片鱗
やじさんに、感想をいただきました。
ありがとうございます!
感想をもらえて、非常に嬉しい&やる気が出ました。
—ゆかり視点—-
それから私は、毎日ゆうくんのところへ通うようになった。
部屋で二人きり。
私がピアノを弾く。
ゆうくんは気になったところを指摘する。
私はそれを直してもう一回弾く。
会話はほとんどない。だけど心地良い音楽で満たされた不思議な関係が今日で1週間になる。
まぁ、私としては美少年と同じ空気を吸っているだけで満足なんだけど。
「それにしても、いつも同じ曲ばっかりでゆうくんは飽きないのかな・・・?」
いつも弾く曲は最初にゆうくんの前で弾いた曲。
他の曲はいいの?と訊いてみても「この曲が完成するまでは良い。」らしい。
私としては、完成ってなんじゃいと思いながらも、一緒にいられるの嬉しいという気持ち。
いつもは学校とレッスンが終わってから家に行っていたんだけど、今日はレッスンが無い分1時間くらい早く家に着いた。
外までゆうくんのピアノが聴こえてくる。
といっても、ひたすらドを弾き続けるだけ。
お母様が言っていた通り、曲を弾く気はなくただ単音をひたすら弾いているらしい。
それも数時間ぶっ続けで。
『ドだけ数時間も続けて弾くって、なにしてるんだろう。』
そう思いながら、なんとなく外で、ゆうくんの出す音を聴いていると、
ふと、あることに気づく。
5回に1回、やけに強い音になる。
周期性があるらしい。
『楽しいド、悲しいド、嬉しいド、驚きのド、そして怒りのドで5つになってるのか。』
そこでふと気づく。
『ドの音だけで、5つの感情を人に伝わるように表現できる・・?しかも誰に習ったわけでもなく。』
気づいた瞬間、私はすでに駆け出していた。
玄関を通り過ぎ、ゆうくんの部屋の扉を開ける。
もう音は止まっている。
「ごめんなさい...」
ゆうくんは、ベッドの上で、布団を被って涙目で謝っていた。
最終的にはただイチャイチャさせるので安心してください。
というか、作者はイチャイチャが書きたいだけだったはずなのに
ストーリーもと欲張った結果、ちょっと辛い感じになってます。