば、ある程度の対処も可能なのだが。
「ねぇ、ちょっと…カネも出してくれないんじゃ……」
「アタシらの屋台には口も出さないで欲しいんだけど……」
姉妹が情けない声で抗議する。
商売道具を破壊されて明日からの食い扶持も稼げないのではないかと不安に思っているのだ。
哀れな姉妹を横目に。
「トゥカットザプッシィキャッツライフ♪」
楽しげに歌いながら麗人アスタは右手を水平に伸ばす。
「ん☆」
右耳の後ろから生えている、白く透き通った角が一瞬だけ輝く。
魔術杖など持っていないし、魔法陣を描くことも複雑な呪文を唱えることもない。それでも、魔法が発現した。
ヴォン!
屋台の残骸が立ち上がり、バラバラになっていた破片のそれぞれも舞い上がってゆく。砂地に落ちていた食材もまるで生き物のように飛び跳ねる。
シュルルルル!
残骸に破片がまとわりつき、元の形にくっついてゆく。水魔法豪水魔流に切り裂かれた切断面と切断面がピタリ合って切れ目が薄くなってゆき。
シュオン!
傷跡1つ残さずに消え失せた。
あっという間に修理は完了。そこにはフォモール族に破壊された屋台が完全に元通りの姿で置かれていた。
「「「「ほぇぇぇぇっ!?」」」」
驚きか、喜びか、仲良く姉妹が悲鳴を上げる。
ナンシーとビョルンも一緒になって声を上げている。
「ほほぉ…世界一強いとこんな魔法も使えるのか……」
ギュディト百卒長は強化&弱化魔法と回復魔法しかわからない。だから、初めて見る魔法に感心するだけだ。
百卒長にとって“世界一強い”は本当に便利な言葉だった。
アスタの所業は全部、それで説明がついてしまう。
自分がその強さにどこまで追いつけるか、それだけが百卒長の関心事だ。
それ以上は深く考えない。
脳みそまで筋肉でできている巨女らしい思考である。
「か、回復魔法って生き物の傷や病を治すものですよね? 屋台とか…無生物の故障も直せるんですか?」
口ごもるビョルンは目の前の現象に圧倒されている。
こんな魔法は見たことも聞いたこともない。いや、子供の頃に聞いたおとぎ話なら、あるいはあったかもしれないが。
明らかな死から蘇ったハンスは驚異だが、一応、最上級の聖魔法“死者蘇生”だと説明がつく。
しかし、今、目の前で起きた現象は何か?
破壊された屋台、無生物が一瞬ですっかり元通りに直された。
なぜか、砂地に落ちた食材やナイフまでも今から料理されようとしているかのようにまな板の上に整列している。
こんなことは回復魔法でも聖魔法でも不可能だ。
「あ…いえ…ありがたいけど、エビや魚に砂がついたままじゃ……」
「ついてないよ」
何とか気を取り直した少女が食材の状態に懸念を示そうとしたものの、尋ねる前に否定される。
「このボクを誰だと思ってるの? 始原の魔導師アストライアーが発動させた魔法でそんな無様はさらさないよ」
片方の眉をわずかに上げて、アスタは食べ物の衛生を宣言する。機嫌がいいので、その様子はいつにもまして無警戒だ。
本当に口が軽い。自分で正体を堂々と喋ってしまっている。
だが。
「そうなんですか! アスタさんはすっごい魔法使い様なんですね☆」
「アスタさんがこんなに凄い魔法使い様だなんてついぞ気づかず、まっこと申し訳ありませんでした」
姉妹が素直に頭を下げると。
「うむ。ボクはブタよりも小さいから気づかないのも仕方ないね。これからは気をつけるように☆」
麗人は上機嫌で豊かな胸乳を張ってふんぞり返っている。
食品を扱う商売に携わっているからか、姉妹は自由民にしては栄養状態がすこぶる良い。
ふたりとも巨乳なのだ。
粗末な貫頭衣だが、布地を押し上げる胸乳は豊か。
そのことも含めてアスタは助けたかいがあったと機嫌をよくしているのである。
いつもながらのやり取りと言えばそうなのだが、麗人の発したある言葉が強烈にビョルンの心を揺さぶった。
「あ…あぁ…そうですね」
食材が無事かなど、そんな偉そうに宣言するほどのことでもないんじゃないかと思いつつ、博物学者はその言葉に激しく動揺している。
「やはり…そうでしたか。そうじゃないかとは思っていましたが…そうだったんですね……」
動揺しすぎて言葉が上手くまとまらない。
午前中にドラゴン城の自室で聞かされたアスタの言葉からなんとなく予想はついていたわけだが、こうして本人の口から聞かされると格別の想いが湧く。
“始原の魔導師アストライアー”という言葉。
その意味するところは世界で最初に魔法を創った者であり、全ての属性に適性があり、あらゆる魔法が使える、至高の魔法使いだ。
やはり、暁の女帝様ご本人が始原の魔導師だったのか。
「はぁ…アスタは世界最強だからね。もうどうしようもないくらいに」
ため息の尽きないナンシーである。
「回復魔法で無生物の故障を直すくらい朝飯前なんじゃない?」
考えるのを放棄して肩をすくめる。
「それより気になるんだけど。究極の聖魔法“死者蘇生”って何か、とんでもない厄介事がつきまとってなかったっけ? 個人が使うと…いや、そもそも普通の個人が使える魔法じゃないんだけど……」
初夏の青空を仰ぎ見る。
さわやかだ。
真っ白な雲がいくつか流れ、太陽はわずかに傾いたものの、眩しいくらい明るい。
