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ある日の帰宅後の癒し

水泳部の練習は激しさを増した。

夏にある大会に向けて追い込みが早くも始まったからだ。まだ大会に出れるほどの実力もなく水泳を始めたばかりの俺にとってこの練習は相当きつい。


「くぅー。羽田先生いくらなんでもあれはやりすぎだろ。」

俺は家に帰ると座布団を何枚か敷いてその腕うつ伏せになっていた。普段運動しない俺がいきなり大運動すると身体は悲鳴を上げても無理はない。


「ただいまー。うわっ太陽大丈夫?」

紗奈蘭さんは帰ってくるや否うつ伏せになっている俺を見て驚いていた。あの雷の日から紗奈蘭さんは俺との接し方に少し変化が見られた。


「まぁ大丈夫ですよ。明日は確実に筋肉痛コースですけどね。」


「何があったか分からないけど大変みたいね。確かどこかに湿布があったはず。」

紗奈蘭さんは湿布を探しに和室から出て行った。


俺はうつ伏せの状態でカバンから英単語の表を出して暗記していた。

「あら、太陽くん。大丈夫?」

今度は有梨華先生が和室に入ってきた。部活が終わった後に買い物をしたみたいだ。


「ちょっと練習で身体が....」


「羽田先生も太陽くんにいきなりきつい練習させるなんて酷いよ。」


「まぁ仕方ないですよ。」


「そっか。よしっ頑張った太陽くんにご褒美私が美味しい夕食一杯作ってあげるっ。」


有梨華先生もキッチンに行き支度を始めた。

俺は必死に英単語を覚えることにした。



俺が英単語の勉強を始めて30分ぐらいが経った。

身体が疲れていたこともあり半分意識が飛んでいた。そんな俺の身体は柔らかいものに包み込まれ頭は誰かが優しく撫でてくれていた。

「んっ。うっ...」


「太陽くん。お疲れ...ゆっくり寝ててもいいよ。」

この声は有梨華先生?と思ったところで俺の意識は完全に吹き飛んだ。


そして次に目が覚めた時は俺は布団の中でいた。

誰が寝かせてくれたかは分からない。

「俺はどれぐらい寝てたんだ。」

時計を見ると21時を回っていた。


俺が目覚めてすぐに和室の扉が開いた。

「目が覚めたんだね太陽くん。」


「有梨華先生。もう夕食は?」


「私たちは食べたよ。太陽くんピクリとも動かずに爆睡してたから...」


「そうだったんですか。」


「夕食は残ってるから温めたら食べられるけどどうする?」


「もう時間が時間なんでいいですよ。」


「そっか。じゃあ冷蔵庫の中に入れておくね。」


「先生っ!」

俺は和室から去ろうとした有梨華先生を引き止めた。


「どうしたの太陽くん?」


「俺、寝てる時誰かに頭を撫でられた気がしたんですけどもしかして有梨華先生ですか?」


「うん。そうだよ。寝顔可愛くて撫でちゃった。」

有梨華先生はニッとして部屋から出て行った。

俺は少し顔がニヤけてしまった。

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