表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/39

6 お芋好きなのよ

お読みいただきありがとうございます

「う…身体が怠い。しかもめっちゃ腹減ってる…。」


 目覚めるともう既にお日様は高く、お昼近かった。


 私は昨日の夕方倒れ、今までずっと死んだ様に眠っていたらしい。


 これは、きっと、調子に乗って魔法を使い過ぎた所為に違いない。


 そして未だ体調は優れない。


 栄養失調気味なのは否めない…。


 前世の記憶からすると、単なる眠りすぎという気もしないでもないが、元々ひ弱な身体で、初めての体験である魔力というものの使い過ぎの可能性が高い。


 因みにこの貧乏領には医者はいない。


 お母様も身体が弱くて、なす術なくお亡くなりになっている。


 では、我が領で病人や怪我人が出た時はどうしているのか?


 命がけで森などに分け入り、必死に薬草を探すのである。


 強い魔物の生息する場所程、効果の高いものが採取できると言われている。


 薬草の中でも、色々な種類があり、運が良ければ、どんな病にも効く万能薬を作り出せる薬草が見つかる事もある…。


 そんな凄い効果のある薬草は伝説級の万能薬草と言われ、一説ではドラゴンの住処に生えると伝えられているそう。


 そりゃ…無理だったでしょうね。


 結果、お母様は万能薬草が見つからず、間に合わなかった。


 その時、私は既に7歳で物凄く泣いた記憶だけある。


 お母様はとても美しい人だった。


 結婚の申し込みの殺到する中で、何故か父様を選んだ。


 生前のお母様曰く、一番優しくて誠実だったと。


 貴族は一夫多妻制が認められている。


 申し込んで来た貴族は父様以外、全て正妻、側室、側妾が既にある人達ばかり。


 その傾向は身分が高い男程女好き。


 お父様は未だに母様の事が忘れられない様で、後妻も迎えようとしなかった。


 お父様は、身分は男爵でそんなに高くないけれど、若く、優しく、誠実でそこそこイケメンの部類に入るのではないだろうか。


 ま、ちょっと、騙されやすいかもしれないけれどね。


 だから、私が守らなくちゃ。


 この貧乏領をせめて普通クラスの男爵領へ。


 私も美味しいもの食べたいし。


 とにかく栄養失調は勘弁してほしいよ。


 領民の皆の食糧事情も改善してあげたい。


 とにかく!


 借金まみれじゃどうにもならないもんね。


 麦以外にも特産品を考えないとね。


 だって、同じもの同じ畑に植えても良くないらしいし。


 どうしてこんな事を考えているか?


 それはね…フライドポテトが食べたいからよ!


 ジャンクフード大好きだったんだもん。


 それ思い出しちゃったんだもん。


 ポテチもね!


 侍女のイリーナがベッドまで運んで来てくれた、いつもの麦がゆを虚しく口にしながら私は思った。


 こんな食事じゃ、栄養とれんわな!


 圧倒的にタンパク質やビタミンが足りてないよ!


 さっさとやる事やって、ジャガイモとか食用油をさがさねば。


 芋食べたい!芋〜っ!サツマイモもいいわね!


 怠い身体に鞭打って、村の畑に向かった。


ブックマーク&評価ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