けれども、何かが気になる。
「本当にありがとう! なんて凄い魔法なんでしょう!」
「ありがとうございます! こんな凄い魔法は生まれて初めて見ました!」
麗人を偉大な魔導師だと理解したのだ。感動した巨乳姉妹は言葉遣いも変え、アスタの手を取って何度も頭を下げている。
その様子にも違和感はない。
無償で助けてもらったのだから当然のことだ。
それならエルフは何が気にかかっているのだろう。
「言われてみれば…死者蘇生の魔法ですからね。希少なことについては最大級の精霊魔法を上回りますし、欲しがる人々もバンバン湧いてくる。手に入れたいとの欲望も凄いことになりそうではありますね」
人間は生きていれば悲しい別れを味わうこともあるだろう。
愛する者と死別すれば『取り戻したい』と願うに違いない。その願いを叶えるために死者蘇生の魔法を全力で求めるはず。単純に恋人や親兄弟でも遺された者は執念を燃やすだろうし、名君が没すれば国家を上げて執着するだろう。
しかし、個人であれ、国家であれ、希少な魔法で死者を冥界の闇から取り返したなんて話はとんと聞いたことがない。
「確か…死んで間もない遺体でないと成功しないとか、膨大な魔力と特別な儀式が必要だとか…かなり面倒な制約があったような……」
ナンシーの隣で同じく空を見上げる。
「う〜ん…大切な人を生き返らせられるとわかったら…あぁ、ナンシーさんは夢を見るんじゃありませんか?」
突如、ビョルンは真剣に尋ねる。
最近、ナンシーが大切な女性と死別したとか。そんな話を思い出したのだ。
「見ないわよ」
エルフは一瞬のためらいもなく答えて、声をひそめる。
「『アプ八の、女帝を夢見て、穴の中』でしょ。あいつ、陵墓さえ掘ってもらえなかったのよ。暁光帝を利用しようする者は例外なく破滅するわ。惨たらしく、ね」
有名な格言を引用した。
帝都に暁光帝を召喚して自国もろとも破滅した暗君“アプタル8世”の名前は人々の記憶に刻み込まれている。暁の女帝は人間が利用してよい存在ではないのだ。
「それもそうですね。野心を抱こうと純愛を貫こうと許されないんでしたっけ。ん…? あれは?」
ビョルンは海の方を見て訝しんだ。
碧中海の水平線の上、白い綿雲が流れる青空に小さな点が動いている。
「あぁ…思い出したわ。そうね、アレがいたんだわ」
エルフ族はヒト族よりも目がいい。
大空を飛んでこちらに向かってくる存在がはっきり見えるのだった。
ここまで読んでいただきありがとうございます♪
巨乳姉妹に豊乳の暁光帝♀と一気に物語が華やぎましたね☆
えっ、華やいでない?
ガールズラブはどうした?
屋台の巨乳姉妹が仲良しなのでご容赦ください〜
実は、屋台の巨乳姉妹、完成直前まで屋台の兄弟でした(^_^;)
ほぼ、書き上がって校正していたら「今回、関わってくる新キャラがゲロまみれのおっさんズと化け物どもとウミケムシだけやん?」と自分でも思いまして。
あわてて、ガールズラブ要素を加えたわけです。
なので、もともとの文章だと…
「こいつはいけねぇ!」
「退散しろ!」
「急げ!」
…でしたので急遽、
「こいつはいけないわ!」
「退散よ!」
「急いで!」
…に変えたわけですwww
何か、フォモール族の被害者は若い男2人組…みたいなイメージがあったんですよね。
そのせいで出番も少なく天使の流れ弾を受けてピンチに陥るシーンに兄弟の出番がありませんでした。
暁光帝♀が男の2人組を助ける訳ありませんからね(^_^;)
兄弟→姉妹の変更でけっこう物語に影響が出るものですね。
後、ナンシーの過去がちょっとだけ。
恋人♀は同じ冒険者パーティー“紫陽花の鏡”のメンバーでした。
でも、種族的な禁忌を犯してしまい…2人の関係は破綻してしまいました。
まぁ、エルフ♀とヒト♀ですからね。
ナンシーは頑張ったのですが、恋人♀は寿命で死んじゃいました(涙)
なので恋人♀は土の中です(>_<)
冒険者パーティー“紫陽花の鏡”は瓦礫街リュッダよりも歴史があって、最初期のメンバーは今やエルフ♀のナンシーだけです。
エルフ、老化しないんでwww
でも、初期のメンバーで今でも元気な奴もいます。
不老なのはエルフだけじゃないんでwww
彼らは単純に飽きて冒険者を辞めただけですww
長く続いている冒険者パーティーなんでいろいろあるのです。
今のメンバーの1つ前のメンバー達もナンシーの恋人♀以外は健在ですが、みんな引退してしまいました。
いえ、病気や怪我じゃありません。
前のメンバー達はナンシー以外が不老じゃなかったから歳を取って引退してしまったのです(涙)
ちなみに、暁光帝の魔法を見ても恋人♀を蘇らせようと思わないのは本当に怖いからです。
「アプ八の女帝を夢見て穴の中」は有名でその悲惨な最後は広く知られており、ナンシーもことわざの通りになるつもりはありません。
「暁光帝を利用しない」ってのは骨の髄まで常識として滲み込んでいるのです(^_^;)
さて、そういうわけで次回は『千客万来? 暁光帝を訪ねてまた誰かが来たようです。変な奴だったらイヤだなぁ(^_^;)』です。
請う、ご期待!




