よく晴れた日の海辺の夕焼け
「まるてん」さんに感想いただきましたーー!(◍˃̶ᗜ˂̶◍)ノ”
早く主人公たちを成長させて、大舞台に立たせてあげたいですねー。
———ゆう視点———
玄関がガチャリと音を立てる。
ゆかりさんが来たみたいと思ったけど、足音が一人分多い。
部屋の扉が開く。
「ゆうくんこんにちは、初めまして。あやのと言います。」
肩くらいまでの長めのボブカット、膝丈スカート、上はブラウスにカーディガン。
すごく大人の落ち着いた女性って感じの人が入ってきた。
20代後半くらいだろうか?
「こ、こんにちは。」
「なに緊張してるのさ、あやのせん..さんが美人だからびっくりしてるの?」
ゆかりさんがからかってくる。
「ゆかりもそんな風にからかわないの。ゆかりのピアノが最近すごく良い音になって、ゆうくんと弾いてたって聞いたから見に来たの。いつもどんな風にやってるか見せてもらえる?」
どうしていいか分からず、ゆかりさんの方を見ていると、こちらに向かって頷いているところだった。
「いつも通りね」と言われたので、ピアノ椅子にゆかりさんと二人で座る。
「私はベッドに座ってていい?」
「はい、大丈夫です。」
なぜか深呼吸をしているあやのさんに向かって返事をする。
「それじゃ弾くね。」
ゆかりさんがいつもの曲を弾き始めると、部屋がキラキラした光でいっぱいになる。
最初の頃と比べて、すごく綺麗に光るようになったなぁ。
ピリッときたところがあったので指摘する。
「ゆかりさん、そこのオレンジがピリッとしすぎてる」
「ちょっと弱くしてみるね。」
今度は他の色に隠れて見えなくなる。
「今度は埋もれちゃった。」
「柔らかく、強く弾けばいいのかな?これでどう?」
輝くオレンジと、青と少しの白の調和が取れて、よく晴れた日の海辺の夕焼け|のような光景が部屋いっぱいに広がる。
「すごく綺麗。」
「えへへ、ありがと」
良くなったと伝えた時に、ゆかりさんがはにかんでくれると、少し心の奥がドキッとする。
嬉しいし、心が温まる。
そんな指摘を、1時間ほど続けて休憩しようとした時、ベッドの方から声をかけられる。
「私と一緒に弾いてみようよ」
あやのさんのこと、すっかり忘れてた…